USBキー入力パッド

2023年12月21日

本を裁断しないで自炊するためにEPSONの古いスキャナー(PX-1700F)を使っています。EPSON SCANというアプリで操作してファイルに落とすのですが、その作業ではマウスあるいはキーボードで動作指示を選びます。マウスの移動とクリックは手間なので、基本動作はキーボードのキーで決めています。

基本動作というのは、R(カラーモード)、G(グレイモード)、B(黒)というスキャンのモード選択と、X(文字を濃くする)、P(プレビュー)、S(スキャン実行)の合計6つです。

問題は、10キー付きのフルサイズ・キーボードを使っているので、押し間違い(キーボードの隣のキーを押してしまう)が多いのです。特に、Sの上にある低解像度キーWを押してしまったことに気が付かずに、その後のすべての作業が無駄になったことが何度もあります。

キーの押し間違いを減らし、かつ、使いやすく効率的な方法を探していて、任意のキー押しをプログラムできるショートカットキーに行き着きました。これは数個のキーだけのUSBキーボードで、それぞれのキーに複合キーを含む任意の文字を割り当てることができる製品です。

この手の製品はほとんどが安価な中国製で、通販で12キーの製品が2千円台でした。キータッチはもひとつですが、けっこうしっかりと作られていて、キーを押すと下のLEDが瞬間点灯します。

各キーをプログラムするのはインターネット上で、怪しい接続ではなさそうでしたが、画面の日本語説明が怪しげでした。ともかく、簡単に設定することができました。

初期状態は1~0の数字、a、bという12個でした。キーを指定したのはEPSON SCAN用の1列6個だけです。キートップのサイズにシールを切って、文字を書いて貼り付けました。残る6個はいずれショートカットキーに指定するかもしれません。

実際に使っている時のBefore-After写真です。スキャンがとても楽になりました。

その後(2024年3月)、上段のキーに主にコントロールキーを割り当てました。

 

シルクスクリーン展:SILX’23

2023年10月10日

2023年のシルクスクリーン展(SILX’23)は10月9日(月・祝日)から15日(日)の開催(11:00~18:00、最終日は17:00まで)です。10日に行ってきました。会場はいつものGallery キャナル長堀です。

案内状の絵はいつものようにリーダーの和田さんの作品(椿)で、摺り体験の作品になっています。

長堀通りからの入口風景です。

いろいろ撮影させてもらいました。

恒例の限定販売「来年(2024年)のカレンダー」です。

今年も楽しく拝見しました。

PlayMemories Homeの次は?

2023年10月7日

PlayMemories Homeというのは、SONYが10年以上前から自社カメラ用に無料で提供してきた写真(+動画)管理のWindowsとMAC用のアプリです。フィルムカメラ時代のプリントやネガをスキャンしたものを含めて10万枚以上(総サイズは1TB超)の静止画と動画があるので、写真管理アプリとしては見やすさ・検索のしやすさが重要で、これまではPlayMemories Homeがずっとお気に入りになっています。

ただ、2020年頃からバージョンアップが出てこなくなり、サービスを終了するというアナウンスが出てきました。その頃(Windows10)から、時系列アルバムを年単位で遡ったり戻ったりすると、画面表示が数年もずれるという現象が出て、何度も登録のリセットをかけましたが直らず、これは改訂がなければ先行きがつらい雰囲気になりました。

現時点では、PlayMemories HomeのVersion 6.0.00.12211という最終バージョンで、SONYのサイトからダウンロードはできますが、このアプリに関するすべてのサービスは終了していますし、ダウンロードサイトも来年(2024年)で閉じられるそうです。

今後1~2年のうちにWindows11にOSを換える必要があるので、Windows11でも使えるかを試してみたら、Windows10での上記の誤動作に加えて、IPカメラ映像(動画)などの録画ファイルが見えなくなる(認識しない)という問題が加わりました。やはり、PlayMemories Homeに代わる写真管理アプリが必要になりそうです。

しかし、次のアプリ(見つかったとして)に写真データを移すためには、やっかいな問題が一つあります。それは、スキャナーで読み込んだ、かなりの量の写真ファイルに加えた撮影日の追加データです。

PlayMemories Homeでは個別写真のプロパティに撮影日時データを後から書き込むことができ、そのデータに基づいて日時順に写真を整理してくれます。しかし、撮影日(作成日)が写真ファイルのExif付加情報領域に書き込まれるのではなく、その写真ファイルと同じ名前で、拡張子が.moddという別ファイルが作成され、そのファイルに撮影日データが書き込まれるのです。

PlayMemories Homeはアプリの仕様として、元ファイルのデータを変更しないことを前提にしていて、それはそれで意味があると思いますが、元ファイルのデータを変更したい場合には問題となります。

デジタルカメラで撮影した写真ファイルのExif付加情報はデジタルカメラが記入して保存されます。その日時データはASCII文字で、YYYY-MM-SS_HH-MM-SS(西暦年-月-日_24時間制の時-分-秒、中央の_はスペース)と決まっています。

ある写真ファイルに対してPlayMemories Homeが作成した.moddファイルの中身はテキスト・データで、次のような内容になっています。

この中で日時データはExif付加情報のASCII文字列ではなく、数字が使われています。45205.822488425925000という数字はエクセルで使われている西暦日時データで、2023/10/6 19:44:23となります。動画ファイルに対して作られる.moddファイルの中身も基本は同じです。

ということで、別の写真管理アプリの利用が決まったら、日時変更した写真ファイルのExifデータを.moddファイルに基づいて書き換える必要がありますが、そんなことをしてくれるアプリはないので、プログラムを作らなければなりません。

また、PlayMemories HomeにはSONYのサイトとインターネット交信を行う機能が入っているので、更新を終了してからも使い続けるのはセキュリティの面からは気になります。

いずれにせよ、けっこうな手間が必要だ、という予想の話題ですが、10年も使い続けているアプリの更新がなくなるのは大きな痛手です。同じようなことはバージョンアップしなくなっているiOS(iPad用)のi文庫HDに起こる不具合(特にNASとの接続)にもあてはまります。

新しく作られたアプリが使いやすいとは限りませんし、OSが変化していくので、定番となった人気アプリはバージョンアップせざるを得ないでしょう。その場合に無料バージョンアップを前提とせず、有料化してでも継続していく体制を考えてほしいですね。ともかく今のところ、PlayMemories Homeの代替となるアプリは見つかっていません。

ルイス・セプルベダ

2023年9月13日

暑さが少しマシになったので、以前から読もうと思っていたことを思い出したルイス・セプルベダ(Luis Sepulveda)の作品を読みました。日本語訳が出ているのは4冊のみ。それらを1週間足らずですべて読みました。

中南米の作家の本は、40年ほど前に読んだガルシア・マルケスの「百年の孤独」以来、時々読んでみたくなります。1949年にチリで生まれたセプルベダという覚えにくい名前の作家を知ったきっかけが猫がらみの「カモメに飛ぶことを教えた猫(1996)河野万里子訳 白水社 1998」だったので、こちらを最初に読みました。劇団四季のミュージカルにもなっているそうです。

カモメと猫という組み合わせで思い出すのは、佐々木倫子のコミックスの名著「動物のお医者さん [8] 白泉社 1992」で、ハムテルと二階堂がチョビ(犬)とミケ(猫)を海へ連れて行った時の話でした。ミケがカモメを狙って海に落ちてカモメに狙われた(ような)場面です。カモメと猫という、どちらもが相手を自分の獲物として狙う関係の設定が新鮮でした。

一方でセプルベダの「カモメに飛ぶことを教えた猫」はその関係イメージを覆す擬人化ストーリーです。ミュージカルにされそうな展開で、まあ、タイトルそのままです。その点で少し物足りなかった印象でしたが、猫の心象描写はセプルベダの持ち味が現れているようです。

続けて、最初の著作「ラブ・ストーリーを読む老人(1989)旦敬介訳 新潮社 1998」を読みました。タイトルに違和感はありましたが、読み出すと、アマゾンでの生活描写に引き込まれました。普段は2冊以上の本を平行して読む(すべて自炊してiPadに入れてます)のですが、これは中断することなく読みました。まあ、セプルベダの作品はどれも一日はいらないほど短いですけど。

3冊目は「センチメンタルな殺し屋(1996)杉山 晃訳 現代企画室 1999」です。この殺し屋の心的背景はカモメに飛ぶことを教えた猫と共通のものがあるように感じました。殺し屋が心情を語るものの、ハードボイルド風ですが、ちょっとおとなしい描写で、少し退屈でした。

最後に読んだ「パタゴニア・エキスプレス(1995)安藤哲行訳 国書刊行会 1997」はピカ一でした。ポール・セルーがかつて紹介した鉄道の話題とは異なった視点で、パタゴニア一帯を著者が訪ねた話をオムニバス的に並べていて、その一部が「ラブ・ストーリーを読む老人」になったように思える、ある種の紀行文ですが、それぞれのストーリーのエピソードはすばらしく、随所に著者の人間性が出ています。ストーリーごとに涙腺を刺激されました。

ただ、各ストーリーの場所が違うし、南米の地理はわからないので、読み始めて出てきた地名をブラウザーで確認してから読んでいました。アマゾンやパタゴニアに行ってみたくなるのは当然です。ついでながら、タイトルのカタカナ表記はエクスプレスとしてほしかったな、と思いました。

セプルベダはガルシア・マルケスや カルロス・フエンテスのような長編を描くことはありませんでしたが、日本で普通の生活を送る私にはない強さと不思議な心性を示しているように感じます。それは彼が二十代でピノチェト政権によって投獄され、拷問などの迫害を受けたこと、アムネスティによって釈放されてからドイツに渡って作家生活を送っていたこと、などが絡んでいるのでしょう。

残念ながら、ルイス・セプルベダは2020年4月に新型コロナ感染症によって70歳で亡くなっています。

DCC電源の電圧

2023年5月24日

阪急2800系完成間近の2018年、灯火制御用デコーダ(LaisDCC製のFunction only decoder)の1つが走行中に焼損したことがありました。この時は商品のバラツキの問題だろうと推測して、同じデコーダーを取り替えて済ましました。

その時以外は問題がなかったのですが、いろいろと思い返してみると、一部のN用・HO用デコーダーにはDCCの線路電圧が高すぎるのかもしれないと思うようになりました。

現在のレイアウトでは、1・GとHOのいずれにも1台のESU ECoS 50200の出力を手元スイッチで切り替えて使っています。NはDC制御のままです。

2010年頃に買ったECoS 50000は2014年に画面が陥没して壊れ、カラー画面になったECoS 50200に買い換えました。買い換えた時、ESUのサイトに、HO以下の小型模型ユーザーの要望があったので電源アダプターの電圧を可変にした、と記載されていたのを思い出しました。その頃はあまり気にしないで、同じ電源で1・GとHOの両方を動かしてきています。

まさに遅まきながらですが、ECoSへのDC電源電圧とECoSからの線路電圧を確認してみることにします。

現在使っているECoS 50200のスイッチング電源アダプターの電圧です。購入時のままでしたが、19Vを超えていました。

この電圧で線路上はどうなっているかを調べたいのですが、線路上はDCCの矩形波(10KHz程度)です。このDMM(ディジタル・マルチメーター)はACの実効値(RMS電圧)測定ができると謳っていますが、1KHzまでなので、残念ながら1桁足りません。取り急ぎ、安直にブリッジダイオードを挟んだ簡易測定用ケーブルを作りました。

これでHOレイアウトの線路上電圧を調べました。DMMのDC電圧測定です。まあ、高周波の脈流でしょうけど。

16Vが出ています。感覚的にはHOで上限いっぱいのイメージです。この電圧は搭載デコーダーのみならず、同じブリッジダイオードを使った室内灯などにも印加されています。

この時、10年ほど前に廃番大特価で買ったテクトロの40MHzオシロスコープがあるのを思い出して、急いで引っ張り出しました。

このオシロは初めて使ったのですが、オート・セッティングで単発波形がきれいに出ました。

周波数は6.5KHzで、電圧はPeak-to-Peakで44.8Vになっています。目盛りを眺めると、DMMで出た16Vより少し高そうな感じです。実効値の測定はできないので、雰囲気としては電源アダプターの出力電圧から1割くらい低くなっているようです。

線路上に16~17Vというのは、1・Gでは低い感じですが、小さなデコーダーを使うHOでは高すぎるような気がします。Nゲージでは上限を超えているかもしれません。

メルクリンはHOで20Vくらいが推奨値と聞いたことがありましたし、ESUは元々メルクリンのディジタル部門だったそうなので、設定電圧は高いめでECoSを作っているのでしょうか。そのため、メルクリン方式ではないHOのDCCでは高すぎるために、ESUはアダプター電圧を可変にしたのかもしれません。

電圧可変となったECoS 50200付属の電源アダプター(左)と、電圧固定の50000のアダプター(右)を並べてみました。

50200のアダプターの側面に小さなネジが見えます。可変抵抗器のようです。このネジを回して出力電圧を変更します。

裏の仕様表示です。どちらも90VAです。

古い50000用の出力電圧は固定で、18.14Vです。

ユーザーとしては、電源アダプターの出力電圧設定という「生半可」な方法ではなく、ECoS側で線路出力電圧がコントロールできるようにしてほしいと願うのですが、後継機の50210も容量が150VAにアップしただけで、基本は変わっていません。

線路上の電圧設定に関しては、デコーダーの特性(制約)について調べる必要がありますが、個別のデコーダーの説明書に線路上電圧の上限値を明確に指定している製品はほとんど見当たりません。

Laisdccの説明書には次のように書かれています。

We set our decoder specifications at “Standards compatible” NMRA track voltages – please be aware that while US based systems meet this specification all of the time, many EU made controllers will often have track voltages well in excess of DCC standards recommendations and while our decoders will still perform reliably and well irrespective of your systems actual output voltage, we do suggest that if it is higher than the standards say it should be then a slightly more conservative current draw rating should be assumed.

(訳)当社のデコーダーはNMRAの指定する線路上電圧の「標準仕様」に基づいています。米国製のDCC制御器はこの仕様を満たしていますが、多くのヨーロッパ製のDCC制御器はこの標準電圧を超えています。当社のデコーダーはそれらを気にしないでいいように作られているものの、標準電圧を超えている場合には、電流対策を施しておくことをお勧めします。

ここに出てくるNMRA(NATIONAL MODEL RAILROAD ASSOCIATION)は米国の鉄道模型愛好家+模型関連会社などの団体で、鉄道模型に関する仕様を決めています。

NMRAの資料「S.9.1 Electrical Standards for Digital Command Control 2006」には次の図が載っています。

これを見ると、DCC制御器への入力電圧は7V~22Vの範囲で、N用の典型例(typical)は12V、HO用の典型例は15V、1・G用の典型例では18Vとなっています。一方、デコーダへの入力電圧の典型例はHOでは14.5V、1・Gでは18Vとなっています。

Typicalという英語を典型例と書きましたが、これはNMRAの基準や指針というほどの強制の意味はないようで、すでに発売されている機器の分布を参照した「参考」という程度のように読めました。しかも、これらの資料は13年前ですから、最新の機器がどうであるかを反映しているかはよくわかりません。

ただ、従来のDC駆動用のパワーパックはおおよそ最大電圧が上記の値に近いように思えますし、駆動される電動モーターもそれくらいの電圧が少し余裕を持った最大回転と考えられます。

また、メーカーによっては、「NMRAに準拠」していると製品に書いていることがあり、その場合はほぼ上記の値を設定しているように思えます。

また、NMRAのDCC制御器テスト指針(2007)では、DCC制御器からの出力(線路上の)電圧は上記の図で示された電圧+2Vが最大とすることになっています。

一方、DCCWikiには次の表が載っています

Common DCC Track Voltages by Scale
DCCWiki.com
Z N H0 S 0 Large Scale
10 − 12 12 − 14 14 − 16 20 − 22

通常、DCC制御器への電源はDCで、制御器からの出力(線路上)は高周波ACですから、簡単に比較はできませんが、電圧で20%くらい下がっています。

まだ調査途中ですが、ここまでをアップしておきます。

淀川の鳥たち

2023年2月28日

2月に入ると淀川河川敷では鳥の鳴き声が多くなり、ウグイスの鳴き声も混じってきました。2月24日のウグイスのさえずりです。

ウグイスの鳴き声を聴くと春の気分になります。この1年もさまざまな鳥たちと出会いました。これまでほとんど知らなかった世界です。

淀川に多くあるワンド(湾処)の中が釣り堀状態になっています。河川敷内には構造物設置禁止の立て札を多く見かけますが、こういう釣り場はいいのかな?

ともかく、このワンド周辺では多くの鳥たちと出会います。
去年の今頃(2022年2月22日)、キジが藪から出てきました。

以前は少し下流の藪でキジを見かけましたが、そこは樹木が伐採され、藪が刈り込まれてしまいました。動画です。左側がワンドの釣り場です。

2022年5月、カモのカップルが散歩を先導してくれました。

ワンド入り口にオオサギとアオサギが一羽ずついて、魚を狙っている姿をよく見かけます。カメラを向けたら、オオサギが逃げていきました。

こういう組み合わせの場合もあります。ワンドの入り口付近はゴミがいっぱいです。

アオサギはこの付近でいつも一羽でじっと立っています。ここは単なる水溜まりですが、魚がいるのでしょうか。

先週(2月24日)、ワンドと茂みの境あたりに、アオサギのような配色の鳥がいました。体長は40cm以上あるようです。

望遠にしてみたら、なかなか精悍なタカ類でした。足下に黒っぽい羽毛が落ちていて、獲物を食べているようです。

グーグルの写真検索をかけてみたら、オオタカと出てきました。以前にチョウゲンボウが河川敷テニスコートのフェンスにとまっているのを見たことがありますが、サイズは倍以上あるように見えました。
2017年7月に写したチョウゲンボウです。

もっとびっくりしたのはカワセミを見つけたときです。2022年11月9日でした。

遊歩道横の岸辺あたりから飛び上がった小さな鳥が見えて、それが青く光ってホバリングをしていました。カワセミでした。何とかカメラを向けて撮影しました。

こんな小さなきれいな鳥はとても魅力的です。30年ほど前にサンタバーバラでハチドリを見たときを思い出しました。

一方、オオバンは最近一番多いポピュラーな鳥です。正面顔は「千と千尋の神隠し」に出てくる「カオナシ」のように見えます。

1年中、毎日の散歩コース(河口から12kmあたり)でお目にかかります。豊里大橋近くでは100羽くらいの集団でいることが多いですね。ここは餌やりさんが高水敷にパンくずを播いているからでしょう。

岸辺に人がいなくなると、その集団が大挙して高水敷に上陸してきます。(撮影:2023年2月23日)

オオバンはけっこう怖がりで、人が近づくと大挙して川へ避難します。(撮影:2023年2月23日)

この10年の淀川河川敷散歩では、これまで知らなかった野生動物や植物と出会うことができてとても楽しく、体力維持とあわせて、あきない日課になっています。

PCの組み立て

2023年2月21日

自宅コンピュータの歴史は1980年代に入ってからで、MacintoshやPC-88~98、IBM PC互換機などの後、Windowsになってからは、いつもBTO(Build To Order:パーツの組み合わせを選んで組み立ててもらう完成品)のフルタワー型でした。大阪移住後はミニタワー型に変えました。

これまではだいたい5年ごとの入れ替えで、古くなったほうを鉄道模型用などに回してきました。そういうサイクルで、今回は初めて、そしてたぶん最後の経験として、PCパーツを購入して、自分で組み立ててみようと思い立ちました。

これはPCの自作と呼ばれるようですが、スクラッチビルドの模型自作とは違って、必要なパーツを購入すれば、組み立てそのものは規格品のネジ止め作業で、1~2日で済む内容です。ただ、これまで使ってきたソフト、特に、入れ替えで再認証が必要なソフトがけっこうあるので、新PCの状態を整えるには1週間くらいかかるだろうという見込みでした。

5年前に購入したBTO機のCPUはインテルの第8世代core i7 8700Kで、ケースはSilverStoneのミニタワーTJ08-Eでした。

大きな不満はなかったのですが、PDF作成や画像処理で待ち時間が少し長いと感じていました。PCケースは気に入っていたので、新PCのケースに使う予定でしたが、小さいmicroATXのマザーボードを180度回転させて取り付ける方式で、CPUクーラーが制限されるのであきらめました。

今年に入って、インテルのcore i7第13世代の13700が発売されたので、これを採用することに決めました。初値から値下がりして落ち着いてきたようですが、それでも全体予算の1/3を超えています。半年くらい先にしたほうがよかったかもしれません。

強力なグラフィック・ボードを必要とするゲームはやらないので、旧CPUでも内蔵グラフィック(Intel UHD Graphics)で問題がなかったし、今回も内蔵の(630から770へと進化した)グラフィック機能で十分です。ただ、CPUクーラーは付属品では心許ない感じなので別途購入することにしました。

CPUに合わせて、ATXマザーボードはmsi社のPRO Z790-P DDR4、CPUクーラーはDEEPCOOL社のAK620、DDR4メモリーはCrucial社の32GB(16GBx2枚) DDR4 3200MT/s、SSDはCrucial社の1TB(P5 Plus CT1000)、電源はANTEC社の750W(NeoECO Gold NE750G M)にしました。Windows 10はDSP版(最初に使うマザーボードに利用が限定される製品)のプロダクトキーを購入しました。いずれも価格の安い通販店舗を調べて、バラバラの購入です。

ケースは正面上部にスイッチやLEDがあるSharkoon社のミドルタワー(VB7)を選びました。これまではミニタワーで机の上に置いていたのですが、机の上をすっきりさせようと思い、机の下に置いてもスイッチに手が届きやすい高さにしました。

最初の組み立て作業として、マザーボードにCPU、メモリー、SSDを取り付けました。

CPUクーラーAK620を取り付けました。なかなかデカいですね。

このクーラーはファンとフィンが2つずつで、交互に重なっています。空冷では一番大きいサイズかもしれません。本当にこんなサイズが必要なのか、勉強不足でよくわかりません。いずれ温度を調べてみることにします。

ケースにいろいろと旧PCから取り外したBD(ブルーレイ)ドライブ、HDD(ハードディスク)などを組み込みました。CPUクーラーが横になって重いので、下から支える木片を置いてみました。そう言えば、旧PCのSilverStoneのケースにはCPUクーラー支持装置が付いていました。

3.5インチのHDDは電源と同じ位置(ケースの下部)に2台は収納できます。アクセスは逆側です。

でも、旧PCからの保存データHDDをもう2台詰め込まなければなりませんが、そのままでは取り付けできません。古いPCケースで余っていた金具にHDDを2台マウントして、木の板で床を作って、ケース下部に収納しました。

この場所は大きな空間になっているので、ネジ穴を開けて固定することも可能なのですが、コンピュータを移動させる予定はないので、このままにしておきます。

以上の組み立て作業に4日かかりました。これからはソフトウェアの構築になります。

最初でつまずきました。USBメモリーによるWindows 10のインストール作業に入ったら、上の写真でマザーボードにつないでいるLANケーブル(緑色)ではインターネットに接続できません。Windowsのインストールが途中で止まったままになりました。

この現象を旧PCでいろいろと検索調査してみたら、マザーボードの初期設定の問題らしいことがわかりました。この場合、何らかの方法でインターネットに接続する必要があるようです。要するに、USBかPCIEでつなぐLANアダプターを購入しなければならないということのようです。

仕方がないので、翌日配達になる通販で一番安価(送料込みで1,280円)なLANカードを注文しました。USB接続にしなかったのは、マザーボードのLAN回路が壊れていたら、そのまま取り付けておく必要があるためです。でも、そうなったらマザーボードの交換でしょうね。

ともかく、翌日、LANカードが到着しました。

LANカードを取り付けたら、あっさりインターネット接続ができて、プロダクトキーの認証も終えました。その後、msiのマザーボードのドライバー更新などが自動で行われて、マザーボードからインターネット接続が可能となり、LANカードはお蔵入りになりました。BTO完成品購入であれば不要な手間と費用がかかったわけです。CPUクーラーのサイズ問題(ケースに入るかどうか)などと同様に、思いもよらぬ計算違いが自作のリスクと言えるのでしょうね。

Windows 10が動き出してからは旧PCと両方を使いながら、ソフトのインストール、移行認証などを終えるまで10日ほどかかり、2月20日に旧PCから新PCへの置き換えが完了しました。組み立て作業開始から2週間かかったことになります。

Windows 10のままですが、これからすべての重要なソフトが問題なくWindows 11で動くかを確かめて、問題がなければ11に移行する予定でいます。

新PCは予想通り、ハードディスクのデータ処理では旧PCとの違いは感じられませんが、PDFファイルの作成や動画ファイルの変換・編集などでは、これまでの「待っている感」がなくなりました。

PC組み立ては難しくはありませんが、商品知識の無さから生じるちょっとしたトラブルがけっこう手間になることを知りました。BTOが気楽と言えますが、まあ、結果オーライだったので、今回は楽しい作業だったと言えます。

淀川市民マラソン2022

2022年11月6日

今年は3年ぶりに第24回大阪・淀川市民マラソンが11月6日(日)に開催されました。第23回は記事にしていなかったのですが、2019年11月3日、パスカルJrと一緒に見ていました。

久しぶりのマラソン大会の準備のためでしょうか、今年10月にはスタート/ゴール会場周辺の整備が始まりました。堤防の草刈りが終わり、最後は高水敷のグラウンドと道路を分ける樹木の伐採です。

11月1日には低く刈り揃えられました。

11月4日からはテントや舞台などの設置が始まりました。

前日5日にはほぼ準備完了のようです。

その夜の淀川散歩では作業が続いていました。上空を伊丹発羽田行き最終便が飛んでいきます。

11月6日の当日、河川敷に着いたのは9時半で、すでにハーフマラソン(エントリーは7千人)は9時にスタートしていました。ハーフマラソンは川下に向かいます。

9時40分からフルマラソン(エントリーは6千人)がスタートするので、近くに移動しました。フルマラソンは川上に向かってスタートし、枚方から戻って、ハーフマラソンの川下のコースに向かいます。

10秒前から、エントリーした全員がゲートを過ぎるまで動画を撮ってみました。3分20秒ほどで、音が出ます。ゲート横でQちゃん(高橋尚子さん)がマイクで励ましながら、ずっと手を振っていました。

Qちゃんは全員が走り去ってから、数人と一緒に後を追って走り出しました。どこまで走ってくれるのでしょうね。

HDD・SSDの交換とクローニング

2022年10月26日

月に一度くらい、CrystalDiskInfoという無料アプリを使ってメイン・コンピュータ(インテルCore i7の8700K)のストレージ・ドライブ(記憶装置:SSDやHDD)を観察しています。CrystalDiskInfoはストレージ・ドライブが記録しているS.M.A.R.T.情報(ドライブの状態をあらわす指標)を読み取って表示するアプリです。利用の主目的はWindows10のドライブCとして使っている500GBのSSD(Solid State Drive)の状態をチェックするためです。

10月に入って、SSDではなく、他のHDD(ハードディスク・ドライブ)の状態が悪くなってきました。問題となったHDD(4TBのドライブD)は自炊本PDFを含む文書、CDの音源データ、写真データなど、ほとんどのデータを収納していて、現在は3TBほどの量になっています。このドライブが「注意」状態になりました。CrystalDiskInfoの画面です。

その原因は「代替処理保留中のセクタ数」がゼロではなくなった(1になった)ことです。これはハードディスクの記憶貯蔵の基本単位であるセクタの読取りミスが起こっていて、別のセクタに代替させる必要がある、という意味のようです。これが増え出すとハードディスク面に何らかのトラブルが起こり始めたサインとされています。

ドライブC(SSD)とドライブDはコンピュータ購入時(2018年3月)のもので、4年半が経過しました。現在のドライブDの電源投入回数は2,641回、延べ24,399時間の使用となっています。ドライブDはドライブCと同様にアクセスの多い、それだけ重要なストレージなので、毎日のようにBunBackupという無料アプリを使ってNASにバックアップを取っています。

また、ドライブDと同じサイズ(4TB)の外付けHDDに、月に1回はドライブ単位でミラーリング・バックアップを取っていて、ドライブの中身を同じものにしています。

「注意」状態になってから、ドライブDからドライブH(外付けHDD)にバックアップしたら、初めてのアクセス・エラーが起こりました。BunbackupがドライブDの画像ファイルをコピーできなかったようです。このファイルを貯蔵するセクターが壊れた可能性があります。

このファイルをドライブDから削除し、NASバックアップから戻すと、一見、問題は見えなくなりました。でも、こういうことが起こると気になるので、重大なエラーが起きる前にドライブDを交換することにしました。

交換用に注文した4TBのHDD(WD社のBlue)が届きました。

コンピュータからドライブDを外したらWDのRedだったので驚きました。Red(Blueより高価)ならもっと長く持ってほしかったという驚きです。

HDDの交換そのものは新しいドライブへのデータ書き込みに4時間ほどかかるだけの簡単な作業ですが、不要となったHDDを廃棄する前にデータを完全消去するか、分解して強力マグネットやトルクスねじを回収するかを選んでいます。

せっかくのWDのRedなので、分解はもったいないと思い、今年の春に買っていた玄人志向社のKURO-DACHI/CLONE+ERASE/U3という長い名前のドッキングステーション(消去器+クローン器)でデータを完全消去しました。8時間近くかかりました。

このドッキングステーションは便利ですが、付属している12VのACアダプター(左)が能力不足のように感じて、手持ちの12V・60WのACアダプター(右)を使っています。

データを完全消去したHDDを念のためにドッキングステーションに乗せたままでCrystalDiskInfoでチェックしてみると、問題が消えていました。

こういうこともある、と喜びましたが、不安は残るので、重要度の低い別の用途に使うことにして、保管しておくことにしました。

玄人志向のドッキングステーションはドライブCのクローン・コピーもできるので、5年目にはSSDのクローニングをやっておきたいと考えていました。HDDを注文した段階で現在使っているSSDと同じ製品(Crucial社のMX500)が割安になっているのを見つけたので購入してしまい、予定より半年ほど早いですが、クローン作成が有効かを試してみました。

まったく同じ製品なので、スロットに入れ間違えそうです。あとはボタンを押すだけです。

500GBなので、クローニングは40分ほどで終了しました。新しいSSDをコンピュータに装着し、電源を入れて立ち上がるまではドキドキでしたが、あっさり普段通りに動きました。ライセンスのからんだソフトもすべて動いています。クローニング成功です。

SSDの状態比較(CrystalDiskInfo)です。左がクローン前の古いドライブC、右がクローン後の新しいドライブCです。

古いSSDは4年半で寿命残が79%となりました。2カ月半で1%減るという計算ですが、時間より、データの書き込み量が寿命を決める主要因です。総書き込み量は現在46TB強になっていて、Crucial社はこのSSDの耐久性を180TBとしていますので、1/4を超えたところです。このSSDも別の用途に使うつもりです。

電源投入回数は2,700回ほどで、交換したドライブDと同じくらいですが、使用時間は9,450時間となっていて、ドライブDの2万4千時間と比べてとても少ないのはなぜなんでしょうね。SSDのS.M.A.R.T.情報は書き込み量以外はおおまかなのかもしれません。

まだまだドライブCの交換は必要なかったと思いますが、重要な消耗部品を5年くらいで交換するのはリスク回避のつもりです。これまでは5年で次のコンピュータを決めるサイクルになっていたという気分もあります。

現在のCPUはインテルCore i7の第8世代で、初めての内蔵UHDグラフィックスですが、この4年半、ネット配信映画鑑賞程度ではグラフィックスに不満は感じません。高価で電力消費の大きいグラフィック・ボードが必要なゲームや4K動画編集などに興味がないからか、次期コンピュータを探す気持ちは高まっていません。検討開始はCPUが第15世代あたりの時期になるかもしれません。

南海凸電 完成

2022年10月14日

今日は鉄道の日(今年は鉄道開業150年記念日)なので、Gスケールの南海凸電がなんとか完成したという記念日にもしました。大阪での工作再開が2018年、その15年くらい前にボンネットを作り、駆動系やフレーム板などを用意したので、開始から延べ20年かかったことになります。まあ実際に継続的に製作したのはこの4年ですが、それでも長い時間がかかりました。駆動系以外はスクラッチビルディングになったため、経験の無さから、試行錯誤ばかりが続いた印象です。

この記事では完成した姿と走行を写真と動画で記録し、いずれ別記事で製作のトピックを取り上げていくことにします。

モデルとしたのは南海電鉄電気機関車(凸型電機)ED5101形です。自分で写した同形機関車の写真です。1960年代初期の南海本線高石町駅近くの踏切で、和歌山に向かっている姿です。

型番はED5107としました。この車両は1923年(大正12年)に南海電機第2号形(1005-1014)の1両として堺市にあった梅鉢鐵工所(後に帝國車輛工業、東急車輛製造、移転後の跡地は現在ショッピングセンター・アリオ鳳)で製造されました。帝國車輛時代末期には高校からの帰りに工場内を覗いていたことがあります。

50年以上も現役だったので、製造後に多くの改造を受けています。1974年(昭和49年)に廃車となり、廃車後はしばらく「さやま遊園」で保存されていたそうです。今回の製作モデルはうろ覚えの1970年(昭和45年)ころの晩年の設定にしたつもりです。

サイズは全長428mm(カプラー含まず) 520mm(LGBカプラー両端)、全幅100mm、線路からの高さ155mm(屋根まで)170mm(パンタ下げ)245mm(パンタ上げ)です。実物は全長11,455mm、全幅2,590mm、全高4,040mmですから、1/26くらいのGスケールです。

こちらの側面は山側(運転台側:左が和歌山、右が難波)です。開いた窓から見える運転士は和歌山を向いて座っています。

逆サイドの海側(左が難波、右が和歌山)です。

和歌山方面行きの斜め姿(山側)です。

難波方面行きの斜め姿(海側)です。

パンタグラフを下げた姿です。

屋根(山側)です。

上物を外すと、キャビン内部とサウンドデコーダー(ESU Loksound XL V3.5)にアクセスできます。室内の作り込みは簡素です。

カプラー(連結器)は2段にしています。上側(実車の連結器の位置)は雰囲気を出すためにBachmannの自動連結器を取り付け、その下にLGBのカプラーを取り付けました。LGBのカプラーが南海のATS(自動列車停止装置)の車上子(車両側の装置)のように見えるので、違和感はそれほどありません。この位置がLGBの基準の高さで、他の車両を連結牽引するのはLGBのカプラーを使います。

重さはちょうど2.0kgになりました。

サウンドデコーダー(Loksound XL V3.5)をチェックするため、テスト用走行台に載せました。

使用したサウンドファイルはESUの提供するヨーロッパの古い電気機関車ですが、最初に鳴らした警笛(単音)は南海凸型電機の実車映像サウンドを加工しています。動画を再生すると大きな音が出ますので、ご注意ください。

次はテスト用走行台で走行するサウンドです。大きな音が出ます。

走行動画をいくつか選びました。すべてサウンドデコーダーの大きな(うるさい)音が出ます。

レイアウト上での試運転の追っかけ録画です。メルクリンのMAXIシリーズ無蓋車をLGBのカプラーで牽引しています。音が出ます。

トンネル出口でパンタグラフが架線から離れる様子です。音が出ます。

走行確認の最後、レイアウトを一周する姿を後ろの無蓋車にカメラを載せて撮影してみました。これも大きな音が出ます。

駆動系にバネが入っていないことによるカクカクとした揺れは少しありますが、走行に大きな問題はなく、線路とトンネルの整備くらいでよさそうです。

走行速度とサウンドとの同期が取れていないような気がしますし、そもそも走行サウンドがこんなものだったかどうかの記憶はありませんので、サウンドなしで走らせることが多いでしょうから、気にしないでおきます。甲高い警笛だけはよく覚えていて、とても気に入っています。