USBキー入力パッド

2023年12月21日

本を裁断しないで自炊するためにEPSONの古いスキャナー(PX-1700F)を使っています。EPSON SCANというアプリで操作してファイルに落とすのですが、その作業ではマウスあるいはキーボードで動作指示を選びます。マウスの移動とクリックは手間なので、基本動作はキーボードのキーで決めています。

基本動作というのは、R(カラーモード)、G(グレイモード)、B(黒)というスキャンのモード選択と、X(文字を濃くする)、P(プレビュー)、S(スキャン実行)の合計6つです。

問題は、10キー付きのフルサイズ・キーボードを使っているので、押し間違い(キーボードの隣のキーを押してしまう)が多いのです。特に、Sの上にある低解像度キーWを押してしまったことに気が付かずに、その後のすべての作業が無駄になったことが何度もあります。

キーの押し間違いを減らし、かつ、使いやすく効率的な方法を探していて、任意のキー押しをプログラムできるショートカットキーに行き着きました。これは数個のキーだけのUSBキーボードで、それぞれのキーに複合キーを含む任意の文字を割り当てることができる製品です。

この手の製品はほとんどが安価な中国製で、通販で12キーの製品が2千円台でした。キータッチはもひとつですが、けっこうしっかりと作られていて、キーを押すと下のLEDが瞬間点灯します。

各キーをプログラムするのはインターネット上で、怪しい接続ではなさそうでしたが、画面の日本語説明が怪しげでした。ともかく、簡単に設定することができました。

初期状態は1~0の数字、a、bという12個でした。キーを指定したのはEPSON SCAN用の1列6個だけです。キートップのサイズにシールを切って、文字を書いて貼り付けました。残る6個はいずれショートカットキーに指定するかもしれません。

実際に使っている時のBefore-After写真です。スキャンがとても楽になりました。

その後(2024年3月)、上段のキーに主にコントロールキーを割り当てました。

 

PlayMemories Homeの次は?

2023年10月7日

PlayMemories Homeというのは、SONYが10年以上前から自社カメラ用に無料で提供してきた写真(+動画)管理のWindowsとMAC用のアプリです。フィルムカメラ時代のプリントやネガをスキャンしたものを含めて10万枚以上(総サイズは1TB超)の静止画と動画があるので、写真管理アプリとしては見やすさ・検索のしやすさが重要で、これまではPlayMemories Homeがずっとお気に入りになっています。

ただ、2020年頃からバージョンアップが出てこなくなり、サービスを終了するというアナウンスが出てきました。その頃(Windows10)から、時系列アルバムを年単位で遡ったり戻ったりすると、画面表示が数年もずれるという現象が出て、何度も登録のリセットをかけましたが直らず、これは改訂がなければ先行きがつらい雰囲気になりました。

現時点では、PlayMemories HomeのVersion 6.0.00.12211という最終バージョンで、SONYのサイトからダウンロードはできますが、このアプリに関するすべてのサービスは終了していますし、ダウンロードサイトも来年(2024年)で閉じられるそうです。

今後1~2年のうちにWindows11にOSを換える必要があるので、Windows11でも使えるかを試してみたら、Windows10での上記の誤動作に加えて、IPカメラ映像(動画)などの録画ファイルが見えなくなる(認識しない)という問題が加わりました。やはり、PlayMemories Homeに代わる写真管理アプリが必要になりそうです。

しかし、次のアプリ(見つかったとして)に写真データを移すためには、やっかいな問題が一つあります。それは、スキャナーで読み込んだ、かなりの量の写真ファイルに加えた撮影日の追加データです。

PlayMemories Homeでは個別写真のプロパティに撮影日時データを後から書き込むことができ、そのデータに基づいて日時順に写真を整理してくれます。しかし、撮影日(作成日)が写真ファイルのExif付加情報領域に書き込まれるのではなく、その写真ファイルと同じ名前で、拡張子が.moddという別ファイルが作成され、そのファイルに撮影日データが書き込まれるのです。

PlayMemories Homeはアプリの仕様として、元ファイルのデータを変更しないことを前提にしていて、それはそれで意味があると思いますが、元ファイルのデータを変更したい場合には問題となります。

デジタルカメラで撮影した写真ファイルのExif付加情報はデジタルカメラが記入して保存されます。その日時データはASCII文字で、YYYY-MM-SS_HH-MM-SS(西暦年-月-日_24時間制の時-分-秒、中央の_はスペース)と決まっています。

ある写真ファイルに対してPlayMemories Homeが作成した.moddファイルの中身はテキスト・データで、次のような内容になっています。

この中で日時データはExif付加情報のASCII文字列ではなく、数字が使われています。45205.822488425925000という数字はエクセルで使われている西暦日時データで、2023/10/6 19:44:23となります。動画ファイルに対して作られる.moddファイルの中身も基本は同じです。

ということで、別の写真管理アプリの利用が決まったら、日時変更した写真ファイルのExifデータを.moddファイルに基づいて書き換える必要がありますが、そんなことをしてくれるアプリはないので、プログラムを作らなければなりません。

また、PlayMemories HomeにはSONYのサイトとインターネット交信を行う機能が入っているので、更新を終了してからも使い続けるのはセキュリティの面からは気になります。

いずれにせよ、けっこうな手間が必要だ、という予想の話題ですが、10年も使い続けているアプリの更新がなくなるのは大きな痛手です。同じようなことはバージョンアップしなくなっているiOS(iPad用)のi文庫HDに起こる不具合(特にNASとの接続)にもあてはまります。

新しく作られたアプリが使いやすいとは限りませんし、OSが変化していくので、定番となった人気アプリはバージョンアップせざるを得ないでしょう。その場合に無料バージョンアップを前提とせず、有料化してでも継続していく体制を考えてほしいですね。ともかく今のところ、PlayMemories Homeの代替となるアプリは見つかっていません。

PCの組み立て

2023年2月21日

自宅コンピュータの歴史は1980年代に入ってからで、MacintoshやPC-88~98、IBM PC互換機などの後、Windowsになってからは、いつもBTO(Build To Order:パーツの組み合わせを選んで組み立ててもらう完成品)のフルタワー型でした。大阪移住後はミニタワー型に変えました。

これまではだいたい5年ごとの入れ替えで、古くなったほうを鉄道模型用などに回してきました。そういうサイクルで、今回は初めて、そしてたぶん最後の経験として、PCパーツを購入して、自分で組み立ててみようと思い立ちました。

これはPCの自作と呼ばれるようですが、スクラッチビルドの模型自作とは違って、必要なパーツを購入すれば、組み立てそのものは規格品のネジ止め作業で、1~2日で済む内容です。ただ、これまで使ってきたソフト、特に、入れ替えで再認証が必要なソフトがけっこうあるので、新PCの状態を整えるには1週間くらいかかるだろうという見込みでした。

5年前に購入したBTO機のCPUはインテルの第8世代core i7 8700Kで、ケースはSilverStoneのミニタワーTJ08-Eでした。

大きな不満はなかったのですが、PDF作成や画像処理で待ち時間が少し長いと感じていました。PCケースは気に入っていたので、新PCのケースに使う予定でしたが、小さいmicroATXのマザーボードを180度回転させて取り付ける方式で、CPUクーラーが制限されるのであきらめました。

今年に入って、インテルのcore i7第13世代の13700が発売されたので、これを採用することに決めました。初値から値下がりして落ち着いてきたようですが、それでも全体予算の1/3を超えています。半年くらい先にしたほうがよかったかもしれません。

強力なグラフィック・ボードを必要とするゲームはやらないので、旧CPUでも内蔵グラフィック(Intel UHD Graphics)で問題がなかったし、今回も内蔵の(630から770へと進化した)グラフィック機能で十分です。ただ、CPUクーラーは付属品では心許ない感じなので別途購入することにしました。

CPUに合わせて、ATXマザーボードはmsi社のPRO Z790-P DDR4、CPUクーラーはDEEPCOOL社のAK620、DDR4メモリーはCrucial社の32GB(16GBx2枚) DDR4 3200MT/s、SSDはCrucial社の1TB(P5 Plus CT1000)、電源はANTEC社の750W(NeoECO Gold NE750G M)にしました。Windows 10はDSP版(最初に使うマザーボードに利用が限定される製品)のプロダクトキーを購入しました。いずれも価格の安い通販店舗を調べて、バラバラの購入です。

ケースは正面上部にスイッチやLEDがあるSharkoon社のミドルタワー(VB7)を選びました。これまではミニタワーで机の上に置いていたのですが、机の上をすっきりさせようと思い、机の下に置いてもスイッチに手が届きやすい高さにしました。

最初の組み立て作業として、マザーボードにCPU、メモリー、SSDを取り付けました。

CPUクーラーAK620を取り付けました。なかなかデカいですね。

このクーラーはファンとフィンが2つずつで、交互に重なっています。空冷では一番大きいサイズかもしれません。本当にこんなサイズが必要なのか、勉強不足でよくわかりません。いずれ温度を調べてみることにします。

ケースにいろいろと旧PCから取り外したBD(ブルーレイ)ドライブ、HDD(ハードディスク)などを組み込みました。CPUクーラーが横になって重いので、下から支える木片を置いてみました。そう言えば、旧PCのSilverStoneのケースにはCPUクーラー支持装置が付いていました。

3.5インチのHDDは電源と同じ位置(ケースの下部)に2台は収納できます。アクセスは逆側です。

でも、旧PCからの保存データHDDをもう2台詰め込まなければなりませんが、そのままでは取り付けできません。古いPCケースで余っていた金具にHDDを2台マウントして、木の板で床を作って、ケース下部に収納しました。

この場所は大きな空間になっているので、ネジ穴を開けて固定することも可能なのですが、コンピュータを移動させる予定はないので、このままにしておきます。

以上の組み立て作業に4日かかりました。これからはソフトウェアの構築になります。

最初でつまずきました。USBメモリーによるWindows 10のインストール作業に入ったら、上の写真でマザーボードにつないでいるLANケーブル(緑色)ではインターネットに接続できません。Windowsのインストールが途中で止まったままになりました。

この現象を旧PCでいろいろと検索調査してみたら、マザーボードの初期設定の問題らしいことがわかりました。この場合、何らかの方法でインターネットに接続する必要があるようです。要するに、USBかPCIEでつなぐLANアダプターを購入しなければならないということのようです。

仕方がないので、翌日配達になる通販で一番安価(送料込みで1,280円)なLANカードを注文しました。USB接続にしなかったのは、マザーボードのLAN回路が壊れていたら、そのまま取り付けておく必要があるためです。でも、そうなったらマザーボードの交換でしょうね。

ともかく、翌日、LANカードが到着しました。

LANカードを取り付けたら、あっさりインターネット接続ができて、プロダクトキーの認証も終えました。その後、msiのマザーボードのドライバー更新などが自動で行われて、マザーボードからインターネット接続が可能となり、LANカードはお蔵入りになりました。BTO完成品購入であれば不要な手間と費用がかかったわけです。CPUクーラーのサイズ問題(ケースに入るかどうか)などと同様に、思いもよらぬ計算違いが自作のリスクと言えるのでしょうね。

Windows 10が動き出してからは旧PCと両方を使いながら、ソフトのインストール、移行認証などを終えるまで10日ほどかかり、2月20日に旧PCから新PCへの置き換えが完了しました。組み立て作業開始から2週間かかったことになります。

Windows 10のままですが、これからすべての重要なソフトが問題なくWindows 11で動くかを確かめて、問題がなければ11に移行する予定でいます。

新PCは予想通り、ハードディスクのデータ処理では旧PCとの違いは感じられませんが、PDFファイルの作成や動画ファイルの変換・編集などでは、これまでの「待っている感」がなくなりました。

PC組み立ては難しくはありませんが、商品知識の無さから生じるちょっとしたトラブルがけっこう手間になることを知りました。BTOが気楽と言えますが、まあ、結果オーライだったので、今回は楽しい作業だったと言えます。

HDD・SSDの交換とクローニング

2022年10月26日

月に一度くらい、CrystalDiskInfoという無料アプリを使ってメイン・コンピュータ(インテルCore i7の8700K)のストレージ・ドライブ(記憶装置:SSDやHDD)を観察しています。CrystalDiskInfoはストレージ・ドライブが記録しているS.M.A.R.T.情報(ドライブの状態をあらわす指標)を読み取って表示するアプリです。利用の主目的はWindows10のドライブCとして使っている500GBのSSD(Solid State Drive)の状態をチェックするためです。

10月に入って、SSDではなく、他のHDD(ハードディスク・ドライブ)の状態が悪くなってきました。問題となったHDD(4TBのドライブD)は自炊本PDFを含む文書、CDの音源データ、写真データなど、ほとんどのデータを収納していて、現在は3TBほどの量になっています。このドライブが「注意」状態になりました。CrystalDiskInfoの画面です。

その原因は「代替処理保留中のセクタ数」がゼロではなくなった(1になった)ことです。これはハードディスクの記憶貯蔵の基本単位であるセクタの読取りミスが起こっていて、別のセクタに代替させる必要がある、という意味のようです。これが増え出すとハードディスク面に何らかのトラブルが起こり始めたサインとされています。

ドライブC(SSD)とドライブDはコンピュータ購入時(2018年3月)のもので、4年半が経過しました。現在のドライブDの電源投入回数は2,641回、延べ24,399時間の使用となっています。ドライブDはドライブCと同様にアクセスの多い、それだけ重要なストレージなので、毎日のようにBunBackupという無料アプリを使ってNASにバックアップを取っています。

また、ドライブDと同じサイズ(4TB)の外付けHDDに、月に1回はドライブ単位でミラーリング・バックアップを取っていて、ドライブの中身を同じものにしています。

「注意」状態になってから、ドライブDからドライブH(外付けHDD)にバックアップしたら、初めてのアクセス・エラーが起こりました。BunbackupがドライブDの画像ファイルをコピーできなかったようです。このファイルを貯蔵するセクターが壊れた可能性があります。

このファイルをドライブDから削除し、NASバックアップから戻すと、一見、問題は見えなくなりました。でも、こういうことが起こると気になるので、重大なエラーが起きる前にドライブDを交換することにしました。

交換用に注文した4TBのHDD(WD社のBlue)が届きました。

コンピュータからドライブDを外したらWDのRedだったので驚きました。Red(Blueより高価)ならもっと長く持ってほしかったという驚きです。

HDDの交換そのものは新しいドライブへのデータ書き込みに4時間ほどかかるだけの簡単な作業ですが、不要となったHDDを廃棄する前にデータを完全消去するか、分解して強力マグネットやトルクスねじを回収するかを選んでいます。

せっかくのWDのRedなので、分解はもったいないと思い、今年の春に買っていた玄人志向社のKURO-DACHI/CLONE+ERASE/U3という長い名前のドッキングステーション(消去器+クローン器)でデータを完全消去しました。8時間近くかかりました。

このドッキングステーションは便利ですが、付属している12VのACアダプター(左)が能力不足のように感じて、手持ちの12V・60WのACアダプター(右)を使っています。

データを完全消去したHDDを念のためにドッキングステーションに乗せたままでCrystalDiskInfoでチェックしてみると、問題が消えていました。

こういうこともある、と喜びましたが、不安は残るので、重要度の低い別の用途に使うことにして、保管しておくことにしました。

玄人志向のドッキングステーションはドライブCのクローン・コピーもできるので、5年目にはSSDのクローニングをやっておきたいと考えていました。HDDを注文した段階で現在使っているSSDと同じ製品(Crucial社のMX500)が割安になっているのを見つけたので購入してしまい、予定より半年ほど早いですが、クローン作成が有効かを試してみました。

まったく同じ製品なので、スロットに入れ間違えそうです。あとはボタンを押すだけです。

500GBなので、クローニングは40分ほどで終了しました。新しいSSDをコンピュータに装着し、電源を入れて立ち上がるまではドキドキでしたが、あっさり普段通りに動きました。ライセンスのからんだソフトもすべて動いています。クローニング成功です。

SSDの状態比較(CrystalDiskInfo)です。左がクローン前の古いドライブC、右がクローン後の新しいドライブCです。

古いSSDは4年半で寿命残が79%となりました。2カ月半で1%減るという計算ですが、時間より、データの書き込み量が寿命を決める主要因です。総書き込み量は現在46TB強になっていて、Crucial社はこのSSDの耐久性を180TBとしていますので、1/4を超えたところです。このSSDも別の用途に使うつもりです。

電源投入回数は2,700回ほどで、交換したドライブDと同じくらいですが、使用時間は9,450時間となっていて、ドライブDの2万4千時間と比べてとても少ないのはなぜなんでしょうね。SSDのS.M.A.R.T.情報は書き込み量以外はおおまかなのかもしれません。

まだまだドライブCの交換は必要なかったと思いますが、重要な消耗部品を5年くらいで交換するのはリスク回避のつもりです。これまでは5年で次のコンピュータを決めるサイクルになっていたという気分もあります。

現在のCPUはインテルCore i7の第8世代で、初めての内蔵UHDグラフィックスですが、この4年半、ネット配信映画鑑賞程度ではグラフィックスに不満は感じません。高価で電力消費の大きいグラフィック・ボードが必要なゲームや4K動画編集などに興味がないからか、次期コンピュータを探す気持ちは高まっていません。検討開始はCPUが第15世代あたりの時期になるかもしれません。

QNAP TS-231Pのディスクと電池の交換

2022年7月16日

TS-112の電池交換を終えてホッと一息でしたが、7年が経過したTS-231P(2ドライブでRAID1)も今年の春頃からハードディスク1のS.M.A.R.T. 情報(健康状態)が悪化していて、交換が望ましいというメッセージが出ていました。このNASは日常的なバックアップで大活躍なので、この際、実被害が出る前にハードディスクドライブ(HDD)とボタン電池を交換しておくことにしました。

WD製4TBのRED版を使っていますが、今回はRED Plusにしてみました。1割ほど高いだけに信頼性が少し高いような気分ですけど・・・。

HDDの交換でRAID1を再構築するのは半日くらいかかるそうなので、掃除やボタン電池の交換は再構築されてからにします。ディスクの交換では電源を落とすことなく、ストレージ管理画面で示された手順通りで始めます。交換作業はHDD1のフレームに入れ替えて、差し込むだけです。

再構築が始まって7時間、表示は73.1%と出ています。

再構築には10時間ほどかかりました。ダッシュボードには2つのHDDの状態が良好だと示されました。

翌日、掃除とボタン電池の交換となりました。この場合は電源を切ります。

ボタン電池は外枠を外すだけで交換可能な場所に見えています。小さなマイナスドライバーで外せます。

今回は同じパナソニックのCR2032に交換しました。

ファンは外して掃除して、再度、電源投入です。TS-112と並んだいつもの景色です。

 

Olasonic NANO-NP1

2022年7月8日

ここ2週間ほど、ネットワーク音楽プレイヤーSqueezebox Touch、あるいはLAN上のNAS(ハードディスク)QNAP  TS-112、あるいは両方が故障したと考えてしまっていました。どちらも廃版製品なので、どちらが壊れた場合も残念ながら、もうこの組み合わせによるシステムは使えなくなります。そこで、次のネットワークプレイヤーとしては、古いTS-112搭載のLMS(Logitech Music  Server)を使わないネットワークプレイヤーを探しました。

しかし、ネットワークプレイヤーというのは以前の予想通り、かなりマイナーになっている状況です。最近流行の音楽サブスクリプションを契約すれば自宅内NASの構築などは必要ありません。拙宅でも10年前と比べると、amazon primeでの映画や音楽の視聴、無料のYouTube(広告は増えました)の視聴がメインになり、最近はネットワークプレイヤーの出番がとても少なくなっています。

それでも、過去のCD購入というサンクコストを忘れることはできないので、10年前に買ったSqueezebox Touchの価格(3万円ほど)くらいのネットワークプレイヤーを探しました。スーパーオーディオCDを前提としたハイエンド・オーディオの世界では数十万円のネットワークプレイヤーがあるようですが、そういう製品群は対象外です。

選んだのは、Olasonic(東和電子)のNANO-NP1です。発売はかなり前の2014年で、標準機能だけの製品です。価格に折り合いが付いたので購入してみました。この製品も廃版間近なのか、色が黒は4万円、白が3万円という値付けになっていたので、安い白を選びました。色は塗装で変えることも可能でしょう。

小さい金属筺体で、LANのスイッチングハブ(分配器)みたいです。裏は入出力が左右で同じような配置になっています。

この入出力配置は間違いやすく、つないでみたら音が出ず、あせって確認したら、入力部に出力ケーブルをつないでいました。入力部にはLANのRJ45コネクター(右端)だけでいいのにと思ったのですが、同じシリーズ製品のCDプレイヤーなどからの入力用で、プリアンプ(スイッチ)みたいな使い方を想定しているようです。

とりあえず、Squeezebox Touchと置き換えてみました。

iOS(iPad、iPhone)のスマホ用コントロール・アプリが必要なので、10年ぶりにアプリ探しです。5つくらいありましたが、どれも使いにくいですね。10年経ってもこういうアプリが進歩していないことと、いかにSqueezebox Touch用の有料アプリiPengが素晴らしい出来だということに、あらためて驚きました。故障で失ったものは大きいという気持ちでした。

NANO-NP1に対応するコントロール・アプリで使えそうだったのがmarantz Remote Appでした。無料なので申し訳ない言い方ですが、他と比べてマシとしか言いようがありません。接続を切ると、以前の状態を記憶しておらず、NASの音楽フォルダーのトップから選び直すしかなく、かなりの手間です。

気になったのは音量のコントロール、電源のオンオフが効かないことでした。これはSqueezebox TouchとiPengの組み合わせでいつも使っている機能でしたが、アプリの問題ではなかったことがわかりました。Olasonicに質問すると、NANO-NP1は音量は一定値、電源のオンオフ機能はないとのことでした。カタログや取扱説明書には書いてありませんでした。まあ、コントロール・プリアンプと考えればそんなものでしょうか。

ネイティブモードに設定して、スピーカーから出てくる音は違和感なく問題なしです。今後はこのネットワークプレイヤーとアプリに慣れるしかありません。

と覚悟していたら、昨日の記事に書いたように、Squeezebox TouchもTS-112も復活しました。次の写真は両方のネットワークプレイヤーをアンプに接続してテストしている時に写しました。

ということで、この場所でのネットワークプレイヤーはSqueezebox TouchをiPengでコントロールする日常に戻りました。

そして、これまでオーディオ・ビジュアルを楽しむ部屋のオーディオ・システムで使っていたDENONのネットワークプレイヤーDNP-720SEを外し、NANO-NP1に交換しました。DAC(DAコンバーター)の上に置きましたが、NP1が小さいので、DNP-720SEを入れていた棚が空きました。

10年前のDNP-720SEは本体操作も専用コントローラ・アプリも使い勝手が悪くて、いつも選曲するのが面倒でした。NANO-NP1とmarantzアプリの組み合わせはSqueezebox TouchとiPengアプリの組み合わせには完敗ですが、DNP-720SEと専用アプリよりはかなり良くなりました。音はシステムのDAC+アンプ+スピーカーを通すとなかなかいいと思います。

これで一件落着となりました。

QNAP TS-112の電池交換

2022年7月8日

先月あたりからSqueezebox Touch(ネットワーク音楽プレイヤー)の画面の時刻表示が消えていることに気がつきました。何度リセットしてもダメで、とうとう、廃版になっている愛用品が壊れたかと覚悟しました。

一方で、そのホスト(音楽データ貯蔵元)であるQNAP NAS TS-112が深夜に停止・朝に再開という電源スケジュールの設定を守らない現象が今年の春あたりから起こっていたことを思い出しました。

どちらも購入したのが2012年(当時の経緯はこちら)ですから、ちょうど10年になります。経年による故障が起きてもおかしくない年数です。

原因を調べるために使っているコンピュータのマウス不調もあるなかで、ブラウザーでTS-112の内容を調べていたら、画面下に出てくる時刻表示がおかしいことに気がつきました。TS-112の電源を切って、入れ直した後の画面です。左下の時刻が00:05(土曜日1月1日)になっています。これは2000年です。内蔵時計が2000年1月1日にリセットされています。

電源切断後に時刻表示がリセットされるのはPCのボタン電池消耗と同じ症状です。でも、TS-112の取扱説明書やネット検索しても、NASにボタン電池が使われていて、消耗したら交換しましょうという記事は見つかりませんでした。相変わらず検索の仕方が悪かったのかもしれませんが。

TS-112のカバーを外して実物をチェックすることにしました。

ケース裏のネジを外すと開きます。ここまではハードディスクを入れるときの姿です。

基板の四隅に赤ペンでマークが付いたネジが4つあります。

ネジを外すと、すべてがケースからすっぽり出てきます。

裏返すと、丸いボタン電池(CR2032)がすぐに見えました。

手持ちのCR2032に交換します。メーカー不明の電池は長持ちしないかもしれませんが、悪さはしないでしょう。

ついでにファンのホコリを掃除しました。10年間のホコリはそれなりにありました。

これで再度立ち上げて、時刻の設定をします。

そして、電源を落として、しばらくしてから立ち上げました。日付時刻が2000年にリセットされずにちゃんと継続しています。TS-112のダッシュボードを眺めると、ハードディスクも良好な状態のようです。

その後、Squeezebox Touchをリセットして立ち上げると、元通りに戻りました。

TS-112内蔵のボタン電池の消耗によって、LANでむすびついているSqueezebox Touchが大きな影響を受けることがよくわかりました。TS-112を深夜は停止、朝に再開させる電源スケジュールは悪くなく、こういう症状が起こることを知っていれば、むしろ電池交換の時期だとわかるでしょうね。

いずれにせよ、どちらも致命的な故障ではなかったことを喜んでいます。今は次の10年も大丈夫だろうと期待する気分です。

マウスの掃除

2022年7月7日

今週に入って、メインのコンピュータにつないでいるマウスの動きが変な感じになりました。10年くらい使っているLogicool製の有線マウスです。小さいサイズですが、プラスチックが厚くて少し重量感があって、とても手に馴染んでいます。

指で上部のホイールを回してウィンドウ内を上下に動かしますが、下に動かすのは問題ないのに、上に戻していこうとすると途中で止まってしまうのです。こういう不完全な動きの原因をネット検索してもよくわかりませんでした。

他のマウスに交換してみると異常がなかったので、この個体だけに発生した問題(寿命?)のようです。そこでふと、マウス内部のホイール回転部にゴミが溜まっているのかもと思いつき、中を覗いてみることにしました。

マウスの裏は一見何もなさそうですが、たいていは裏からネジ止めしています。

ネジ穴カバーをはがします。

ホイールの内部にはゴミが一杯詰まっていて、少し回転を妨げているようでした。写真の左側はピンセットで引っ張り出したゴミです。

掃除して元に戻したら、以前のように快適に動いています。こういうゴミでマウスの動きがおかしくなるのを初めて知りました。以前は動きがおかしくなったマウスはすぐに廃棄・交換していたような気がします。今回はお気に入りのマウスなので再生を喜んでいます。

ホイール付きのマウスは、ホイール周囲の隙間からゴミが入るようで、5年に一度くらいは掃除が必要かもしれません。コンピュータのマザーボードのボタン電池交換を思い出しました。

掃除後に、マウス(ホイール)の掃除というキーワードでネット検索したら記事がいっぱい出てきました。どうも、「マウスの上りの動きが止まる」という特殊な現象で検索していたので、掃除の話題がすぐに出てこなかったようです。ネット検索のキーワード選びもむずかしいものです。

PCの電池交換

2021年3月8日

10年くらい前のデスクトップ・パソコンを模型室に置いています。クラフトロボでの紙の切り取り、DCCの設定確認作業、工作中にNASにアップしている写真や図などのチェック、そしてNASからのBGM用です。

去年の2月にWindows 7を10に更新しましたが、今日、マザーボードのボタン電池を交換しました。これまで何回かやっている簡単な作業ですが、数年に一回くらいの頻度で普段と違うコンピュータの画面が出ると、「あれ!なにこれ?」と驚いてしまいます。

電源を入れると、最初にASUS(マザーボードのメーカー)のロゴ画面が出ます。

普段は数秒するとWindows 10のロゴに変わってWindowsが立ち上がります。でも今日はUEFI (Unified Extensible Firmware Interface)という機器構成などの設定編集に入る画面が出て、そのままで止まってしまいました。これは最初のASUSロゴ画面の状態でF2を押したときと同じです。

あれ!なにこれ?、何かトラブル発生かと思って、F1を押すと、UEFI(BIOS) 編集の画面が出ます。

画面の左上に時刻と年月日が出ていて、2009年1月1日の0時0分38秒となっており、時刻の秒は進んでいきます。初期状態で電源が入ってからの時間で、要するにマザーボードがリセットされたことを示しています。

これはたいていの場合、マザーボードのボタン電池が消耗したというサインですね。ボタン電池を交換しても症状が治らなければ、いろいろ面倒なことが起こっている可能性があります。

ボタン電池へのアクセスがいいかどうかを調べるために横の蓋を開けると、CPUファンの下に見えていました。常備しているCR2032なので、すぐに交換しました。このPCで電池交換をしたことがあったかどうか記憶にないので、今回は電池にマジックで年と月を書き入れておきました。

交換してから電源を入れたら、いつものようにWindowsが立ち上がりました。念のため、いったん電源を落として、十分に内部の電荷を無くしてから、再度電源を入れて、BIOS編集画面を出したら、日時はネット上から取り入れられて、キープされていました。

この段階の日にちはWindows 10の更新があった3月4日になったままですが、Windowsの設定で同期させると実際の日時になりました。

ボタン電池交換はデスクトップ(ミニタワー)PCなので簡単な作業ですが、それでも、PCケースの蓋を開けたことのない人にはそれなりのトラブルになるでしょうね。

このボタン電池はコンピュータの電源を切っても、日時やUEFI BIOSの変更状態を保持するために使われていて、3年以上は持つようです。最新のPCでもこういう電池が入っています。

電池を外した段階で、そのままWindowsを立ち上げる操作(BIOSの変更無しで編集から出る)をやってみたのですが、Windowsは問題なく立ち上がって動きます。ということは、このPCはBIOSが初期状態に戻ってもかまわない構成になっているわけで、変更状態を維持するための電池は不要な気がします。にもかかわらず、UEFI編集画面をスキップしてWindowsを立ち上げる方法を見つけることはできませんでした。スキップできれば、日時の同期(取得)はWindowsで設定可能だと思います。

ノートPCの場合は主電源としての内蔵バッテリーがあるので、内蔵バッテリーが完全に消耗しない限り、ボタン電池は不要だと思いますが、それでもやはりたいていのノートPCにもボタン電池は入っていて、その交換はとても面倒なことが多い(手間・費用)ようです。Macにもボタン電池は入っているようですね。

テレビやクルマのリモコンにも電池が入っていますが、電池が消耗したらリモコンが効かないのですぐにわかります。でも、電源を入れて動くコンピュータに使い捨てのボタン電池が使われているのを知っている人は少ないにもかかわらず、その消耗を知らせる明示的なメッセージが出てこないのは不思議(不親切)です。

現在は3台のPCを使っていますが、すべて待機電流を流さないように、使用を終えたら電源を完全に切っています。これはどちらがいいか議論があるようですが、待機電流を流しておけばボタン電池の寿命は長くなるようです。それでも何年か経てば必ず寿命が来てしまいます。

百均で2個入りが売られているボタン電池のために、数年に一回、忘れた頃に「あれ!なにこれ?」と驚かせ、交換の手間をかけさせるのはやめてほしいなと思います。マザーボードからボタン電池を無くしてもらいたいのですが、今でも何か乗り越えられない半導体技術の壁があるのでしょうかね。交換不要の充電池でもよさそうで、マザーボードの追加コストが千円くらいならかまわない気がしますけど、充電池にも寿命はあるので、PCを長く使うと同じことかもしれません。

WordPress 5.6でフリーズ・回復

2020年12月11日

このブログを作っているWordPressのバージョンアップはいつも躊躇せずにやってきて、これまで何のトラブルもありませんでした。昨日も案内メールがあったので、最新の5.6–ja に更新しました。そのまま数時間ほったらかしにしていて、思い出してブログ画面を選ぶと真っ黒になりました。

左がブログの正常なトップページ、右がブラックアウトしたトップページです。

最初は何が起こっているのかわかりませんでした。いろいろと症状をチェックすると、マウスでブログ画面を左クリックするとブラックアウトして、フリーズしてしまいます。それはリンクのある場所だけでなく、画面のどこでも同じです。URLでページを表示させることはできますし、右クリックは問題なく、左クリックでフリーズです。

他のコンピュータやタブレットなどの別のブラウザーでも同じ症状になるので、ブログが崩壊していくような気分になりました。最悪はWordPressのバージョンを以前に戻す作業になるのでしょうが、手間はかかるし、それに、この1年ほどバックアップを取っていませんでした。

昨夜は手間省きの報いが来たような気持ちで寝てしまいましたが、今朝からあらためてトラブル事例の検索を始めました。左クリックでフリーズするという具体例は見つけられなかったのですが、WordPressは5.6でかなりの変更があり、どうも利用しているプラグインが対応しなくなった可能性が高いようです。

ヒントはブラックアウトしたページの右上に出ている×印でした。これは写真などを左クリックで拡大するためのLightboxと呼ばれているプラグインです。これまで使っていたLightboxは「Responsive Lightbox & Gallery」で、このプラグインを無効化してみると、あっさりとブラックアウトの症状が消えました。その後に「Responsive Lightbox & Gallery」のサポートサイトを眺めると、同一症状が報告されていて、現在対応中とのことでした。

Lightbox機能は必要なので、「Easy FancyBox」というプラグインを入れました。ポップアップする雰囲気は上品ではありませんが、わかりやすくなりました。

半日の模索で何とか回復することができました。もちろん、現状のバックアップを取っておきました。この半日ほど、当サイトを訪ねていただいた方にはご迷惑をおかけしました。

(追記 12月16日)
Responsive Lightbox & Galleryの改訂版が出たのでアップデートしましたが、当分はEasy FancyBoxを続けます。