HDD・SSDの交換とクローニング

2022年10月26日

月に一度くらい、CrystalDiskInfoという無料アプリを使ってメイン・コンピュータ(インテルCore i7の8700K)のストレージ・ドライブ(記憶装置:SSDやHDD)を観察しています。CrystalDiskInfoはストレージ・ドライブが記録しているS.M.A.R.T.情報(ドライブの状態をあらわす指標)を読み取って表示するアプリです。利用の主目的はWindows10のドライブCとして使っている500GBのSSD(Solid State Drive)の状態をチェックするためです。

10月に入って、SSDではなく、他のHDD(ハードディスク・ドライブ)の状態が悪くなってきました。問題となったHDD(4TBのドライブD)は自炊本PDFを含む文書、CDの音源データ、写真データなど、ほとんどのデータを収納していて、現在は3TBほどの量になっています。このドライブが「注意」状態になりました。CrystalDiskInfoの画面です。

その原因は「代替処理保留中のセクタ数」がゼロではなくなった(1になった)ことです。これはハードディスクの記憶貯蔵の基本単位であるセクタの読取りミスが起こっていて、別のセクタに代替させる必要がある、という意味のようです。これが増え出すとハードディスク面に何らかのトラブルが起こり始めたサインとされています。

ドライブC(SSD)とドライブDはコンピュータ購入時(2018年3月)のもので、4年半が経過しました。現在のドライブDの電源投入回数は2,641回、延べ24,399時間の使用となっています。ドライブDはドライブCと同様にアクセスの多い、それだけ重要なストレージなので、毎日のようにBunBackupという無料アプリを使ってNASにバックアップを取っています。

また、ドライブDと同じサイズ(4TB)の外付けHDDに、月に1回はドライブ単位でミラーリング・バックアップを取っていて、ドライブの中身を同じものにしています。

「注意」状態になってから、ドライブDからドライブH(外付けHDD)にバックアップしたら、初めてのアクセス・エラーが起こりました。BunbackupがドライブDの画像ファイルをコピーできなかったようです。このファイルを貯蔵するセクターが壊れた可能性があります。

このファイルをドライブDから削除し、NASバックアップから戻すと、一見、問題は見えなくなりました。でも、こういうことが起こると気になるので、重大なエラーが起きる前にドライブDを交換することにしました。

交換用に注文した4TBのHDD(WD社のBlue)が届きました。

コンピュータからドライブDを外したらWDのRedだったので驚きました。Red(Blueより高価)ならもっと長く持ってほしかったという驚きです。

HDDの交換そのものは新しいドライブへのデータ書き込みに4時間ほどかかるだけの簡単な作業ですが、不要となったHDDを廃棄する前にデータを完全消去するか、分解して強力マグネットやトルクスねじを回収するかを選んでいます。

せっかくのWDのRedなので、分解はもったいないと思い、今年の春に買っていた玄人志向社のKURO-DACHI/CLONE+ERASE/U3という長い名前のドッキングステーション(消去器+クローン器)でデータを完全消去しました。8時間近くかかりました。

このドッキングステーションは便利ですが、付属している12VのACアダプター(左)が能力不足のように感じて、手持ちの12V・60WのACアダプター(右)を使っています。

データを完全消去したHDDを念のためにドッキングステーションに乗せたままでCrystalDiskInfoでチェックしてみると、問題が消えていました。

こういうこともある、と喜びましたが、不安は残るので、重要度の低い別の用途に使うことにして、保管しておくことにしました。

玄人志向のドッキングステーションはドライブCのクローン・コピーもできるので、5年目にはSSDのクローニングをやっておきたいと考えていました。HDDを注文した段階で現在使っているSSDと同じ製品(Crucial社のMX500)が割安になっているのを見つけたので購入してしまい、予定より半年ほど早いですが、クローン作成が有効かを試してみました。

まったく同じ製品なので、スロットに入れ間違えそうです。あとはボタンを押すだけです。

500GBなので、クローニングは40分ほどで終了しました。新しいSSDをコンピュータに装着し、電源を入れて立ち上がるまではドキドキでしたが、あっさり普段通りに動きました。ライセンスのからんだソフトもすべて動いています。クローニング成功です。

SSDの状態比較(CrystalDiskInfo)です。左がクローン前の古いドライブC、右がクローン後の新しいドライブCです。

古いSSDは4年半で寿命残が79%となりました。2カ月半で1%減るという計算ですが、時間より、データの書き込み量が寿命を決める主要因です。総書き込み量は現在46TB強になっていて、Crucial社はこのSSDの耐久性を180TBとしていますので、1/4を超えたところです。このSSDも別の用途に使うつもりです。

電源投入回数は2,700回ほどで、交換したドライブDと同じくらいですが、使用時間は9,450時間となっていて、ドライブDの2万4千時間と比べてとても少ないのはなぜなんでしょうね。SSDのS.M.A.R.T.情報は書き込み量以外はおおまかなのかもしれません。

まだまだドライブCの交換は必要なかったと思いますが、重要な消耗部品を5年くらいで交換するのはリスク回避のつもりです。これまでは5年で次のコンピュータを決めるサイクルになっていたという気分もあります。

現在のCPUはインテルCore i7の第8世代で、初めての内蔵UHDグラフィックスですが、この4年半、ネット配信映画鑑賞程度ではグラフィックスに不満は感じません。高価で電力消費の大きいグラフィック・ボードが必要なゲームや4K動画編集などに興味がないからか、次期コンピュータを探す気持ちは高まっていません。検討開始はCPUが第15世代あたりの時期になるかもしれません。