TRIX 22576 CC40100 (Étoile du Nord)

TRIX製のフランス国鉄(SNCF)の電気機関車CC40100形(車番は40105)です。TRIXの型番は22576で、DCC・SXサウンドを搭載しています。TEE(Trans-Europ-Express)50周年記念モデルの1つとして2007年に発売されたものです。

CC40100形は1964年から1970年まで製造され、1996年に引退したそうです。CCという名前のように、3軸の動力台車2つを駆動させていたフランス国鉄自慢の大型電気機関車でした。フランスからベルギー、オランダ、西ドイツを走っていたので、4カ国の電源に対応していました。そのため、パンタグラフは二対で4基もあります。

この機関車が牽引する列車(Étoile du Nord:エトワール・デュ・ノール)に乗ったのは1991年の5月でした。ちょうど日本では和名の「北斗星」(上野-札幌間の寝台特急)が走っていました。Étoile du Nordの編成をレイアウトで走らせたくて、TRIXから発売されたのを知って、客車セットと併せて購入(ドイツからの通販)しました。Étoile du Nordは昼間だけの短距離運行なので寝台車はなく、座席車(コンパートメントとコーチ)のみです。

購入したCC40100はDCC仕様ですが、今や旧式のSXサウンド搭載で、サウンドは貧弱です。DCCで制御できるのは次の通りです。音が出ます。

警笛を鳴らすとモーター音が途切れます。これがSXサウンドの限界です。でも、走行中は気になりません。

TRIXは2017年にあらためてCC40100をDCC・mfxサウンド搭載(型番22574)で再発売しています。TEE60周年のタイミングですね。TRIXが採用していたSelectrixからメルクリンのmfxにデコーダーを変更したようで、YouTubeでモデル紹介動画をチェックすると、型取りの精密さが増していて、サウンド内容が一新されているようです。この10年ほどで、HOサイズ以下の模型に使われるサウンドは大きく変貌したようです。

さて、いつものように、購入したら少しテスト走行させてから内部を覗いてみます。機関車には何も手を加えません。

灯火はすべてLEDです。

客車セットです。

2つのセットで7両、個別売りの1両を購入しましたが、号車番号から見ると、
2+3+4+5+6+7+10+電源客車(号車表示なし)
という編成になっています。

客車セットで残念なことがありました。箱には「Étoile du Nord」と印刷されているのに、車名行き先表示がすべて「Ille de France」で「パリ-ブリュッセル」になっていることです。箱詰めを間違えたのでしょうか。気がついたのは数年後に下の写真を撮った時でした。この表示を変える方法はなさそうですが、同じ客車だし、文字が小さいので拡大しないと読めませんので、Étoile du Nordとみなしておきます。

客車にはすべて室内灯を取り付けました。TRIXの専用室内灯は高いので、別のLED製品(Hufing-Tronic:ドイツ)です。今ならはるかに安いLEDテープを使うでしょうね。

最後尾の電源・客車です。ここにはスピーカーが取り付けられるようになっています。ディーゼルエンジンのサウンド用でしょうか。

電源車の尾灯にはLEDを装着しました。

すべての台車には車軸からの集電パーツを取り付けました。

こういう感じです。

カプラー(連結器)については、Kadeeに替えたり戻したり、いろいろと試しています。TRIXはメルクリンと共通のクロースカプラーを付けていて、カプラー構造が複雑すぎて、連結・開放がやりにくいのです。NEM 362のポケットを採用しているので、Kadeeのナックル式NEMカプラーに取り替えるようにしています。メルクリンのRelex カプラーは構造が単純なので、この列車もすべて交換するかもしれません。でも、ナックル式に慣れると、手による連結・開放がとても楽なので、悩むところです。

3種類のNEMポケット用カプラーです。左端が今回のセットに使われているタイプ、中央が簡単なループタイプのRelex、右端はKadeeのナックル式カプラー18番(medium)です。客車の幌を太いほうに変更するとどのカプラーでも連結がむずかしく、Kadeeの19番を選ぶ必要が出る場合があります。

8輌の客車を牽引している動画です。音が出ます。

別角度からの映像です。

Étoile du Nordは1924年に走り始め、1957年から1984年まではTEE(Trans Europ Express)として運用されていました。この機関車を初めて見た記憶はアラン・ロブ=グリエの映画で、タイトルがそのままの「ヨーロッパ横断特急 (Trans-Europ-Express)」(1966年)でした。機関車はロングショットで映っていたわけではありませんが、こういうデザインの機関車があるのかと、ちょっとした驚きでした。

その後に、前面の逆傾斜が特徴的なこの機関車はPaul Arzens(ポール・アルザン)がデザインしたと知りました。ポール・アルザンはアメリカに移ったレイモンド・ローウィと同世代の工業デザイナーで、鯨や卵をイメージした自動車など、とても興味深いデザインをしていました。この前面デザインはCC6500、BB7200などに引き継がれ、BB 7200の系統はオランダで1600形~1800形として使われていました。

オランダでよく見かけた1600形です。

ヨーロッパの鉄道に乗ることができたのは1991年以降で、もうTEEではなく、EC(EuroCity)という区分名になっていました。ECとなる前に一時期IC(InterCity)に格下げされていたようです。

1991年に買ったCook時刻表6月号の表紙です。

この時期のEC(82と87)にはÉtoile du Nordという名前が使われていました。パリ北駅とアムステルダム駅区間の時刻表で、上の段にパリ行き、下の段にアムステルダム行きを一段ずつ合成しました。下の脚注に、アムステルダム-パリ間のA(EC82)とN(EC87)がÉtoile du Nordとなっています。その他にも、TEEだったIlle de France(ブリュッセルからパリ)などが記されています。初めて乗ったのはブリュッセルからパリまでのEC82で、パリからの帰りはアムステルダムまでEC87に乗りました。

乗った列車の外観写真はありませんが、パリからのEC87のコンパートメントで一緒になったモンペリエのおじさんとブリュッセルまでずっとおしゃべり(英語で話してくれました)をしていたことを思い出します。遊びにおいでと住所メモをいただきましたが、機会はありませんでした。お元気でしょうか。30年も前なので、顔を出させてもらっていいでしょうね。赤いシートが印象的でした。

オランダ滞在中にもう一往復しましたが、その後、1996年以降は列車名のないタリスが走るようになりました。オランダの友人から、アムステルダム-パリ間はタリスになってほんの少しだけ乗車時間は短くなったものの、料金は2倍以上になった、という文句を聞いたことがあります。

南海凸電 4 床下

このところ、いろいろな用事が続いていて、なかなか模型製作の時間が取れず、作業ペースが大きくダウンしています。

さて、実車の床フレームの下は周囲が鉄骨になっています。この部分は以前に作っていましたが、鉄骨の三角板の位置が違っており、また鉄骨(木製)そのものも歪んでいましたので、作り直しです。リベット表現をした薄い真鍮板だけは使います。

8mm幅の板材を鉄骨の梁部分としました。下側の鉄骨フランジプレート部分には420mmの長さが必要なのですが、プラ板では入手できませんでした。そこで、百均で買った0.75mm厚のPP板(ポリプロピレン)を使いました。ロータリーカッターで何とか切ることができました。

PP板と木の梁との接着はPP用接着剤を使っています。次の写真の上(マジックでマークが入っている)が以前に作っていたもの、茶色が今回作り直した鉄骨(木とPP材)です。下に剥がした真鍮板を置いています。

リベット表現した真鍮板を鉄骨の梁部分に貼って、パテで継ぎ目を埋めました。

0.5mm厚のプラ板で三角の補強材を作りました。

梁に接着していきます。

ちょっと弱そうなので、あとで接着剤を補充しておきました。

床下の鉄骨枠を床材に合わせて組みました。床材にはネジ止めする予定です。

床下にターンバックルで繋がれた鉄棒があります。ターンバックルはOzark Miniatures製の1/20.3を買っていたので、仮止めしてみました。このパーツは柔らかい材料(錫の多いソフトメタル)なのに線を通す穴が開いていなくて、穴あけに苦労しました。しかもちょっと大きいようです。

このあたりの縮尺・サイズの違いがけっこう問題になることがわかってきました。

シナベニヤを切り抜いたキャブの側面を置いてみました。ここでサイズ違いによる「誤算」の発見です。

誤算の原因は台車のサイズでした。鉄骨の三角補強材(白いプラ材)を実車と同様に台車の車軸位置と中心に取り付けたのですが、台車が10%以上大きいために、キャブの乗務員出入り口と台車とが重なってしまっています。これだと乗降梯子を取り付けることができません。

まあ、こういう誤算は常だし、台車を取り換えるわけにはいかないし、フレームから作り直す気にはならないし、このあたりの鉄骨部分は黒で塗装するし、ということで、実車とのズレを気にしないで、調整できる範囲で仕上げていこうと思います。

床下機器の資料が手に入らなかったので、実車の側面写真からタンクなどの小物をテキトーに木材を削って作りました。これらとターンバックルで床下の雰囲気は出るような気がします。タンクに穴が開いているのは、ドリル・レースで丸棒を削ったからです。仕上げ段階で蓋をします。少しパイピングも必要かもしれません。

(いずれ続く)

地震がありました

6月18日午前7時58分ころ、大阪府北部を震源地(震央)とする推定マグニチュード6.1の地震がありました。曇って涼しい朝でした。

いつものようにパスカルと淀川河川敷を回ったあと、堤防の外にある公園に戻ったときでした。地下で爆発が起こったようなドン!という大きな音と縦揺れを感じて、何だろうと周りを見渡しました。鳩が一斉に飛んでいくのを見ながら、横揺れを感じて、地震だとわかりました。野外で大きな地震を経験したのは初めてです。

横揺れが終わった頃にスマホが鳴って、震度5弱と表示されました。後からわかったことですが、ここは震源地から直線距離で10kmくらいで、直下型ですね。パスカルが尻尾を落として、ちょっと戸惑っていました。

震度5弱は東日本大震災のとき、山手線で渋谷駅から東京駅に向かう途中で経験しています。品川駅を出て間もなく、田町駅との中間点(新駅ができるあたり)で、「地震で停車します」という車内放送と同時に急停車しました。車内では多くの人のケータイで地震速報の報知音が鳴っていました。

停車してしばらくすると、すごい揺れが来ました。窓外では架線支柱が激しく揺れています。かなりの地震だとわかった一方で、最近は電車に乗っていても、事前停車できるようになって安心なんだな、と思っていました。しかしそれは震源地が遠方の場合でした。今回のような直下型だと、事前に車両を停止させる時間がないことに気がつきました。

帰宅すると、ご近所を含めて、家屋や塀の被害は何もなさそうでした。ご近所の方は阪神淡路大震災ほどではなかったとおっしゃっていました。阪神淡路大震災のときは札幌に住んでいたので経験していません。

自宅内は大きな家具を固定しているので異常なしでしたが、いくつかの痕跡はありました。飾り戸棚の中でミニチュアカーを置いている棚はゴチャゴチャです。

同じ部屋で、犬のランプが1つ(パスカルSr)逆立ちしていました。

また、壁に掛けている手巻き式の鳩時計はずっと止めたままにしていましたが、動いていました。

2階の鉄道模型レイアウトを調べたら、線路上に置いていた車両が転覆していました。ホコリよけにトンネルに入れていたNの新幹線車両は落下しています。

先日完成した阪急2800系です。

HOのラウンドハウス内は全滅でした。

1・Gゲージは何ともなかったようですが、LGBの客車が1両だけ横になっていました。

その後、テレビでは被災状況の報道が続いています。模型車両が転覆しているのを眺めていて気になったのは、通勤時間帯に直下型で震度6弱の地域を新幹線、JR在来線、阪急、京阪などが走行中だったことでした。いずこも脱線事故のニュースがなかったことにはとってもほっとしていました。

南海凸電 3 床フレーム

作りかけの床フレーム下の鉄骨(木製)を作り直すので、鉄骨を外していたら、そもそも台車の取り付け位置が違っていることがわかりました。

どちらの台車も内側にかなりずれています。アルミのチャンネルを再利用するために、それぞれの台車用に切り取って取り付けてみました。

この状態で当レイアウトの曲線部の走行に問題がないかをテストしておきます。大型模型用のデコーダー(ESUのLokPilot XL)をつないでみました。

このデコーダーは15年前に買っていたもので、バージョンはV1.1です。今はV4.0になっているようですが、どう改良されているのか調べていないのでわかりません。モーターのテストをした限りではHO用のデコーダーでも問題ないかもしれません。

一番きつい曲線走行のテストをしました。ここはヤードの中で、R1(直径1.2m)の曲線と分岐器が連続していて、大きな機関車は通過できないところです。音が出ます。

デコーダーが車両限界を超えていて柱にぶつかりましたが、走行は良好です。走行音が静かすぎて物足りない感じです。

しかし、これからキャブ(運転室)を取り付けることを考えたら、台車用の穴が大きすぎてキャブに穴ができるし、キャブ内にアルミのチャンネルがはみ出してしまいます。そこで、すでに作ってある(手直しは必要ですが)前後の機械室カバーの中に収めるように変更しました。

まず、穴を板材で埋め、パテで整えて、アルミ・チャンネルを短くして、機械室カバーに入るようになりました。

機械室カバーにぎりぎり収まりました。

この状態で走行テストです。

床下周りの鉄骨を作る前に、連結器の取り付け位置を確認しました。LGBの連結器を取り付ける予定です。

LGBの連結器は低いので、前面の鉄骨パネルの下になりそうです。

あらためて床フレームをじっくり眺めていると、板がかなり歪んでいることに気がつきました。熱湯をかけて、

厚い板で挟み、

緩んだ接着剤を手入れして、その後は工作するまでアルミのアングルで固定しておきます。

(4に続く)

南海凸電 2 台車

2018年5月26日

台車モーター部を清掃してから、あらためて「藤井信夫著 南海電気鉄道(車両発達史シリーズ6)下巻 関西鉄道研究会発行 1998」を読んでみると、初期モデルの台車はブリル社(米国)の製品で、電車用を転用したそうですが、その後の製造・改造で日本車輌製造製のD16を使う車両が増えたようです。

日本車輌のDシリーズ台車(14や16などの数字は台車への荷重上限トン)は米国ボールドウィン社製台車のデッドコピー(模倣製品)で、戦前の私鉄に多く提供されていたそうです。今は新幹線(リニアも)の車両を作っている日本車輌も戦前はデッドコピーを作っていたのですね。

Aristo-Craft製の台車側面のモールド(型取り)を眺めると、D16と同形式のイコライザー(釣り合い梁:荷物の持ち手みたいな形状で2つの車軸をバネで押さえているパーツ)が付いていますが、左右のバネが2個ずつ(D16は1個ずつ)になっていること、軸箱が丸い(D16は四角)ことなど、D16より大型で新しい雰囲気です。

ちなみに15年前、台車フレームの前後にあった不要な部分を大胆にナイフで汚く削り取っていました。ネジで取り付けられているだけなので、すべてばらしました。

軸受けはちゃんと車軸が入るようになっていて、2つの軸箱は可動式で、イコライザーが軸箱をバネで押さえているのですが、モーター部から出ている車軸は短く切り取られていて、軸受けには入っていません。モーター部を外して、別の車輪を入れることも可能なようです。

いろいろと悩んだ結果、この台車側面モールドを加工して、D16台車の雰囲気を出すことにしました。コイルバネを外側だけにして、板バネ周りのパーツを作り、軸箱を四角に変更する、という作業計画を立てました。

試しに、内側のバネ取り付け部分と軸箱をミニルーターで切り取ってから、中央の板バネ周囲のパーツを真鍮板(と木片)で作ってみました。「なんちゃってD16」としては悪くなさそうです。

板バネ周辺のパーツを4つ作りました。これは塗装してからフレームにエポキシ接着剤で固定します。

四角の軸箱は木と紙で作りました。9mmの角材を斜めに切って土台とし、クラフトロボで蓋の形状を切り取って貼りました。この蓋は強度と厚さを得るために2枚を貼り合わせています。1個は予備です。

紙の蓋の両側にある留め具の表現にはリベット表現用の工具を使いました。真鍮などの金属板に小さな突起を当ててリベットのような膨らみを出す工具です。直線上にリベットを連続して表現するための左右移動ノブが左奥に付いていますが、今回は1個だけです。

こういう工具を購入していたことを思い出したのも、作りかけの機関車のリベット表現を見たからでした。軽く押せば紙にも使えました。

いろいろと小物を作っていたときの写真です。

すべてのパーツを塗装しました。小物をパテで整えて、ミッチャクロンマルチを下塗りして、光沢のある黒をエアブラシ塗装しました。

フレームとイコライザーも同色で軽く塗装しておきました。

組み立てたら、D16台車のできあがりです。

床フレームに取り付けてみました。

まあまあの雰囲気です。

角材を削って、砂箱も作ってみました。砂箱は取り付けて走行に支障がないことを確認してから仕上げをする予定です。

ここまでの作業で2週間ほどかかりました。相変わらず、資料を眺めながら考えている時間のほうが長いですね。次は床フレームの見直しです。

(3に続く)

南海凸電 1 再開

2018年5月14日

 次に作るHO(16番)真鍮キットをどれにしようかと考えていて、作りかけのGゲージ模型があったのを思い出しました。もう15年くらい前ですが、LGBのGゲージを楽しんでいて、何か日本の車両も欲しいと思って作り始めたものです。モーター付き台車とパンタグラフはパーツを購入しています。

モデルは子供の頃によく眺めていた南海電鉄の電気機関車ED5101形です。南海の貨物輸送で活躍していました。この形式の車両は大正時代に製造されて、いろいろと改造されつつ、1970年代に廃車されています。1984年に南海の貨物輸送が終わるまで、後継機としていくつかの形式がありましたが、馴染み深いのはこのモデルです。

1960年代に撮った写真が1枚だけ残っていました。運転室(キャブ)が中央にあり(センター・キャブ)、前後が凸型になっているので、凸型電機(凸電:とつでん)と呼ばれています。子供の頃は「デンカン(電関)」と呼んでいました。

南海本線は大阪湾沿いを走っています。この写真の列車は和歌山に向かっていて、山側の側面になります。運転席はキャブの中央に1つだけで、写真で中央窓が開いているところにありました。運転士は窓を背にして海を向いて座り、顔を横向きにして運転していました。この方向はすべての機関車で固定されていました。

残念ながら、写真の車両番号は読み取れません。この車両は前面窓の中央にパイプがあるのが特徴で、資料をいろいろと探しましたが、こういう車両は見つかりませんでした。たぶん、前面窓を4つから横長の2つに変更した名残でしょう。まあ、この車両に特に思い出があるわけではないので、資料写真を集めたED5105~10あたりを目安にします。

もちろん、本格的なスクラッチ・ビルディングを目指すわけもなく、簡単な材料で雰囲気が出るといいな、という製作目標です。久しぶりに取り出して、続きをやってみることにしました。

作りかけのパーツをチェックしました。まだまだこれから、という状態です。車両図面をどこかで見つけて、Gゲージ用(だいたい1/25)にサイズを合わせて型紙を作っていました。この図面はかなり初期の頃のモデルらしく、ポール集電で、乗務員用扉の位置が逆になっています。調べたら、雑誌TMS(鉄道模型趣味)折込の設計図シリーズ(1/50)で、最初の機関車1001-1004の図面でした。2倍サイズにコピーしたようです。

前後の凸部(機械室カバー)は一応作ってあって、銅板を天板に、真鍮板を側面に使っています。真鍮板にリベット模様を打っていて、手摺りは船舶模型のパーツを使っています。

裏側はいつも通り、不慣れなハンダ付けをしています。少しやり直さないといけません。

キャブは1.8mm厚のシナベニヤを切り取って、一部を作っていますが、寸法を調べてみると合っていませんでした。屋根だけは使えるかもしれません。

屋根材に置いたパンタグラフはLGBのパーツです。支柱が斜めのトラス構造ですが、実物は上の写真にあるように集電部と平行の支柱によるラーメン構造でした。戦前にはトラス支柱のパンタグラフも使われていたようですし、三重県の国見山鉱山に移ったED5108?がトラス支柱に交換されたようですが、記憶にあるイメージと違うので、どうするか悩むところです。

フレームは5mm厚の板材に穴を開けて、両側下にリベット模様を付けた薄い真鍮板を貼った板を取り付けています。三角の梁を木片で作っていることと位置がずれていることが気になります。台車用の穴の開け方は乱雑ですが、見えないからいいやというポリシーですね。フレームは基本的に使えそうです。

台車は米国の模型メーカーAristo-Craft製Gゲージのディーゼル機関車(FA-1)用パーツです。Aristo-Craftはリーマンショック(the great recession)で廃業したそうです。完成品はあまり興味はなかったのですが、LGBよりずっと安価で、こういうパーツを販売していたので、残念です。台車を固定する金具はアルミのチャンネル材に座金をエポキシ接着剤で貼っています。

モーター付き台車を購入してから15年経過して、まったく動かしていないので、動作テストをしてみました。2つの台車をローラー台に載せて、Nゲージ用のDC電源で動かしてみます。

2台ともに動くことは動くのですが、回転が鈍く、この電源(定格500mA)ですと、2台一緒だと3ノッチあたりで止まってしまいます。グリースを塗り直すために台車を分解しました。

この写真で、モーターの右側はウォームギアで固定されており、左側はジョイントを介してギアがカバーに入っています。カバーを開けると、こちらにもウォームギアが入っていました。上の写真と左右が入れ替わっています。

とても単純な作りですが、こちらの車軸は可動式になっていて、それなりにレール追従の向上が図られているようです。

2つのウォームギア、金属ジョイントに塗られたグリースは劣化してオイルが分離していました。洗浄するのは大変なので、綿棒と爪楊枝などで剥がして、グリースを塗り直しました。

動きはこんなものでしょうね。音が出ます。定格500mAのコントローラで2台を思い切り回すことができました。

この小さな機関車にモーター2台は行き過ぎの感があります。検討課題です。

ともかくこれで15年前の状態から再スタートです。これからあらためて各部分をどの程度に作っていくかの方針を考えます。3ヶ月くらいで完成させたいのですが、どうなるかわかりません。

(2に続く)

阪急2800系 11 完成

2018年4月22日

4月22日、完成となりました。いくつかの微調整が残っていますが、走らせながら調整していきます。

京都向き(先頭車は2851)で発車します。以下の動画では音が出ます。
(大阪) 2811-2881-2831-2861+2801-2891-2841-2851 (京都)

一周してきて、駅を通過します。

そのままヤードに入りました。

逆方向(大阪向き)でヤードから出発します。

駅に向かっている途中です。

外側線路に移って、トンネルを出てきました。

大阪向き先頭車両(2811)の行き先表示板が付いていないのは、取り付け金具が短かったようで、取り付けられないためです。2851の表示板も斜めになっています。いずれ、両面テープでも使って貼ることにします。

(追記:表示板の裏のハンダ付けをやり直して、取り付けることができました。斜めになってますが、微調整の範囲です。)

もう一枚、駅の構内ドームを置いたときの写真です。昔の阪急三宮駅のような気がして、逆走で神戸線を走る2800系は模型鉄道ならではの気分です。

仕上がりを眺めていると、真鍮模型を初めて組み立てたという拙さが至る所にあります。でも、無謀な計画が大きく破綻することなく何とかなったという気分です。2014年の3ヶ月、昨年7月から10ヶ月、合わせて13ヶ月ほどかかったことになります。

4月の最後の作業を振り返っておきます。
3月下旬はPCの整備・整理で時間を取られて模型製作を中断していましたが、4月3日から内装仕上げの作業を続けました。とりあえず、完成させた車両を牽引させるために、動力車である2831を仕上げておきます。

大きなモーターと動力車用デコーダー(ESUのLokPilot)が床にあるので、クロスシートの下を削りました。紙の床を貼って仕上げます。

椅子(クロスシート)の方向についてはけっこう悩みましたが、大阪方向の4両は大阪向きに、京都方向の4両は京都向きにしました。奇妙な設定なのですが、先頭車両が走る方向に向いていると、低速走行でなければ、編成の後半が逆になっていても気にならないだろうという予想です。

4月4日、2831が完成しました。モーターとデコーダーはなんとか隠れました。

走行テストの動画です。2831が前で、後ろの車両は3月に内装取り付けを試した2891です。音が出ます。

これで、車両の内装仕上げができた段階で編成を増やして走行テストができます。発車するあたり、少しデコーダーのCV値の調整が必要な感じがありますが、そういう調整はすべての車両が仕上がってからの作業とします。

中間車両の内装仕上げは2日(3~4時間くらい)で1両のペースでした。扉の内装を貼って乾燥待ちして内装壁取り付け、接触スイッチ板を結線して塗装して乾燥待ち、座席の取り付け、というような具合でした。

2891です。

2881です。

2841です。

前照灯のLEDアセンブリーがない2861と2801は中間車と同じ程度の作業でしたが、運転室の仕切りは作ってあります。
2861です。

2801はパンタグラフを付ける手順が加わりました。

両端の照明付き先頭車両は、照明用LEDアセンブリーと照明用デコーダーの取り付け、運転席の取り付け、という作業が加わり、1両につき1週間近くかかりました。

京都向き先頭車2851の内装仕上げの手順です。デコーダーの取り付けは天井に両面テープで固定します。

LED照明アセンブリーを遮光するため、紙の裏を黒く塗ってあてがいます。

遮光の紙が運転席の天井になりました。配線ケーブルはLEDテープの下に押し込みます。

天井と壁を取り付けて、乗務員室の小物(運転台、椅子、乗務員フィギュア)を入れました。

座席を両面テープで貼りました。

これに床の紙を貼り付けたら完成です。

今回の製作で一番の心残りは先頭車両の前面窓です。透明プラ板(OHPシート)を窓枠に嵌め込んで固定するのがとてもむずかしく、きれいに仕上げることはできませんでした。これは次の機会にもっと工夫を重ねたいと考えています。

最後の作業が2811でしたが、屋根上がすっきりと仕上がったと、ここだけは喜んでいます。

最後の最後に手間なことが起こりました。2811が仕上がってから、8両編成で走行テストをしていたら、突然、2811の前照灯が消えました。消えたのが走行途中だし、逆方向の尾灯は点くし、ひょっとしたら、と思ってシートと天井板を外してみたら、デコーダーのビニール被覆が熱で破れていました。走行中にデコーダーがアウトになったのは初めてです。

このデコーダー(4個買ったLaisDCCの製品)、2851に使った同じものと比べると照度が低くておかしいなと思っていて、完成してから照明CV値の調整をする予定でしたが、ダメでした。デコーダーだけ取り替えました。LEDアセンブリーに使っているCRDの状態を調べるためには運転台を分解しなければならないので、それはやめて、念のため、1kΩの抵抗を入れておきました。

当分の間、走らせながら調整していきますが、真鍮モデル8両はとても重く、動力車が1両のみだと、低速走行と加速は軽快ではありませんし、分岐器あたりでは脱線しやすいようですね。でも、周回線路での高速走行は問題なく楽しめます。

真鍮模型製作の基本を知らずに組み立てを始めましたが、延べ1年以上の作業で、多くのことを学びました。学びましたが、マスターできたわけではありません。よくわからない中で、いろいろと悩んで工夫する毎日でした。それでも、それなりの工夫で解決していく面白さ・楽しさを知りました。

次はいつになるかわかりませんが、阪神、南海、京阪のいずれか(いずれも昭和の世界)になる予定です。

(完)

 

阪急2800系 10 内装

電装作業その他でけっこう車体を痛めたので、一部にタッチアップ塗装をして、全体に再度クリアを吹き付けておきました。近くで見るとタッチアップ箇所などの不体裁がわかりますが、近くで見ないようにします。

クリア塗装をしていると、最近、塗装ブースの手前への吹き戻しが強くなってきました。そろそろ掃除をする時期かと思い、3月に入って春の陽気になった日に、すべてを分解してみました。

シロッコファンには塗料粉が1mm近い層になっていて、フィルターはかなり目詰まりしていました。これだけ無駄な塗料を使っていたわけですね。これまで塗装面を正面にして水平方向に吹くことが多く、塗料がそのままフィルターに飛んでいくようです。塗装面のほうを水平にして、上から吹くほうがいいのでしょうね。でも、エアブラシの塗料カップから塗料がこぼれるのではないかと思って、どうしても水平に吹いてしまいます。

塗料粉を大きなビニール袋にブラシで払い落として、フィルターを水洗いし、シロッコファンもきれいにしました。

陰干ししたフィルターを戻して、すべてをネジ止めすれば終了です。

さて、内装(室内の壁と天井)を取り付けていくことにしたのですが、準備していた内装の色味が気に入らない気分が続いていました。すでに透明プラ板の窓ガラスも貼っていたのですが、思い切って作り直すことにしました。

今回は調色塗料によるエアブラシ塗装ではなく、阪急の古い内装写真を参考にしながらグラフィック・ソフトで作成し、少し木目のようなスジを入れて、インクジェット・プリンターで印刷しました。写真で、上に載せているのが以前に作っていた壁紙です。かなりの違いになりました。今回のものは黄土色と言って良さそうです。フォト用紙なので光沢が出ました。

内装壁すべてを作り直すので、A4サイズで5枚必要で、クラフトロボで必要なパーツを切り取りました。左が以前の内装、右が今回のものです。

今回の切り取りで、これまで愛用していたフォト印刷用紙(厚さ0.23mm)が途中で在庫切れになりました。別の用紙(厚さ0.26mm)を使ったら、1回ではまったく切れず、3回の連続カットの後にカッターを使って何とか切り離すことができました。これがそのときのDXF図面です。

A4にびっしり入れたので、1回のカットに30分、最後のナイフでの切り離しを入れて2時間ほどかかりました。この用紙は写真印刷には良さそうですが、こういう使い方には丈夫すぎました。愛用していた用紙はもう販売されていないので、クラフトロボに適した用紙を探さないといけません。

壁紙変更で1週間以上の回り道になりましたが、テストとして、中間車2891に壁紙を取り付けてみます。印刷していない(白い)面に透明プラ板を接着して、ドライバー・ビットにマスキングテープを貼った簡易重しで押さえています。

最初に扉を接着剤で固定します。

側面パネルを上で固定するために小さな紙を貼り付けました。これは天井版(白プラ板)を取り付けるときに、ずれないためです。

側面の壁はこんな雰囲気になりました。気分がすっきりしました。

妻面の接着は一方は接着剤ですが、もう一方は配線ケーブルがあるので、少し浮かすために両面テープを使いました。

中間車は簡単ですが、先頭車両には手間がかかりそうです。次は先頭車両のテストと思ったら、2851の側面種別表示がちょっと変な感じに見えたので、ライトで確認してみたら逆に貼っていました。急いで他の車両もチェックしたら、不良はこの車両だけでした。

内装を取り付ける前だったし、貼り付けが瞬間接着剤だったので、簡単に変更できました。

ちょっと擦り傷が付いているみたいなので、クリアを塗っておきました。壁紙貼りのテストはやめて、1両ずつ様子を確認しながら作業して、完成させていくことにします。

壁紙の次は椅子の準備です。以前に作ったクロスシートをあらためてチェックすると、成形の悪いところが多いので、いろいろと組み替えが必要でした。グチャグチャの作業机の上です。

車内両端のロングシートを用意します。

ロングシートは16mm(先頭車の運転室後ろ)と24mm(その他)にしました。

ロングシートとクロスシートをオリーブグリーンで塗装しましたが、なんか、こういう色は軍隊車両用みたいで、モケットらしさは出ないものですね。もう少し明るい色が良かったかもしれません。

ロングシートは切っただけではさみしいので、片方に洋白線(0.5mm)で手すりと裾板を接着してみました。けっこうたくさん(32個)あって手間ですが、気分の問題です。

さて、クロスシートでは気になるのが肘掛けです。2800系の肘掛けは四角いパイプの上に肘当てが載っているだけですが、このシートは側面がカバーされています。6300系みたいです。だからと言って、ここを切り取ってパイプと肘当てを取り付けるのは数が多すぎて大変です。そこで、少しだけでも雰囲気を出そうと、肘掛けの側面に穴を開けてみました。

結果は思うような単純な形にはなりませんでした。これも最初から型取りをしておけばよかったのですが、思いつき倒れです。ヘッドレストと肘掛けには白を筆で手塗りしました。

稚拙な仕上げとなりましたが、シートはすべて準備できました。

少し歪んでいるのもありますが、床に両面テープで接着すれば何とかなるでしょう、と思いつつ、壁紙を入れた2891に座席を取り付けてみました。

これで2891は完成かと思いつつ、よく見ると、車内の照明と壁紙はOKの範囲ですが、車内の床をそれなりに作らないと、ケーブルなどが丸見えでした。座席の拙さは仕方がないとあきらめますが、床面には床覆いを作ることにします。ということで、また作業が増えました。これから先は1両ずつ、内装を組み込んでいく、本当の仕上げ作業になります。

こういう作業をしている最中に、メインのコンピュータ(Windows 7)の不調が始まり、いろいろと調べる時間が必要となって、こちらの作業が捗りません。結局は新たなメインのコンピュータ(Windows 10)をフルカスタマイズで注文することになりました。CPUからメモリー、電源、ケースまで、メーカーと型番の評価を探しつつ、個別に決めていくのは手間ではありますが、なかなか面白いものですね。

もう桜が咲き始めました。この時期には完成と思っていましたが、内装の準備に予想以上に時間がかかりました。

(続く)

阪急2800系 9 電装2

前回の記事をアップした直後に接触不良の主たる原因がわかりました。

これまで、接触不良となりそうな箇所を整備していたのですが・・・。

やっと気がついたのは、ボルスター(写真中央の両側が曲げられた金具)をネジ止めする台車枠(左上)のネジ穴周辺です。台車枠の裏を塗装したときにマスキングしていたのはネジ穴だけでした。ネジ穴の周りも導通をチェックするべき場所のようですね。

日光モデルの台車はボルスターをネジ止めしても、少し台車枠が動く構造になっています。簡単に車輪の水平を取るためでしょうね。そのため、ボルスターと台車枠との間に少し緩みがあって、ネジ止めだけでは接触不良が起こるようです。動力車に使っているエンドウのMPギア用のボルスターは台車枠にしっかり固定されるので、接触不良は起こっていませんでした。

上がネジ穴だけを掃除した台車枠で、下はネジ穴周囲の塗装を落とした台車枠です。

すべての台車をばらして、ネジ穴周辺の塗装を落として、組み直しました。

この対策が終了した床下には、床の穴にタップで2mmのネジ切りをして、プラスチックのビスで、台車の回転防止ピンを取り付けました。

特に必要はないのですが、作業の区切りマークです。

接触不良テスターでチェックしている動画です。音が出ます。

これでパーフェクトかどうかわかりませんが、まあ、気にすることではなくなりました。今後、照明が点滅した場合はレールか車輪の整備になるでしょう。

さて、先頭車(2811と2851)の前照灯・種別灯(通過標識灯)・尾灯の取り付けです。配線するための現物合わせで、紙をベースにして、各ペアのLED位置を決めて接着しました。LEDアセンブリーの出来上がりです。

5mAのCRD(前進・後退で共通の1個)を入れて配線し、デコーダーにつないでみました。

前進での前照灯と種別灯の点灯です。

尾灯です。

この状態で車体に仮止めしてみました。
前照灯です。種別灯の雰囲気はまあまあです。

尾灯です。

これも、まあまあです。しかし、前照灯が消えると、枠がきれいではありませんねえ。仕方ないことですが、こんなアップで見ることはないでしょう。ホコリが付いているのは掃除します。

2811と2851へのデコーダー配線と取り付け準備です。すべて天井に貼り付けることにしました。床下との接触スイッチはブリッジダイオードを入れずに天井へ配線して、デコーダーと天井照明に分配します。分配してから、天井照明にブリッジダイオードと抵抗を挟みました。

2811にはパンタグラフが2基あるので、天井板を貼る前にパンタグラフをネジ止めしなければなりません。天井照明のLEDテープの位置決めと、作業の順序がちょっとややこしい感じです。

上の車両用にはLEDアセンブリーの遮光のために塗料を塗っています。

LEDアセンブリーを接着剤で貼ってしまおうかと思いましたが、間違えたり、修理が必要になったりした時にたいへんなので、小さなマスキングテープで固定するくらいにします。

紙で遮光天井を作ったら何とかなりそうです。

内装の天井を貼る直前までハンダ付け作業を残します。その準備として、2811と2801の屋上機器をエポキシ系接着剤で貼りました。このあたりは、強く触れるとポロリと落ちるかもしれませんね。そのときは貼り直しで十分だろうと思っています。

次は、動力車(2831)へのデコーダー(ESU LokPilot V3.0)取り付けです。モーターも出っ張っているので、デコーダーは床に置くことにしましたが、接着剤で貼るのもどうかと思い、紙でポケットを作って床に貼りました。少し斜めにプラ材を貼って、出し入れを容易にしました。

デコーダーからの線を切って、この状態で配線します。

配線を終えて、完了です。

しかし、動力車を中間車にしたのは、デコーダーのファンクション機能を何も使わないので、ちょっともったいないと感じます。組み立てを始めるときに、動力車を先頭車両にすると、牽引はいいでしょうが、逆走で押す場合に脱線する可能性があるのではないかと思ったからなのです。動力車を2831にしたのも3両目になるからでした。でも、最初のテストランで最後尾から押して問題はなかったので、その時が変更する機会だったかもしれません。

中間車両2891の内装(壁・窓ガラス・天井)を試しに取り付けて、デコーダーを載せた動力車床で走らせてみました。音が出ます。

ちょっと車内が明るすぎるような気がしますが、まあいいことにします。8両をすべて連結してチェックするのはもうしばらく先になります。

以上で電装作業は終わりました。各車体側の接触スイッチ端子を取り付ける必要がありますが、それは内装を終えてからの予定です。この後、もう一度クリアで車体の表面をきれいにして、内装に取りかかります。

もう梅が満開です。桜が咲く頃には完成させたい、という期待ですけど。

(続く)

 

阪急2800系 8 電装1

2月6日から、やっと客室内の天井照明の作業になってきました。

先ず、床下からの給電線について、ケーブルを伸ばして車体側につなぐだけであれば簡単なのですが、いろいろな調整や補修をするときに邪魔になります。床を車体に取り付けるときに接触するコンタクト・スイッチの方法を考えてみました。いろいろ試行錯誤した結果、次のような接触板としてみました。

導電性を考えると銅板が良さそうですが、薄い銅板がなかったので、0.2mm厚の真鍮板を使いました。金切りバサミで切ったので、平面を出すために小さな当盤の上で軽く叩いています。

床板の両端はカプラーを取り付けるために、切り込みが入って、下に下げられているので、これを利用します。

その幅に入るようにプラ板を切り取って、ついでにブリッジダイオードを挟みました。車体側にはプラ板を渡して、下と接触します。ネジで車体に床板を留めたときに、プラ板が少し下にたわむだろうという目論見です。

LEDテープに介する抵抗(1KΩ)は天井に配線します。ブリッジダイオードも天井のほうがいいのですが、ちょっと高さが合いませんでした。まあ、DCCなので、ダイオードだけでも十分でしょうけど。

車体側と床板側のプレートです。車体側のプレートは内装を終えてから貼り付けます。

これで行けそうだったので、量産しました。デコーダーを入れる車両(先頭車2両と動力車1両)には、もう一工夫必要な気がしますが、その時に考えます。

中間車の照明の様子を調べるために、別の機関車で押したり牽いたりして、点灯状況を調べてみました。機関車に連結しているのは先頭車の床下です。先頭車のみカプラーとドローバーを取り付けているので、カプラーで機関車と連結し、中間車はドローバーで連結します。以下の動画では音が出ます。

先行きが不安になるほど、とんでもなく「点滅」します。とてもコンデンサで収まる程度ではありません。最初はコンタクト・スイッチが問題かと思いましたが、そうではなく、下回りです。車輪の軸先、台車の軸穴、センターピンのコンタクトなどを整備して、かなりマシになりましたが、「点滅無し」には至りません。

この集電不良問題は、天井照明の取り付けと、台車の整備をやりながら、解決法を考えていきます。できるだけコンデンサを使わない方針です。そのため、車体を取り付けないで床下の状態がチェックできるように、「接触不良テスター」を作っておきました。LEDテープを床下機器にクリップだけで結線できるというだけのものですけど。

接触不良の整備作業は完成まで続きそうな予感です。

それはさておき、先頭車2両(2811と2851)の照明を考えます。ファンクション・デコーダー(照明機能のみのデコーダー)として、安く上がるワンコイン・デコーダーを作ってみようと考えていましたが、PICkitを持っていないので、先ずは中国通販で購入しようとした時に、LaisDCCというメーカーのデコーダーを見つけました。これまで知らなかったのですが、NMRA(全米鉄道模型協会)のID番号を持っているので大丈夫だろうと思い、PICkit 3(互換品)と一緒に購入してみました。価格は1個$12(送料無料)でした。PICkit 3と同じ値段ですね。とりあえず2つでよかったのですが、4つ注文してしまいました。

そこで、適当なLEDを決めることにします。久しぶりにブレッドボード(回路試作基板)を出しました。こういうときのDCC電源はバックマンのコマンダー(EZ Command)が簡単で便利です。

次の写真で、手前の4つが中国通販で買った小型LEDで、右から2つめが白色、他の3つが電球色です。後ろの砲弾型(ブレッドボードに比較基準として常駐)も電球色です。写真でははっきりしませんが、小さいのはオレンジ色みたいですね。時々、正面から見ると内部の発光の乱れがあるので、それをチェックしているところです。

先頭の天井に下地の紙を貼りました。絶縁を兼ねています。

2灯式の前照灯です。いつも、LEDのプラスには足の付け根に赤マークを入れています。配線間違いをできるだけ少なくするためです。それでも間違えますが、それほど壊れた経験はありません。ハンダによる加熱も含めて、思った以上にLEDは丈夫ですね。

こういう取り付け方にします。

仮置き状態で、デコーダーからの前照灯出力で点灯してみました。1KΩの制限抵抗ではまぶしい明るさです。

この小型白色LEDの輝度も高いようですが、デコーダーからの照明出力電圧を調べてみると、17Vもありました。こんなに高い電圧だったのですね。ESUのデコーダーも同様で、いつもCRDを挟んでいたので、これまで気にしていませんでした。バックマンのコントローラからのラインを整流すると15.8Vでした。

どうであれ、種別灯(通過標識灯)も同時に点灯させますので、4個直列にしても明るすぎて、制限抵抗は2KΩくらいが良さそうです。CRD(定電流ダイオード)を使って試してみると、15mAでは明るすぎ、5mAでちょうどでした。これまで通り、手間なしのCRDを使います。

デコーダーによる前進と後退のチェックです。この段階ではCRDではなく、抵抗を使っています。

種別灯を白色にするか電球色にするか、少々悩み、テストしてみました。向かって左側だけ点灯しています。
白色です。

電球色です。

写真写りはオレンジ色なのですが、まあ、50年前の車両ですし、尾灯の赤色とは明らかに違うので、電球色でいいことにします。

種別灯・尾灯のコンビネーションを4つ作りました。遮光は取り付けながら考えようと思います。

こんな作業をやっていて、またもや不手際です。2851の側面にハンダごてを接触させてしまいました。

ちょっと水研ぎして、吹き付けるかタッチアップして、他の車両と同様に、内装壁(+窓ガラス)を入れる前に再度トップコートを吹き付けます。8両編成だから、目立たないでしょう(か?)。

(続く)