Bachmannの分岐器

当模型鉄道のHOレイアウトの分岐器(ターンアウト)はすべてバックマン(Bachmann)製です。KATOあたりでもかまわなかったのですが、DCCデコーダー付きの#5で安価だった(2012~13年は円高で、アメリカ通販で定価$80が$35で3000円ほど)という理由で採用しました。日本ではあまり出回っていないようですが、これまでトラブルもなく楽しんできました。

ところが、現在製作中の阪急2800系車両を試走させていると、外周の駅待避線への1つの分岐器で停止してしまいます。他の車両では起こらなかった症状です。

調べてみると、分岐器の一部、フログ(frog:写真の赤で囲んだ場所)と呼ばれる部分に適切に配電されていませんでした。

フログは日本(JIS)では「クロッシング」と呼ばれています。轍叉(てっさ)という言葉もあるようです。英語の意味は蛙ですが、その形が両足を伸ばした蛙に似ていることから名付けられたという説があります。フログの先につながる可動線路は、車輪が分岐するために先端が細くなっていて、トングレール(tongue rail:舌状のレール)と呼ばれていますが、これも形状からですね。

分岐器のことを「ポイント」と呼ぶ場合が多いですが、JISの定義では、トングレールのある位置部分のみをポイントと名付けています。英語ではスイッチ(switch)で、ちょうどレールが別れていく箇所です。JISの解説図です。

フログは左右のレールをクロスさせる部分なので、二線式の電動鉄道模型では気になる箇所です。左右のレールが接合していて、そのままでは短絡してしまいますので、模型のフログにはいろいろと工夫があります。フログ部分を前後のレールと切り離して、スイッチ(分岐切替)と連動して配電する方法、接合する線路の尖った部分(ノーズ=クロッシング交点)だけをプラスチックなどで絶縁して、配電しない方法もあります。フログの絶縁部分が短ければ車両への影響はほとんどありません。

阪急2800系に使っている動力車の集電は、1つの台車の片方の車輪2個からです。調べてみると、台車の車輪間隔がフログ部分よりかなり短く、適切に配電されていないフログの上に乗ると集電できない状態になります。フログの両端にはギャップが切られています。

こういう場合は、別の台車の絶縁車輪から集電したり、短いフログであればコンデンサーを入れたりする方法があるようですが、今回はそういう対処は必要ないはずです。バックマンの分岐器フログは金属製で、分岐の方向によってフログへの配電が切り替わる仕組みになっているので、フログへの配電回路の不具合です。

バックマンの分岐器のおさらいです。基本設定はDCC専用の「非選択式」で、分岐の方向にかかわらず、全線に配電されます。フログ部分は金属製ですが、前後の線路から絶縁されていて、分岐の方向によって極性が変わります。

表側の塗装前の写真です。白はアドレスをセットする押しボタン、黄色がフログ、赤がポイントです。以下の3枚の写真は今回修理する分岐器ではありません。

裏側です。

左右にある蓋を開けると、このような仕組みになっています。

左の白の枠がデコーダーで、ここでは裏返しにしています。緑は分岐する主レール同士を結線している箇所で、ここからデコーダーに電源を取っています。白丸はフログにスイッチ配電するためのピンで、この写真ではピンを外しています。赤がソレノイド(電磁石による作動機構)です。水色はソレノイドに応じて動く配電スイッチ回路です。一番右のオレンジ色はトングレールを動かす鋼線です。

デコーダーはソレノイドを動かす必要があるとは言え、写真のように集積度の低いものが入っています。スイッチ部はちょっと複雑な構造で、ヤワな感じではありますが、5年使っていて故障はありませんでした。

さて、今回の修理です。駅周辺の分岐器(渡り線も)は「非選択式」のままですが、フログへの配線ピンはつないでいます。レイアウトの線路はすべてネジ止めにしていますので、少し先から線路を外して、分岐器を裏向けて、配電スイッチ回路の蓋を開けました。

ソレノイドの先につながった長方形の黒い枠があり、その枠がソレノイドで移動すると、その上にある歯車に連動して黒い棒が左右に移動し、右側に延びた鋼線でトングレールを動かします。同時に、細長い金属が黒い棒に沿って動き、スイッチになってフログの配電を切り替えます。

よく見ると、配電切替スイッチとトングレールとの関係がずれていました。歯車と下の黒枠を動かして、歯車ピンを上から溝に入れました。上の写真と比べると、歯車ピンの位置が異なっています。これで修理完了です。

この分岐器は設置前に裏蓋を外して、このあたりを触ったんでしょうね。ちゃんとチェックせずに取り付けていたようです。他の車両が停止しなかったのは、フログよりも長いスパンで集電しているからでしょう。とってもアナログなスイッチ装置ですが、仕組みがわかると修理も容易です。これでフログに適切な配電ができるようになって、阪急2800系をスローで走らせても停止しなくなりました。

駅周辺は「非選択式」のままにしていますが、ヤードの分岐器はすべて「選択式」に加工しました。ヤード内が非選択式だと、DCC電源を入れると、ヤードに留置している車両すべてに電源が入ります。選択式にしておくと、簡易方式の番線表示が有効ですし、動かすべき車両のみに電源が入る、という好みの選択です。

バックマンの分岐器を分岐方向の選択式に変えるためには、少しだけ配線の加工が必要です。裏側に分岐前のレールと分岐後のレールを接続している配線を切り離して、デコーダーには分岐前のレールから給電し、フログを介さないレールはそのままにして、フログを介するレールはフログと同じ極性を使います。つまり、片側だけをオン・オフすることになります。

選択式への加工結果です。

選択式にしたヤードの分岐器は本線からの順番で切り替えていくことになります。

ソレノイド駆動の分岐器は転轍する速度は速く、音はけっこう騒がしいですね。Gゲージの分岐器はもっと大きな音です。ゆっくりした動きのトータス(Tortoise)のスイッチ・マシンも魅力的ですが、当レイアウトではこれくらいの音が出ないと、遠くの分岐器が切り替わったことを確認することはできません。ECoSのスクリーンに出る分岐器のマークを押すと、遠くでパチンと切り替わる音が聞こえるほうがわかりやすいと思っています。

分岐器のスイッチ音です。

DCCアドレスの設定は簡単で、分岐器の表面に出ているボタンを2秒ほど押すと、2回の切り替わり動作があって設定モードになり、コントローラから変更したいアドレスで切り替え信号を送る(ECoSのレイアウト画面で設定した分岐器のマークを押す)と、4~5回の切り替わり動作があって、設定完了です。

これで阪急2800系の製作に戻ることができます。

 

模型の線路

鉄道の線路は、レールと枕木だけではなく、枕木を支える道床(主に砕石)と、その下の路盤までが含まれます。模型も同じで、路盤をレイアウトに作って、その上に道床と枕木とレールを載せることになります。でも、ふつうに線路と呼ぶ場合は、レール+枕木(+道床)だけを指すことが多いようです。

鉄道であるからには模型でも金属製のレールは不可欠です。現代の実物のレール形状は軌間(ゲージ)とはあまり関係なく、世界的に高炭素鋼で作られた、次のような断面の「平底レール」が使われています。

平底レール断面

レールは通過車両による負荷に合わせて大きさ(主に高さ)が違い、1mあたりの重さで区別されています。たとえば、JRの新幹線、一部の在来線・一部の私鉄は60kgですが、多くは50kg以下のようです。本州の初期の鉄道はイギリス製の60ポンド(約30kg)、北海道の開拓鉄道ではアメリカ製の30ポンド(約15kg)、いずれも「錬鉄」製のレールが使われたそうです。

レール集電の電動模型のレールは、加工が容易で導電性の高い洋白(洋銀:ニッケルシルバー)、真鍮(黄銅:ブラス)、アルミなどで作られています。中には鉄もあります。レールは金属製ですが、枕木や道床はほとんどプラスチック製です。

HOゲージ以下の模型線路は、道床と枕木にレールが固定された道床付き線路と、道床無しで枕木だけがレールを固定している線路、レールだけ(日本のショップではほとんど見かけませんが)、という分類で販売されています。1・Gゲージになると、枕木付きレール、レールだけ、枕木だけの市販製品はありますが、道床付きは見たことがありません。

なお、ここではゲージを軌間とし、模型の縮尺はスケールと表現しています。

Nゲージ
軌間は9 mm(0.354インチ)で、世界的に統一されています。下の写真は手持ちのNゲージの線路で、すべて日本製です。左2つは30年以上前のもので、左端がエーダイ・ナイン(1980年に廃業)、2 つめがTomix(今は形状が変わっている)です。これらは処分せずに残しているだけで、使っていません。右2つは当模型鉄道で使っているKATOの製品です。右端は道床無しで、自由に曲げられるフレキシブル線路で、コルクの道床を敷いて曲線部分に使っています。KATOの線路は海外でも販売されていますが、枕木の色が黒というのは気になるところです。

N tracks

上の写真の右から2番目、KATOの道床付き線路の連結部分です。レール形状は、首の細いところはありますが、頭がやけに縦長で、平底レールの雰囲気はありません。

N kato

実物の60kgレールはJIS規格で高さは174mmです。アメリカ、ヨーロッパも同じような規格です。KATOのレールの高さを測ると2mmほどあります。この高さは後述するHOのコード83と同じです。Nゲージの縮尺は1/148~1/160ですから、150倍で高さ30センチの巨大レールということになりますので、気にする人は気にする話題です。

日本のシノハラはNゲージ(フレキシブル)ではコード60と70を出しており、米国のアトラス(ATLAS)にはコード55、65、80の3種類が区分されていますが、いずれも使ったことはありません。また、レールの下部を枕木部分に埋めて、見える高さを低くした線路も海外では市販されているようです。

HOゲージ
HO(1/87)も日本の16番(1/80)も軌間は同じ(16.5 mm=0.650インチ)です。手持ちのHOゲージの線路は6種類あり、当模型鉄道ではすべてを使っています。まあ、統一感がありませんが、購入の歴史があって、使わないのはもったいないし、色を塗れば違いは目立たないと思うようにしています。

並べてみます。左端がバックマン(Bachmann:香港・米国)の道床付き線路、左から2つめはアトラス (ATLAS:米国)の橋キットに付属の道床無し線路、3つめはメルクリン(Märklin:ドイツ)のKトラックという道床無しの線路、4つめはメルクリンの道床付きCトラック、5つめ(右から2つめ)はエンドウ(日本)の道床付き線路、右端はシノハラ(日本)の道床無しフレキシブル線路(コンクリート枕木仕様)です。フレキシブル線路は扇形庫周辺に使っています。

HO tracks

当模型鉄道HO(2階部分)の複線周回レイアウトの曲線部分は外側にメルクリンのCトラック(橋の直線部はKトラック)、内側にエンドウの道床付き(橋の直線部はアトラス)を使っています。

メルクリンの曲線(型番24912)の半径は1,114.6 mm、エンドウの曲線(型番1104「ポイント調整用曲線」)の半径は1,085mmなので、メルクリンを外側にすると少し調整するだけでなんとか複線にすることができます。同一半径の道床付き曲線線路を複線にするのは加工が結構むずかしいし、最初はメルクリンの車両も走らせたかったので、このような配置になりました。

これ以上の曲線半径を作るにはフレキシブル線路を使うしかありませんが、最初に作ったレイアウトが組み立て式で、その路盤を現在の固定式レイアウトにも使ったので、そのまま利用しています。一応、曲線部には道床の外側に1mm弱の厚紙を敷いて、カントを作っていますが、緩和曲線はありません。

模型のレールをよく見ると、レールそのものにもサイズ(高さ)の違いがあります。前に書いたように、実物の60kgレールの高さが174mmとすれば、HO(1/87)なら2mm、16番(1/80)なら2.175mmになります。

模型の線路はコード(code)という単位(インチのパーミル:1,000分の1を1とする単位)で高さが表現されていて、HO用では、コード70(高さ0.070インチ=1.8mm)、コード83(高さ0.083インチ=2.1mm)、コード100(高さ0.100インチ=2.54mm)あたりが市販されています。

これらはアメリカやヨーロッパの鉄道模型愛好家の任意団体によって規格が制定・推奨されて、その規格に基づいて欧米のメーカーは作っていますが、日本にはそういう団体はありません。また、レール製造が中心のシノハラやPeco(英国)以外のメーカーはあまりコードを明示していないようです。

多く使われているのはコード83と100です。HO(1/87)だとコード83、日本の16番(1/80)の幹線だとコード83か100、ローカル線だと83か70でしょうね。でも、このあたりは好みの問題です。本気でスケール感を重視すると、1/80でJRなどの狭軌(1,067mm)では軌間13mmの線路(マイナーですが、シノハラやIMONから市販されています)になるでしょうから、いろいろと大変ですね。

レールの高さで定義されているコードですが、実際には、レールの頭の幅や形状もメーカーによって異なりますし、枕木の幅と高さ、道床のデザイン・質感などを総合すると、見た目はかなり違います。スケール感重視で、繊細な具象的レイアウト・ジオラマを作る方は気にするのでしょうね。

異なった種類の線路をつなぐのは、異種レールをつなぐジョイナーをセットしたり、ヤスリでレールを少し削ってレール上面を合わせるなど、それなりの手当てをしておけば、走行にはまったく問題はありません。当模型鉄道では、道床の仕上がりや幅が違うのは塗装でごまかし、道床の底からレール面までの高さが違う場合は下に厚紙を敷いて調整しています。

そんなミックス線路状態がよくわかる写真があります。HOのヤードの配置を考えていた頃(2013年)のスナップです。

手前のヤードの切替はバックマンの分岐器(ターンアウト)で、その前後はエンドウです。その先にはメルクリンが続いています。そして、右上に写っている周回複線の外側(メルクリン)と内側(エンドウ)の間に片渡り線を設けています。外側からメルクリンの分岐器、内側からはバックマンの分岐器で連絡させています。

この時期はまだメルクリン車両の走行に執着していて、二線式と三線式をスイッチ回路で実現していました。メルクリン車両は外側のみの走行で、内側に入ることはできませんが、二線式車両は外側に渡って走行できます。もちろん、メルクリン車両と二線式車両を同時に同じ線路上に置くことはできません。

メルクリン車両をあきらめて、すべてを二線式にしたら、自由に分岐器を配置することができました。アメリカのショップでバックマンのDCC組み込み分岐器が格安だったので、すべてバックマンの分岐器になりました。

現在のヤード付近です。周回複線には渡り線を廃止(渡り線は駅構内に設置)したし、全体に塗装したので、異なったメーカーの線路の違いはわかりにくくなっていると思います。バックマンの枕木が黒なので、この程度の簡易塗装では無理ですけど。

レール形状の違いを眺めてみます。
メルクリンの連結部分です。道床付き線路Cトラックの連結部分は複雑ですが、カチッとピッタリはまります。これはメルクリンならではの気持ち良さです。お座敷レイアウトなどでの組み立て・分解がとても楽で確実です。レールの頭部分は丸い感じです。レール高は実測2.3mmでした。なお、実測には誤差があるかと思います。念のため。

HO marklin1

メルクリンの線路独自の特徴として、KトラックにもCトラックにも枕木中央部分に突起があります。メルクリンの線路は左右2本のレールが電気的につながっていて、中央の突起と両側のレールとで給電します。そのため、メルクリンの動力車は台車の底に集電装置が付いていて、線路中央の突起と接触するようになっています。

HO marklin2

当模型鉄道では、二線式に対応させるために、2本のレールがつながっている部分(道床の裏側)を切り離して、左右のレールを独立させています。

メルクリンは一時期、枕木・道床が透明プラスチックのCトラックを販売していました。ジオラマ的レイアウト用とは言えず、ディスプレイ・ケース用に使うとオシャレな感じで、色を自由に塗ることもできるし、下から照明を当てて楽しむこともできるようです。もうメルクリンのサイトでの商品検索には出てきませんが、今でも在庫品販売は多いようです。例えば、Märklin 20197(188mmの透明)だと普通のCトラック24188と同じくらい(ドイツのショップで€3前後)です。

次はエンドウの連結部分です。塗装した線路なので汚く見えますが、レールの頭はくっきりと、きれいな平底レールの形状になっています。レール高は実測2.5mmだったので、コード100ですね。

HO endoh

シノハラのフレキシブル・レールです。これもきれいな平底レールの形です。シノハラは海外でも多く使われているようで、コード83と100の2種類を出しています。コード83は実測で2.09mm、コード100は2.48mmでした。

HO shinohara

(追記:残念ながらシノハラは廃業となりました。でも、金型を引き継いだIMONがHOのフレキシブル線路を製作・販売することになりました。)

最後はバックマンです。レールの頭が三角おにぎりみたいですね。レール高は実測2.54mmでした。当模型鉄道で、バックマンの線路は分岐器すべてと、その他に少々使っているだけです。

HO bachmann

1・Gゲージ
1ゲージとGゲージはどちらも軌間が45mm(1.75インチ)なので、同じ線路で走らせることができます。スケール(縮尺)から言えば、45mmの軌間は実物1,435mm(5フィート8.5インチ)のほぼ1/32で、元来はメルクリンなどの1ゲージのサイズです。

最初に入手したのがLGB(Lehmann-Groß-Bahn:ドイツ)製のGゲージの車両と線路だったので、すべてLGB製ですが、一部、Aristo-Craft(米)製の分岐器を加えたところがあります。

LGBは真鍮製のレールです。

G LGB1

レールの断面です。

G LGB

さすがに、この縮尺だと、レールは実物に近い形状ですが、全体に太いですね。野外でも使える丈夫な線路です。LGBの縮尺はだいたい1/22.5で、レールはコード332に分類されているようです。実測した高さは8.5mmだったので、1/20くらいですね。

LGBでは直線線路の基本は長さ30cm(型番10000)ですが、長い直線を作る時に便利な60cmの倍サイズ(型番10600)もあります。1.2mの4倍サイズ(型番10610)もあるようですが、購入したことはありません。

札幌時代は長い直線区間のある折りたたみ式レイアウトだったので10600を使っていましたが、直線区間が短くなった現在はすべて30cmにしていて、60cmはしまい込んでいます。

60cmは継ぎ目の「ガタンゴトン」の音が少なくなるのが物足りないと思いましたが、25mの定尺レールの縮尺で考えれば1m以上が必要ですから、60cmでも短いわけです。ロングレールが当たり前の現代では、実際の列車がそれほどの頻度でガタンゴトンと振動すると乗ってられないでしょうね。乗っている場合と眺めている場合、そして実物と模型の関係はいろいろな側面が複雑に絡みあっていて、面白いものです。

曲線については、基本のR1(半径600mm)からR5(半径2,320mm)まであります。現在の3階建てレイアウトではR3(半径1,198mm)を使っています。Gゲージともなると、フレキシブル線路はありませんので、好みの曲線半径が欲しい場合はレール単体(1.5m)を購入して、ベンダーを使って曲げることになります。枕木は別に販売されています。

上の写真を撮るために出してきた箱には「Ridge Road Station」というなつかしいシールが貼られています。

これはニューヨーク州Holleyにあった大きな独立模型店です。日本でのLGB製品の販売価格があまりに高かったので、Gゲージを始めてからずっとLGB製品の通信販売で利用していました。店頭販売がメインの店で、サイトには買物カゴなどはなく、メールで見積もりを依頼して発注していました。担当者の対応がとても丁寧で、発送も船便・航空便を選ばせてくれました。10600の箱に貼られている当時(2004年頃)の価格シールには、1本あたり価格$9.99、セール価格$7.49となっています。残念ながら、2011年に廃業してしまいました。

縮尺1/32の1ゲージの製品を出しているメルクリンも線路を出していて、1ゲージらしく、すっきりした容姿ですが、そちらは使っていないので詳しいことはわかりません。このあたりはコード250でしょうが、ネット上のフォーラムでは、実測コードは205だと報告されていました。

メルクリンなどの1ゲージ車両を載せると、LGBの線路は少しオーバーサイズの感じですが、走行させていると気になりません。戸外の庭園鉄道として楽しむ人は、ゴミなどの対策としてコード332を使うことが多いようです。

HOトンネル内壁

以前に1・Gのトンネルの内壁を作って、車両搭載のカメラによる動画を楽しんでいます。車両搭載のカメラによる動画はレイアウトの不備チェックになり、整備のポイントを知ることもできます。でも、HOはそのままになっていました。

FPV(運転席カメラからの無線中継)の検討も続けていますが、その意味でも、トンネル内壁を作っておく必要があります。いずれ、無線で映像送信という場合でも、電波を遮らないために、紙で作ることにしました。

現状のトンネル内部です。入口のポータルから窓の一部や棚の支えが丸見えです。

内部の中央付近です。

出口付近です。

これらの写真はビデオ映像からの切り抜きです。ビデオを写した車両はこういう構成です。

押している機関車はF40PHで、前の貨車は半世紀以上前に買ったカツミのブリキ製品です。無蓋貨車にSONYのHDR-AZ1という小型カメラを載せています。AZ1は生産終了になりましたが、とても小さくて、Nゲージにも使えそうです。1・Gなら、運転席に載せることができます。wi-fi機能がありますが、とてもFPVを実現するほどの送信出力はありません。

トンネル内壁の素材はボール紙です。
1・Gと同様に曲線部分のトンネルなので、天井を円くするのは面倒です。今回は安直に四角にしてしまいます。できるだけ継ぎ目を少なくして、パテ塗りなどを省こうという計画です。

HOの曲線部分に使っている基板に沿って天井を切り出し、側壁はトンネル・ポータルの高さ(+糊しろ)に合わせます。

側壁に天井を貼る切り込みを入れていき、それに天井を貼り付けます。

側壁の下側に補強の紙を貼り付けました。下に置いているのが曲線部の基板です。

置いてみました。だいたい予想通りです。

これを2つ作って、つなぎ合わせました。トンネル・ポータルの形に沿って、すこし天井を円くしました。内部チェックのカメラ列車が待機しています。

横のカバーを閉じてから、チェック走行したカメラ列車の動画です。音が出ます。

だいたい、滑らかな壁が写るようになりました。音がトンネルらしく、くぐもって聞こえています。
逆方向の動画です。これも音が出ます。

少し光の漏れがあること、つなぎ目がわかること、出入口のポータルと内壁とのズレがあることなどが気になりますが、いずれ補修する予定です。

 

転車台アプローチの改良工事

2017年4月15日

3月にS1を整備しましたが、転車台(ターンテーブル)へのアプローチが急カーブになっていて、とても入っていける状態ではありません。

ここはBig Boyがぎりぎり通り抜けられるように、柱を削っているくらいです。

このアプローチは、転車台・扇形庫を組み込んだボードを置いてから、その状態に合わせてフレキシブル・レールを敷設したので、無理をしてしまっています。いつもながら、熟慮と手間を忘れた作業の結果はしっかり現れるものです。

ここを改良すれば、ひょっとしたらS1も自力で転車台に行くことができるかもしれない、と思って、改良工事に取りかかりました。まあ、S1が通過できなくても、現状が不細工なので、改良にはなるでしょう。

現状のアプローチ部分を別方向から眺めます。
扇形庫は現状のままにして、ボードの移動だけで何とかします。

写真の右手前の分岐から緩いカーブにするためには、転車台を載せているボードを遠くに離さなければなりません。ボードはNゲージのレイアウトを支えている柱に合わせて作っていますが、一部を切り取れば、10cm以上離すことができそうです。

ボードは置いてあるだけなので、簡単に取り外すことができます。上に載っているのは、転車台のリモコンです。

転車台をボードから取り外すことなく、そのままの状態で一部を切り取りました。上の写真の左上のあたりです。

レイアウトに戻して、どれくらいの曲線が可能かを調べます。

これまでのアプローチ橋から14cm離すと、曲線半径は1mくらいにできそうです。

工事のついでに、扇形庫内のLEDテープ照明用電源ケーブルを接触方式にしました。これで扇形庫の建物を載せるだけで照明用電源がつながります。

次の写真は、工事完了後に照明を入れたときの内部の様子です。

もう一つ、ついでの工事として、留置線路を増設しました。扇形庫内ではなく、野外です。
この写真は、留置線を増設し、周りの枠を取り付け、塗装も終えた段階です。右端が新設線路です。

これまではボードを定位置に置くために、Nのレイアウトを支える柱に組み込む形にしていましたが、今回はそれができません。そこで、ボードの横と載せる枠に2箇所、「当たり止め」を取り付けました。

載せる枠と合わせると、ぴったりの位置になります。

アプローチは板材を渡しただけなので味気ないですが、いずれ装飾を工夫しようと考えています。アプローチまでは固定線路です。

全体の雰囲気です。新設した留置線路の長さは34cmですが、日本の機関車(写真はC62)なら十分です。

転車台(Walthers 2850)の位置と線路番号を次のようにプログラムしました。この図をコントローラの近くに置いて操作しています。

丸数字はコントローラで指定する線路番号です。転車台には前後があり、上の図では転車台の位置が①になっています。①と②は固定で、①がベースとなっていて、②は①の逆向きです。③から⑩を扇形庫としました。機関車の前後を反転するためには、10を加えた数字で回転させると逆向きになります。線路の後方横に小さな数字を入れているのは、その線路の長さ(cm)です。

Big Boyの通過ではたっぷり余裕ができました。

さて、S1はどうか、です。アプローチから自走させてみました。音は出ません。

特にトラブルなく、転車台まで走っていきました。

完成状態です。少し、小物を置いてみました。

工事期間は4月前半の2週間ほどでした。これで、S1の改造準備環境が整いました。S1の改造に取りかかるのはいつになるかわかりませんが、アプローチの曲線はすっきりしました。

 

DC電源ライン

LEDテープの使用開始にともなって、運転用のDCCと照明用の直流(DC)電源を分離するため、レイアウトの裏側に、1・GとHOそれぞれのDC電源ラインを別配線しました。
DC電源はアマチュア無線で使っていたもの1台です。

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DCCはESUのECOS 50200とブースターが1セットなので、HO、1・Gを切り替える自作スイッチを使っていました。
大きめの4回路トグルスイッチで、スイッチを上げるとHO、下げると1・Gへと供給が切り替わります。

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このスイッチの筐体は金工で余ったアルミを曲げて作ったので、側面はありません。
ちょっと小さかったので、クランプで留めていたこともあります。

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今回、DCCだけではなく、DCの電源も切り替えたいので、スイッチボックスを新たに作ることにしました。DCCとDCのスイッチを並べて収める箱です。買い置きしてあったアルミボックスを使います。スイッチ類は使い回しです。

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穴を開けました。新しいボックスの左2/3がDCC用で、右に置いた以前のボックス裏側と同じパターンです。右1/3がDC用です。これまでより余裕があります。

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配置はこんなものです。ハンダ付けの順番として、下側から配線を始めて、その後に上側のコネクターを取り付けます。

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配線が終わりました。

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完成しました。すべてのプラグを差し込みました。

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レイアウト下の配電盤です。下の2対がDC用です。

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ボックスの右のスイッチがDCC切替、左のスイッチがDC切替です。すべてにラベルを貼らないといけません。

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スイッチを操作してもボックスが動かなくなり、とても使いやすくなりました。スイッチボックスの左側にはDC電源の延長スイッチを置いています。

さて、レイアウトすべての照明関係をDC電源で利用する配線を終えて、あらためて、LEDテープを使った時の消費電力を測定してみました。DCCの時は直接に電力を測定することはできないのです。まあ、これらのことがらは、事前にLEDテープ単体で測定可能でしたけど。
電源にも電圧・電流のメータが付いていますが、よくわかりません。1Aにはとても届かないようですが。

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最近購入したマルチ・メータできちんと測定しました。
電圧は10.12Vです。

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LEDテープが駅周辺だけの2.5mと10個ほどのLEDという1・Gの場合は、思ったより少なく、電流は0.4Aほどでした。

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駅周辺とヤードにLEDテープを5mくらい使っているHOは、0.6A くらいです。

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DC電源の能力からすれば、10V供給だと、LEDテープ換算で50m以上問題がなさそうです。LEDテープの買い置きは20mくらいありますので、いろいろと使うことにします。また、DCCで照明その他をコントロールすることも考えています。

ヤードの屋根と照明

10月に入って涼しくなったので、工事をしやすくなりました。

HOの機関車用ラウンドハウス(扇形庫)を作って、機関車のホコリよけができたと喜んでいましたが、HOの列車編成を置いているヤードの車両にもホコリがいっぱいという現実がありました。この屋根は簡単に作ることができそうです。今回も材料は手持ちのベニヤ板と角棒です。そして、内部照明はLEDテープを使います。

ラウンドハウスと同様に、柱と梁を現物合わせで組み立てていきますが、ヤードは長方形なので簡単です。今回も木工ボンドによる接着だけです。梁の高さは、HO車両でパンタグラフがもっとも高いGG-1(写真の右端)が入るようにしました。

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横の梁が終わったので、縦にも梁を置くつもりでした。

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でも、そうすると柱の位置が固定されてしまい、LEDテープによる内部照明の位置も決まってしまうので、とりあえず、この状態で屋根を置いて、照明や屋根の置き具合を調べることにしました。

屋根(4mm厚のベニヤ板)を置いてみました。このベニヤ板、外に保管していたので、少々くたびれていましたが、塗装すれば何とかなりそうです。

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この屋根はヤードと車両の整備のために外すことが多いので、2枚にして、梁と固定しないで、単に置くだけです。屋根の上に置いているのは、ラウンドハウスで使った透明アクリル板です。中が見えるように屋根に穴を開けて貼り付ける予定でした。穴開け作業は面倒なのですが、屋根を置いてみると、運転制御台の位置からはラウンドハウスのように屋根から中が見えるものではなく、横の空間から見える角度になるため、穴開け作業が不要とわかりました。

次はLEDテープによる照明のテストです。LEDテープは40センチ(8ユニットでLED24個)にしました。
先ずは1本の梁に取り付けて、どれくらいの距離まで明るいかのチェックです。取り付け方法は駅周辺の照明と同様に、細板にLEDテープを貼り付けて、梁にネジ止めしました。

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次に、逆向き(内側向き)のチェックです。

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これで、ほぼ梁に1本のLEDテープでOKだとわかりました。それに、縦の梁がなくても、屋根がたわまないで、しっかりしていることがわかりました。

そこで屋根の塗装です。柱・梁・屋根の裏側はライトグレーで、屋根の上はライトブラウンとしてみました。塗装に関しては、調色が不得手なので、市販の水性塗料をテキトーに選んでいます。

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しかし、屋根を置いてみると、ライトブラウンは雰囲気が合わないことがわかり、スレートグレーで上塗りしました。

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LEDテープを梁の下に取り付けてみました。

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この方法だと、照明の直下がやけに明るく、中間部分が暗くなります。結局、梁の後ろ方向に取り付け直しました。一番奥だけは逆方向にしています。

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多少の明暗はありますが、かなりマシになりました。
ちなみに、照明用の電源は別配線した直流電源ラインから裸の銅線を回して、直下でハンダ付けしています。これが一番手軽です。

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完成しました。一番手前の梁には前方への照明を45度の下向き角度で取り付けました。
安物の電球色LEDらしく、ちょっと黄色が強いようですが、一番奥は白っぽく見えます。奥は角度を付けていないので、正面から見ると白っぽく見えるようです。

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上から眺めた写真です。

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奥から眺めました。

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工期はちょうど1週間でした。先頭車両あたりには屋根がありませんので、いずれアクリル板の屋根を作ろうかと考えています。それと、LEDテープによる照明は安価で簡単なので、他にもいろいろ使おうと考えて、少し買い足しました。
でもまだ、車両のホコリ掃除をしていません。

LEDテープで照明

走行中の先頭車両からのリアルタイムの映像(ライブビュー)にトライしていると、画像が暗いことに気がつきました。トンネル内はともかく、1・Gの上にHO、HOの上にNのレイアウトと、それぞれ天井があります。特に駅の周辺には室内の照明が当たらず、とても暗くなっています。 そこで、せめて駅周辺だけでも照明を付けようと考えていて、LEDテープを使うことに思い至りました。

最初は、IKEAのネットカタログを見ていて、「LEDスティックライト4本セット」2,499円というのを見つけました。HOと1・Gで2つずつ買う必要があり、4つで1万円になるし、鶴浜まで行くのも面倒だし、しかも現在は在庫なしのようだし、ということで、ネットでLEDテープを調べてみたら、安くあがるものが簡単に見つかりました。

LEDテープというのは、薄いプラスチックのテープにLEDが連続的に配線されたものです。模型車両にLEDを使い始めた10年以上前にはあまり見かけませんでしたが、今はとても安価に出回っています。

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もっとも安価だったものは、12V仕様で、1本が5mあって、5センチに3個のLEDと1個の抵抗が配線されたユニットがつながっています。ユニット単位で自由にカットできます。5センチに3個ですから、5mで300個のLEDがつながっています。これ1本が送料込みで210円という驚くべき価格です。色も何種類か出ていて、模型には欠かせない「電球色」があったので、2本買いました。

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いろんなネットショップを眺めていると、需要は自動車の電飾のようですね。そのため、12Vの自動車用バッテリー仕様がほとんどですが、トラック用にLEDが6個でユニットになっている24V仕様もあります。24V仕様のほうが高いのは需要の多寡に対応しているのでしょうか。防水仕様もあるので、今時はLEDデコトラも走っているのかもしれません。

家庭用の100V電源で使う場合は12V出力のACアダプターが必要になり、IKEAの製品(柔らかいテープではなくて、プラスチック製の棒になっているようです)にはACアダプターが付いています。ただ、明るさ調整はできません。

模型車両の室内灯にも使えそうですが、12V用の抵抗が組み込まれているので、普通の直流電圧制御だとむずかしいでしょうね。PWM制御なら使えるかもしれません。当模型鉄道のNゲージは単純な直流電圧制御ですし、Nゲージには室内灯を組み込む予定はないので候補ではありません。HOと1・GはDCCで、17Vくらいの常時通電ですから、ブリッジダイオードと電流調整(単に抵抗を増やすだけ)で使えそうです。
[追記:その後、HO(16番)阪急2800系に使いました

それはともかく、どんな照明になるかを体験してみたかったので、駅周辺の天井に貼り付ける方法を考えてみました。LEDテープの裏は薄いテープをはがすと、けっこう強い接着テープになっています。適当な長さのユニットで切って、そのまま貼り付けてもいいのですが、ちょっと味気ないので、余っていたベニヤの細切りに貼って、木ネジで取り付けることにしました。

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また、点々とLEDが輝くのも、どうかと思い、少し間接照明っぽくするために、コピー紙を切ってカバーを作ってみました。最初、画用紙で作ってみたら、紙が厚くて暗すぎました。

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Before:点灯前の1・Gの駅あたりの暗さです。

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After:点灯しました。

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HOのBefore:

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After:

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上の写真はデジカメのオート調整による映像なので、比較写真としてはデタラメになりましたが、印象はOKです。

LEDテープの特性がわからないので、もちろん、取り付ける前に明るさを調整しています。調整は、線路から取りだしたDCC電源にブリッジダイオードと、安全のために降圧回路(ステップダウン・コンバータ)を挟んで、コンバータ出力の電圧を変更するという方法です。線路に電源が入ると点灯します。

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左側がHO用、右側が1・G用です。このコンバータも中国通販で1個200円ほどでした。
12V用のLEDテープですが、12Vだと明るすぎて、10Vあたりがコピー紙を通してちょうどいい明るさでした。1時間くらい点灯していても、触って熱いほどの熱を持つパーツはありません。

上に書きましたが、ステップダウン・コンバータを介さずに、ブリッジダイオードと抵抗を入れるだけでも明るさ調整が可能です。ただ、DCC電源による印加電圧が少し高いので、本当に安全かどうかはわかりません。まあでも、これまでも電流制限(CRD)だけで個別のLEDをつないでいて、LEDが壊れる事故はありませんでした。

下の写真は、いろいろと抵抗(あり合わせのセメント抵抗)を変えて、明るさを調べているところです。試しに、抵抗を入れずに17Vを印加すると、LEDテープは高輝度で輝き、1,2秒で熱くなって、溶けそうでした。適当な抵抗は必需品です。

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HOも1・Gも駅がレイアウト出入口の両側にまたがっていますので、半分は別に降圧回路を入れなければなりません。必要なLEDテープの長さは、HOも1・Gも2.5mほどになり、1本5mをすべて使うことになりました。

すべてのLEDテープ工作を終えた段階で、ちょっと気になったことがあります。それは消費電力です。

このLEDテープを含めたレイアウト上での固定照明(ほとんどLED)の電力はすべて線路(DCC17V)から取っています。これまでの照明は信号灯や街路灯などの単発LEDばかりですが、今回のLEDテープ2.5mを使うと、150個のLEDが同時点灯します。きちんと測定していませんが、コンバータの効率などを含めて、照明だけで1Aくらいを消費しそうです。

DCCの制御はESUのECoS 50200で、定格連続出力は4Aとなっています。その1/4も照明に使うと、特に1・Gでは本来の車両制御に支障を来しそうです。

ということで、LEDテープ工作は終了しましたが、取り付け工事は中断し、照明などに使う直流電力を別途供給する工事を先行させることにしました。
でも、LEDテープによる照明は成功のようです。

扇形庫 3 (完成)

2016年7月10日

屋根を塗装しました。

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壁も塗装して、仮置きしてみました。

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正面です。

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この段階でBig Boyの出入りチェックをしてみたら、まだ少し柱に引っかかりましたので、さらに柱を細くしました。扇形庫の奥行きは十分に余裕があるので、出入口の位置をもう数センチ後ろにしておけばよかったのですが、後の祭です。まあ、ギリギリで入りますので、OKとします。

屋根を取り外すことができるようにしましたが、メンテナンスの時は全体を持ち上げて移動すればいいので、上の持ち手が無意味だとわかりました。なので、持ち手を外して、屋根のアクセントに、桧の丸棒とベニヤを穴あけパンチで抜いた円板で簡単に煙突を作りました。パンチで屋根に穴を開けて、煙突を突き刺すだけです。

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天窓の切り口がきれいではなかったので、2mmの角棒を取り付けていきました。

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内側をグレーに、窓周り(窓枠)と出入口をグリーンに塗装しました。
側面の窓はマスキングテープを使って塗り、窓枠らしくしたつもりです。

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出入口は厚紙なので、補強のためもあって、3回以上重ね塗りしました。

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塗装を終え、すべての窓に0.5mm厚の透明アクリル板をエポキシ系接着剤で内側から貼っていきます。このアクリル板はNとHOのレイアウト外周に落下防止用として取り付けていたものです。NもHOも外周を手直ししたので、取り外して余っていたものを利用しました。
側面の壁で窓が折れている箇所は、アクリル板をコテで熱して曲げました。

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天窓にも裏からアクリル板を接着し、接着剤が固まるまで、いろんなもので押さえているところです。

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車止めとして、スポンジゴムを貼り付けて、カプラーがぶつかってもいいようにしました。

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屋根に煙突をはめ込んで、屋根をかぶせたら完成です。煙突も途中までグリーンにしました。

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TrixのBig Boyが入庫します。

とりあえず、これまで出しっ放しにしていた5両を入れました。左から、Bachmann(バックマン)のDDA40X、Broadway LimitedのT1、天賞堂製を改造したC62、KeyのBig Boy、TrixのBig Boyです。
扇形庫内の線路はすべてDCC常時通電にしています。

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入庫している状態を上から眺めてみます。

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屋根を置いた全景です。

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扇形庫の内部を窓から写してみました。

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もう1枚、1/87のBig Boy(左)とT1(右)に挟まれた1/80のC62がとても小さいですね。

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これで扇形庫は完成です。
いつものように、機能本位の簡易工作でしたが、工期は2ヶ月になりました。
でも完工検査は合格とします。全体を簡単に取り外せますし、安心して機関車を入れておけます。

レイアウト整備はまだまだ続きます。

扇形庫 2

扇形庫出入り口の建築限界チェックを、扱いやすいDDA40Xでやっていましたが、あらためて、Key製のBig Boyで調べてみました。
柱の幅を4ミリにしている出入口の左から、DDA40X、Big Boy、T1です。やはり、Big Boyは横にパーツが出ていて少し幅が広いですね。左右に1ミリほど出入口を広げる必要があるようです。

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柱部分だけを細くしたもの(下側)を作りました。

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Big Boyで確かめてみます。

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OKです。しかし、これだけ細いと、切り抜いた出入口の紙を使って扉を付けようかと思っていましたが、不可能です。
それに、厚紙だけでは頼りないので、裏に細い角棒(2ミリ)を貼り付けて補強します。

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これでしっかりしました。

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仮置きしました。車庫の中は真っ暗です。

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屋根に天窓を切り抜きました。

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明るくなりました。天窓の付いた扇形庫は思いつきでしたが、なかなか機能的で、自己評価は高くなりました。
次の写真は運転する制御台あたりからの眺めです。扇形庫の中がよく見えますので、車両を入庫させやすいし、内部照明を付ける必要はないかもしれません。
外壁には次の工程の塗装用に薄くパテを塗っています。

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屋根の裏に補強用の角棒を貼り付けました。これで屋根の高さが壁の高さと合うはずです。

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屋根の上に、突起物を付けました。すべての窓にアクリル板を貼る予定なので、アクリル板を貼ってしまうと持ち上げられなくなるための持ち手です。煙の排出口にでも見えるといいのですが。いくつか穴を開けてもよかったかもしれません。これだけは木工ボンドではなく、裏から木ねじで止めていて、別のアイディアが出てくれば簡単に取り外せるようにしています。

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(続く)

扇形庫 1

2016年6月14日

Walthersの転車台(ターンテーブル)は調子がいいのですが、フレキシブル線路をそのまま取り付けただけなので、全体に製作途中の感がありました。
そこで、線路周囲を厚紙で覆っていくなど、路面の簡易美装を始めました。

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その作業の途中で、置いてある機関車にホコリがけっこう溜まっているのに気がつきました。
こっちの対策のほうが大事だと思い、急遽、扇形庫(機関車の車庫:ラウンドハウス)を手持ちの材料で自作することにしました。地面の整備は後回しです。5月の初めでした。

いつものごとく、技能レベルに見合った、思いつき重視の簡単工作になります。
先ずは基礎作りです。
転車台を設置している板がヘンテコな形状なので、実物合わせで、扇形庫の土台となる基礎枠を置いていきます。
材料は桧の角棒(9ミリ)と板材で、接着はすべて木工ボンドです。

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両側の角棒の先端が扇形庫出入口の弧の両端になる部分です。
奥行きは、中央あたりの車庫にBig Boyが入るように決めました。
逆方向からの写真です。

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メンテナンスを考えて、建物全体を上に持ち上げられるように作りますので、基礎は下の板には固定(接着)せず、置いているだけです。ただ、構造全体をそれなりにしっかり作らないといけないので、角棒でフレームを作ります。

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この作業と平行して、弧になる機関車出入口を厚紙で作りました。薄いシナベニヤあたりが望ましいのですが、手持ちの薄い板がなかったので、厚紙になりました。
転車台の中心からの距離で弧を描き、型紙を切り出しました(次の写真の下側)。
この型紙の弧に合わせた長さの長方形を厚紙で作り、出入口を書き込みます(上側)。

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出入口の上部は半円形にしたいので、円切りカッターで切り取ります。

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出入口の下部を直線に切り、出入口ができました。ちょっと薄いようです。

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この作業は、いろいろ誤算があって、最終品まで4回繰り返すことになりました。

出入口の上部で厚紙を固定するために、桧の板材を型紙に合わせて弧を作りました。カーブが固定されるように、曲げた板材2枚を貼り合わせています。
出入口を合わせてみました。まだ弧の板材は寸法通りに切っていない状態です。

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この写真をよく見るとわかるのですが、一番大きな誤算が見つかりました。
写真の右から2番目の線路の位置が少し(1ミリほど)左にずれています。厚紙で扇形庫出入口を作っていて、均等に配分して切り取ると、車両が柱にぶつかることで発覚しました。転車台を設置した1年半前のデタラメ工事が原因です。
転車台の停止位置調整は自由にできるので、これまでわからず、不都合もありませんでした。さっそく、その線路の敷設をやり直して、転車台の位置調整をおこないました。この記事の最後の写真と見比べると、わかるかもしれません。
こういう過去のデタラメ作業による不都合はよくあることで、新しいプロジェクトを開始すると発覚して、工事中断になります。

同時進行で、建物の柱・梁を作っていきます。
前面の弧を寸法通りに切って貼り付け、後ろの梁と結びつけて連結・強化するために、少し角棒の使い方を変えました。

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この段階で、DDA40Xで出入りチェックをしました。
出入口の幅は42ミリとしていましたが、弧を描いた型紙、上部の板材の曲げとがぴったりにはならず、一部、DDA40Xが左右で出入口に触れるところがあり、出入口の作り直しとなりました。
このあたり、下手な手作業の結果がしっかりとあらわれます。

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この状態で取り外せます。

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後部の土台の貼り合わせがヤワでしたし、壁を固定するために、後ろの梁を増やしました。
そして、壁を仮置きしました。
壁は2.5ミリ厚のラワンベニヤです。現実サイズでは20センチ厚くらいになります。
窓はカッターで切り取りました。できるだけ窓を大きくして、中が見えるようにしています。

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壁を木工ボンドで接着しました。これで全体がしっかりしました。

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屋根も同じラワンベニヤで、現物合わせで切り取って、かぶせてみました。

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ちょっぴりずれていて、板に反りがありますが、修正できるレベルです。
屋根は接着せずに、蓋をする感じで仕上げるつもりです。
このままでは、車庫に入っている機関車が見えないので、屋根にも穴を開けて、天窓を作る予定です。
まだ、出入口の厚紙加工が完成していません。

以上、6月10日まで約1カ月の製作過程でした。

続く