阪急2800系 6 仕上げ2

今年も1日2時間以内のペースで作業を続けています。

前回の記事タイトルに「仕上げ1」と書いてしまったのですが、何が仕上げかを考えず、その後も「仕上げ」とは言えない「仕上げ前」の作業と手直しがいっぱい続いています。まあ、それも仕上げ作業と考えて、その後の1カ月の進展を「仕上げ2」とします。

幌と屋根からの配管を調整(一部、幌を外したり、テープで留めたりしています)して、ヤードに出入りできるメドがつきました。音が出ます。

この動画ではモーター搭載車が前から2両目になっていますが、3両目になる予定です。また、最後尾の車両ドアにマスキングをしているのは塗装修正のためです。

屋根上クーラーの塗装を変更しました。ずっと前に「ねずみ1号」で塗装しておいたのですが、見た目が暗く、イメージと合わないなと思っていました。そこで、ずっと明るい灰色を作り、ほんのちょっと青を加えてみました。簡易調色です。写真の上がねずみ1号で、下が塗装変更後です。

屋根に載せてみました。

こんな感じがイメージにある姿です。実物通りというより、好みの配色ですね。上の丸い網にスミ入れをするとメリハリがつきそうですが、未定です。

屋根上のパンタグラフ台を以前に樹脂でコピーして、2両分(16個)を確保していたのですが、実物は板だけのようなので、その雰囲気を出すため、0.4mm厚の真鍮板で簡単に作ってみました。左がキット付属パーツ、中央が自作、右は出所がよくわからないパンタ台です。

他の屋根上パーツと一緒に塗装しました。

パンタグラフに碍子と合わせて取り付けました。少しさっぱりしたように思います。

このパンタグラフはIMONの製品です。ただ、碍子を2段にしたので、屋根の取り付け位置までが長く、M1.2の取り付けネジは10mmが必要でした。

次も手直しです。前照灯のカバーガラスに0.1mm厚のOHPシートを使ってみたのですが、きれいに仕上がらなかったので、作り直しを考えていて、熱湯で柔らかくなる樹脂粘土のクリアを使ってみました。LEDの先が入るように型を取り、パーツを取り付けたまま、柔らかくした透明の樹脂(右)に押しつけて、内部に樹脂を充填します。

出来上がりは右端です。左4つはOHPシート貼りです。

大した違いはなさそうですね。どの方法を使っても、こういう小さいパーツは苦手で、どうしても汚れてしまいます。

さらに、こうやって作った前照灯の形がどうもカクカクとして、阪急らしくありません。どこかの地下鉄車両の行き先表示みたいです。これでも四隅はかなり削っています。

四隅を丸くする方法を考えましたが、この真鍮パーツの四隅を削って、内側にパテを入れるような加工をすると、車体側の穴の四隅が見えてしまいます。そこで、前に枠を貼ることにしました。きれいに作るためには、薄い洋白をエッチングで抜くことができればいいのですが、エッチングにトライするのは先に延ばして、クラフトロボで紙を切り抜いて、塗装して貼ってみることにしました。

その前に、こんなこともトライしてみました。種別・尾灯の周囲の枠を作るために、0.1mm厚の洋白板にドリルで1.5mmの穴を開けてから、ドリル位置を固定して、2mmのポンチで抜くという方法です。板の右下にあるのが、その無惨な結果です。

次の写真の左は前照灯、右は種別・尾灯の周囲です。用紙にもよるでしょうが、このあたりの細さ(0.2mm幅)がクラフトロボの切り取りできる限界でした。

今回、クラフトロボで正円を切り出してみましたが、楕円になってしまいます。小さすぎたのかと思って、少し大きな円を切ってみても、斜めに歪んでいます。これまで正円を切り出した記憶はないので、製品の個体差の問題だったのかもしれません。こういったメカの調整をする方法はマニュアルに書かれていませんし、古い製品なので、あきらめるしかないのでしょうね。ネット上でも同じ現象が報告されていました。他の切り取りはOKなようなので、当分は使っていきます。

なんとか、4両の前面照明枠を貼り付けました。種別・尾灯の周囲用の紙の枠を置いてみると大きすぎたので、それは使わないことにしました。

前照灯がちょっと大きく、種別・尾灯が小さくなりましたが、技術レベルからすれば、これくらいが精一杯です。まあ、それなりに阪急らしい雰囲気ということにしておきます。これで車体内側の照明配置が決まったので、LED取り付け方法を考える段階になりました。

そろそろ、車番と社章を貼り付けなければなりません。これが一番の苦手作業です。マッハの製品を使いますが、小さな数字を並べていくのは相当な苦労です。下処理として、数字に白を塗装し、社章にはマルーン色のスミ入れをしました。

この写真の右端にはバラバラになった数字が写っています。数字を切り出していて、事前塗装が必要なことに気がついて、個別に処理しました。数字と同じように、社章にも表面に白の塗装をしたかったのですが、その方法を試行錯誤しても、きれいにはならないので、単に細かなヤスリで磨いたら、それなりに反射光で白っぽく見えたので、このままにします。

一応、車体に合わせて貼るための位置を固定する枠を作りました。これを窓枠で折り曲げると、社章と車番の位置が決まります。

しかし、問題は貼り付け位置を確定することではなく、4つの数字を水平に並べて細いマスキングテープに貼り付ける作業、それを車体に貼る作業が大問題でした。こういう細かい作業はピンセットと爪楊枝を使うことに慣れるしかなく、不器用だとどうしようもないですね。

一応、並べるための紙の枠をクラフトロボで切り出して、数字を置いていきました。

これを細いマスキングテープで押さえて、クリア塗料を接着剤にして、車体に貼り付けました。

こういう方法で貼るわけですが、実際は数字がすんなりとマスキングテープから剥がれないので、結局はテキトーに数字を置いてから、爪楊枝でチクチクしながら位置を決めていきました。

結果です。少し歪んでいますが、これが実力です。

この状態で、クリア塗料を車体全体に吹き付けて、車番と社章を固定すると同時に、トップコートとして艶を出すことにしました。中間車2両をクリア塗装した結果です。

右側の2831は水性のクリア塗料、左側の2841は溶剤系塗料(ガイアEX-クリア)を使いました。本番で比較するのは無謀ですが、水性塗料を使う予定だったので、最初に2831を塗装した後、客席窓枠を入れる作業をしていたら、丸一日経ったのに、車体に下に敷いた布の跡や指紋が付いてしまいました。水性塗料は乾燥までにかなりの時間が必要なようですね。それと、ちょっと厚塗りでした。溶剤系塗料は乾燥も早く、仕上がりの見た目はほとんど同じでした。今後は溶剤系塗料でやります。

それはそうと、クリア塗料は粘性が高いですね。エアブラシ用に薄めましたが、それでも、0.3mmのノズルだとすぐに詰まってしまいます。0.5mmのノズルを多用するようになりました。

種別表示、戸閉め灯、窓枠を取り付けました。すべてゼリー状の瞬間接着剤を使いました。2831と2841です。阪急らしくなった気分です。

社章と車番取り付け、クリアコートは1日1両というペースです。今後、先頭車両はもっと手間でしょうね。基本の仕上げ作業はもう少し続きそうです。

(続く)