阪急2800系 2 仮走行

9月に入って涼しくなりました。家で模型工作遊びよりも外に出るほうが楽しそうになってきたので、しばらく作業を休もうと思っていました。でも、毎日、少しだけでも進めないと終わらないと思い、チビチビと続けるようにしています。

屋根上の冷房装置(キセ)に手すりを取り付け始めました。少しずつ進めていきました。

この作業も穴あけと同様に、一日に数個しか根気が続きません。1週間ほどかかりました。

手すり取り付けが終わったら、別の作業がありました。パンタグラフを取り付けるための小さなパーツ(パンタ台)が不足しているので、シリコンで型取りをして、レジン樹脂でコピーします。型取りは久しぶりの作業です。型枠に並べました。

シリコンを入れました。少量というのはむずかしいものですね。シリコンが汚く見えるのは、塗料に使ったスポイトを再利用したからです。

シリコンの型を2種類作って、レジンを入れましたが、あふれてしまいました。ピンを刺しているのは、型が薄いので、反ってしまうからです。もっと厚く作るべきでした。

取り出して、切り離すところです。

同じような作業の続きとして、座席を作っておきます。窓の配置に合わせて座席の間隔を調節して、これもレジンでコピーします。

型枠に置きました。座席を横に倒したほうが、レジンを取り出しやすかったような気がします。

シリコンを入れました。

型ができました。

この型にレジンを流し込んで、取り出します。

これで1両分です。レジンを入れながら爪楊枝でツンツクするのですが、あせってしまって、液が流れ込まなかったり、泡が入ったりしました。
1両分で1時間くらいはかかるので、1日2両分くらいのペースで、11両分を作りました。レジンがはみ出しているところを切り取ったところです。

歩留まりは7割くらいですね。まあ、なんとか8両分ができたので、ベルトサンダーで裏を薄くして作業完了です。途中で型のシリコンが割れてしまいましたが、ブロックの型枠を使うので、大きな失敗にはなりませんでした。

座席ができると、さて、方向を京都向きにするか、大阪向きにするかが悩むところです。終えてから気がつきましたが、端っこの座席は内側向きの固定になっていました。まあこれは仕上げの段階で対処できます。

細かなパーツ製作作業が一通り終わったので、床板に台車を取り付け、車体を載せて線路に置いてみたら、車輌の高さが違うことに気がつきました。

調べてみると、バラバラに購入したキットなので、台車を取り付けるマクラバリ(枕梁)のスペーサーの厚さが違いました。上の写真で左側の背の高い車輌のスペーサーは3mm、右の車輌は2mmでした。こういうプラスチックのパーツです。

手元にあるのは2mmが4個(2両分)のみで、残りはすべて3mmでした。3mmを削ろうかと思いましたが、劣化しているのが多く、簡単そうなので自作します。厚さ1mmのプラバンを穴抜きポンチで丸く抜きました。直径は10mmと6mmです。

直径10mmを2枚重ね、6mmを上に載せて接着して、写真中央の厚さ2mmと同じ形をつくります。

中央に2.5mmの穴(2.3mmくらいがいいのですが、手持ちのドリル刃がなかった)を開けたら出来上がりです。少し中心位置がずれているようですが、まあ、支障はないことにしましょう。

だいたい高さが揃いました。ただ、これでも全体に少し高いような気がします。厚さは1mmでいいかもしれません。いずれ、カプラー装着などの下回りの動き方を見ながら、再度、スペーサーを調整することにします。また、横から白いスペーサーが見えるので、いずれ塗装します。

そろそろ、走行チェックをしてみようと、動力車にモーターを取り付けました。このモーターは手持ち(レール・カーから外したもの)で大き過ぎるかもしれませんが、8両編成を走らせる体力があるかもしれないという期待がありました。駆動方法はエンドウのMPギアを使っています。

床板が傷だらけですねえ。穴はモーターや床下ウェイトを取り付けるものと、無駄に開けたものとが並んでいます。
DCCデコーダーはESUのLokPilot(サウンドなし)を取り付けます。

とりあえず、デコーダーに線路からの電源入力と、モーターへの出力だけを配線して、絶縁用にデコーダーをビニール袋に入れて車体を被せます。

初の動力車試運転です。モーター車は中間動力車の予定なのですが、車体は梅田向き先頭車を載せてみました。動画は音が出ます。

1両での走行は悪くありません。走り出しで少しノイズが出ますが、これはMPギアの音でしょうか。いずれ調整できればすればいい、という程度です。この動力車は少し背が高いようで、スペーサーも調整が必要なようです。

そろそろ、気分としては、初めての塗装の準備をしたいのですが、以前から気になっていたテストをやらなくてはなりません。本当に、1個のモーター動力車で8両の真鍮車輌を走らせることができるのか、という問題です。

聞くところによれば、真鍮車輌の場合は4両に1両は動力が必要だそうですね。実際、手持ちの古いカツミ製の20系寝台車(ブリキ製)を6両以上連結させると機関車が空転していました。その対策のために、最後尾になるカニ21に「影武者」としてモーターを組み込んでいます。

テストのために、床板に台車を付けて、8両すべてをレイアウトに載せてみました。冷房装置も載せてみたので、これ以上の車両重量増加は窓枠と内装のプラ座席くらいでしょうか。

動力車は写真の一番前で、一つだけ試しにカプラーを付けています。他の車輌にはどれもカプラーを付けていないので、動力車で最後尾から押していくだけになります。一部、車体同士がくっつきますが、細かい金属パーツは壊れないでしょうし、カーブの半径が大きいので、脱線はしないでしょう、という楽観的な見込みです。なお、下回りと車体との組み合わせは単に置いていった順番なのでデタラメです。

スタートさせました。音が出ます。

心配は杞憂のようで、動力車のスリップもなく、スムースに走行を開始しました。当レイアウトには勾配はほとんどありません。一部、橋梁が少し高くなっている程度なので、問題なくレイアウトを1周してきました。そこで、かなり速度を上げて走らせてみました。現実時速100km以上でしょうか。先頭車両は押されて少し離れてしまっていました。カプラー無しの状態での高速走行テストは少々無謀でした。

テスト結果として、動力車1両で問題はなさそうです。使っている台車はすべて日光モデルのFS345で、6両がピボット軸(車輪の軸先が尖っている摩擦の少ないもの)で、2両がプレート軸(尖っていないもの)になっています。プレート軸を選んだのは、動力車MPギア用で、2両必要かもしれないと考えていたからでした。

走らせてみると、音も含めて、列車が走行する全体の雰囲気がやはり楽しいですね。技術がないのに細部にこだわるよりも、確実な走行を目指すのが一番と感じました。また、20系寝台車の車軸を整備すれば、影武者動力が不要になるのではと期待してしまいます。

これで一安心で、塗装作業の準備に進むことができそうだ、と思ったら、幌や下回りのジャンパー栓の取り付けなどがまだでした。細部にこだわっているような未練もあるわけです。

以上、9月18日までの作業でした。

(続く)