阪急2800系 10 内装

電装作業その他でけっこう車体を痛めたので、一部にタッチアップ塗装をして、全体に再度クリアを吹き付けておきました。近くで見るとタッチアップ箇所などの不体裁がわかりますが、近くで見ないようにします。

クリア塗装をしていると、最近、塗装ブースの手前への吹き戻しが強くなってきました。そろそろ掃除をする時期かと思い、3月に入って春の陽気になった日に、すべてを分解してみました。

シロッコファンには塗料粉が1mm近い層になっていて、フィルターはかなり目詰まりしていました。これだけ無駄な塗料を使っていたわけですね。これまで塗装面を正面にして水平方向に吹くことが多く、塗料がそのままフィルターに飛んでいくようです。塗装面のほうを水平にして、上から吹くほうがいいのでしょうね。でも、エアブラシの塗料カップから塗料がこぼれるのではないかと思って、どうしても水平に吹いてしまいます。

塗料粉を大きなビニール袋にブラシで払い落として、フィルターを水洗いし、シロッコファンもきれいにしました。

陰干ししたフィルターを戻して、すべてをネジ止めすれば終了です。

さて、内装(室内の壁と天井)を取り付けていくことにしたのですが、準備していた内装の色味が気に入らない気分が続いていました。すでに透明プラ板の窓ガラスも貼っていたのですが、思い切って作り直すことにしました。

今回は調色塗料によるエアブラシ塗装ではなく、阪急の古い内装写真を参考にしながらグラフィック・ソフトで作成し、少し木目のようなスジを入れて、インクジェット・プリンターで印刷しました。写真で、上に載せているのが以前に作っていた壁紙です。かなりの違いになりました。今回のものは黄土色と言って良さそうです。フォト用紙なので光沢が出ました。

内装壁すべてを作り直すので、A4サイズで5枚必要で、クラフトロボで必要なパーツを切り取りました。左が以前の内装、右が今回のものです。

今回の切り取りで、これまで愛用していたフォト印刷用紙(厚さ0.23mm)が途中で在庫切れになりました。別の用紙(厚さ0.26mm)を使ったら、1回ではまったく切れず、3回の連続カットの後にカッターを使って何とか切り離すことができました。これがそのときのDXF図面です。

A4にびっしり入れたので、1回のカットに30分、最後のナイフでの切り離しを入れて2時間ほどかかりました。この用紙は写真印刷には良さそうですが、こういう使い方には丈夫すぎました。愛用していた用紙はもう販売されていないので、クラフトロボに適した用紙を探さないといけません。

壁紙変更で1週間以上の回り道になりましたが、テストとして、中間車2891に壁紙を取り付けてみます。印刷していない(白い)面に透明プラ板を接着して、ドライバー・ビットにマスキングテープを貼った簡易重しで押さえています。

最初に扉を接着剤で固定します。

側面パネルを上で固定するために小さな紙を貼り付けました。これは天井版(白プラ板)を取り付けるときに、ずれないためです。

側面の壁はこんな雰囲気になりました。気分がすっきりしました。

妻面の接着は一方は接着剤ですが、もう一方は配線ケーブルがあるので、少し浮かすために両面テープを使いました。

中間車は簡単ですが、先頭車両には手間がかかりそうです。次は先頭車両のテストと思ったら、2851の側面種別表示がちょっと変な感じに見えたので、ライトで確認してみたら逆に貼っていました。急いで他の車両もチェックしたら、不良はこの車両だけでした。

内装を取り付ける前だったし、貼り付けが瞬間接着剤だったので、簡単に変更できました。

ちょっと擦り傷が付いているみたいなので、クリアを塗っておきました。壁紙貼りのテストはやめて、1両ずつ様子を確認しながら作業して、完成させていくことにします。

壁紙の次は椅子の準備です。以前に作ったクロスシートをあらためてチェックすると、成形の悪いところが多いので、いろいろと組み替えが必要でした。グチャグチャの作業机の上です。

車内両端のロングシートを用意します。

ロングシートは16mm(先頭車の運転室後ろ)と24mm(その他)にしました。

ロングシートとクロスシートをオリーブグリーンで塗装しましたが、なんか、こういう色は軍隊車両用みたいで、モケットらしさは出ないものですね。もう少し明るい色が良かったかもしれません。

ロングシートは切っただけではさみしいので、片方に洋白線(0.5mm)で手すりと裾板を接着してみました。けっこうたくさん(32個)あって手間ですが、気分の問題です。

さて、クロスシートでは気になるのが肘掛けです。2800系の肘掛けは四角いパイプの上に肘当てが載っているだけですが、このシートは側面がカバーされています。6300系みたいです。だからと言って、ここを切り取ってパイプと肘当てを取り付けるのは数が多すぎて大変です。そこで、少しだけでも雰囲気を出そうと、肘掛けの側面に穴を開けてみました。

結果は思うような単純な形にはなりませんでした。これも最初から型取りをしておけばよかったのですが、思いつき倒れです。ヘッドレストと肘掛けには白を筆で手塗りしました。

稚拙な仕上げとなりましたが、シートはすべて準備できました。

少し歪んでいるのもありますが、床に両面テープで接着すれば何とかなるでしょう、と思いつつ、壁紙を入れた2891に座席を取り付けてみました。

これで2891は完成かと思いつつ、よく見ると、車内の照明と壁紙はOKの範囲ですが、車内の床をそれなりに作らないと、ケーブルなどが丸見えでした。座席の拙さは仕方がないとあきらめますが、床面には床覆いを作ることにします。ということで、また作業が増えました。これから先は1両ずつ、内装を組み込んでいく、本当の仕上げ作業になります。

こういう作業をしている最中に、メインのコンピュータ(Windows 7)の不調が始まり、いろいろと調べる時間が必要となって、こちらの作業が捗りません。結局は新たなメインのコンピュータ(Windows 10)をフルカスタマイズで注文することになりました。CPUからメモリー、電源、ケースまで、メーカーと型番の評価を探しつつ、個別に決めていくのは手間ではありますが、なかなか面白いものですね。

もう桜が咲き始めました。この時期には完成と思っていましたが、内装の準備に予想以上に時間がかかりました。

(続く)