2017年になりました。1月20日からクラフトパークの新学期が始まりましたが、次のプロジェクトを考えながらも、何も決めていませんでした。
20日と28日は、とりあえず以前に作ったスプーンなどの修理で過ごしつつ、金属工芸品の写真集やネットを眺めていたら、いくつか、興味を覚えた作品がありました。
その一つが犬のランプです。
これは、フランスのディドロ(Disderot)というデザイン照明の会社が1950年代に販売していたランプで、Jean Boris Lacroixというデザイナーの作品だそうです。今は販売されていません。
素材は金属(薄い鉄板?)に塗装をしているようです。この写真を見た途端に、これは作ってみたいと思いました。自分の拙い技能レベルでも可能な範囲という意味でもあります。
オリジナルはテリアっぽく見えるので、そのままコピーする気はなく、我が家の愛犬たち(パスカルSr.、ショパン、現在のパスカルJr.)をモチーフに取り入れようと決めました。つまり、3つ作るという目論見です。
素材は、犬種は違いますが、パスカルSr(シニア:ゴールデン・リトリーバー)とパスカルJr(ジュニア:スタンダード・プードル)とは同系色なので、真鍮とします。ショパンはスタンダード・プードルですが、黒からグレー(シルバー)になったので、銅を硫黄で黒っぽくするという計画を立てました。
まずは、平面に展開してみた図をコンピュータでいろいろ作ってみて、印刷し、いくつか画用紙で組み立ててみました。一つを床に置いてサイズを測る写真を撮ろうとしたら、パスカルがやって来ました。
こうやって眺めてみると、オリジナルのデザインは秀逸で、とてもキュートにできていることに感心します。カラーリングも素敵です。他の色のものも作られていたようですが、白黒の配色がベストと感じました。
パスカル風に作った紙のモデルは可愛さが足りません。白紙のままということもありますが、胴と頭のサイズのバランス、耳の形、頭の長さ、頭の向き、目の位置などがポイントだろうと思います。しばらく改良を続けました。
オリジナルの照明は昔風の小型電球を使っていて、お尻から電源ケーブルが伸びています。スイッチはケーブルの途中にある中間スイッチとなっているようです。
作るのは電池でLED照明にします。オリジナルのサイズは頭の先から尾の先までで30cmくらいのようですが、このサイズは少し大きいので、一回り小ぶりにします。机の上とかに置いて邪魔にならないサイズです。
と言っても、どれくらいが適当なのかを決めなくてはならず、サイズの基準として、手持ちの百均LED懐中電灯を利用することを思いつきました。
懐中電灯を分解しました。手前の中央にあるLED(3個)、隣の単4電池が3個入る電池ボックス、押しバネを使います。ただ、このLEDライトは抵抗を入れずに明るくしているため、消費電力が大きすぎます。抵抗を入れる必要があります。その右のトグルスイッチは手持ちの一番小さなもので、尻尾をスイッチにする計画です。
ポイントは、胴体の中に入れる電池ボックスが外から見えないサイズです。
画用紙で作ったモデルに照明を組み込んで、点灯してみました。
裏側はこうなっています。
頭にLED、胴体に電池ボックスを収め、尻尾がスイッチです。
このモデルを使って、頭のデザインとサイズをチェックしました。
これはちょっと大きすぎました。
ここまでは全部、自宅での準備作業でした。
2月3日、クラフトパークでの作業です。
0.8mm厚の真鍮板から胴体を切り抜きます。
この胴体はパスカルJrで、胴体を少し太めにしています。
バンドソーで切り抜きました。
犬のランプの場合は、焼きなまして叩くという鍛金作業はありません。切り抜いて、ヤスリ掛けして、曲げる作業だけです。
胴体を曲げる作業ですが、最初に砂袋を敷いて、中央部を円筒で叩くという方法を教えてもらいました。
前を少し太く、後ろを細くして、左右のバランス調整です。
胴体ができあがりました。
紙のモデルにかぶせてみました。
胴体は予定通りになったようです。
2月8日、自宅での作業です。
尻尾に付けるスイッチのステイを真鍮板で作り、ハンダ付けしました。
スイッチが動くように、胴体のお尻部分に切り込みを入れてあります。
スイッチにかぶせる尻尾を作り始めました。プードルらしく、尻尾の先を球にしたいのですが、適当なものがなく、真鍮の袋ナットを削って丸くしました。
M3(3mm径)のネジの頭を切り取り、外径4mm(内径3mm)の真鍮パイプの中に入れて、反対側はトグルスイッチにはめ込むために3mm径の真鍮パイプを入れています。
ちょっと削り過ぎだったので、もう一つ作りました。
尻尾を仮止めしてみました。
マアマア見込み通り、という感じですが、ちょっと球が小さいかもしれません。