TRIX 22576 CC40100 (Étoile du Nord)

TRIX製のフランス国鉄(SNCF)の電気機関車CC40100形(車番は40105)です。TRIXの型番は22576で、DCC・SXサウンドを搭載しています。TEE(Trans-Europ-Express)50周年記念モデルの1つとして2007年に発売されたものです。

CC40100形は1964年から1970年まで製造され、1996年に引退したそうです。CCという名前のように、3軸の動力台車2つを駆動させていたフランス国鉄自慢の大型電気機関車でした。フランスからベルギー、オランダ、西ドイツを走っていたので、4カ国の電源に対応していました。そのため、パンタグラフは二対で4基もあります。

この機関車が牽引する列車(Étoile du Nord:エトワール・デュ・ノール)に乗ったのは1991年の5月でした。ちょうど日本では和名の「北斗星」(上野-札幌間の寝台特急)が走っていました。Étoile du Nordの編成をレイアウトで走らせたくて、TRIXから発売されたのを知って、客車セットと併せて購入(ドイツからの通販)しました。Étoile du Nordは昼間だけの短距離運行なので寝台車はなく、座席車(コンパートメントとコーチ)のみです。

購入したCC40100はDCC仕様ですが、今や旧式のSXサウンド搭載で、サウンドは貧弱です。DCCで制御できるのは次の通りです。音が出ます。

警笛を鳴らすとモーター音が途切れます。これがSXサウンドの限界です。でも、走行中は気になりません。

TRIXは2017年にあらためてCC40100をDCC・mfxサウンド搭載(型番22574)で再発売しています。TEE60周年のタイミングですね。TRIXが採用していたSelectrixからメルクリンのmfxにデコーダーを変更したようで、YouTubeでモデル紹介動画をチェックすると、型取りの精密さが増していて、サウンド内容が一新されているようです。この10年ほどで、HOサイズ以下の模型に使われるサウンドは大きく変貌したようです。

さて、いつものように、購入したら少しテスト走行させてから内部を覗いてみます。機関車には何も手を加えません。

灯火はすべてLEDです。

客車セットです。

2つのセットで7両、個別売りの1両を購入しましたが、号車番号から見ると、
2+3+4+5+6+7+10+電源客車(号車表示なし)
という編成になっています。

客車セットで残念なことがありました。箱には「Étoile du Nord」と印刷されているのに、車名行き先表示がすべて「Ille de France」で「パリ-ブリュッセル」になっていることです。箱詰めを間違えたのでしょうか。気がついたのは数年後に下の写真を撮った時でした。この表示を変える方法はなさそうですが、同じ客車だし、文字が小さいので拡大しないと読めませんので、Étoile du Nordとみなしておきます。

客車にはすべて室内灯を取り付けました。TRIXの専用室内灯は高いので、別のLED製品(Hufing-Tronic:ドイツ)です。今ならはるかに安いLEDテープを使うでしょうね。

最後尾の電源・客車です。ここにはスピーカーが取り付けられるようになっています。ディーゼルエンジンのサウンド用でしょうか。

電源車の尾灯にはLEDを装着しました。

すべての台車には車軸からの集電パーツを取り付けました。

こういう感じです。

カプラー(連結器)については、Kadeeに替えたり戻したり、いろいろと試しています。TRIXはメルクリンと共通のクロースカプラーを付けていて、カプラー構造が複雑すぎて、連結・開放がやりにくいのです。NEM 362のポケットを採用しているので、Kadeeのナックル式NEMカプラーに取り替えるようにしています。メルクリンのRelex カプラーは構造が単純なので、この列車もすべて交換するかもしれません。でも、ナックル式に慣れると、手による連結・開放がとても楽なので、悩むところです。

3種類のNEMポケット用カプラーです。左端が今回のセットに使われているタイプ、中央が簡単なループタイプのRelex、右端はKadeeのナックル式カプラー18番(medium)です。客車の幌を太いほうに変更するとどのカプラーでも連結がむずかしく、Kadeeの19番を選ぶ必要が出る場合があります。

8輌の客車を牽引している動画です。音が出ます。

別角度からの映像です。

Étoile du Nordは1924年に走り始め、1957年から1984年まではTEE(Trans Europ Express)として運用されていました。この機関車を初めて見た記憶はアラン・ロブ=グリエの映画で、タイトルがそのままの「ヨーロッパ横断特急 (Trans-Europ-Express)」(1966年)でした。機関車はロングショットで映っていたわけではありませんが、こういうデザインの機関車があるのかと、ちょっとした驚きでした。

その後に、前面の逆傾斜が特徴的なこの機関車はPaul Arzens(ポール・アルザン)がデザインしたと知りました。ポール・アルザンはアメリカに移ったレイモンド・ローウィと同世代の工業デザイナーで、鯨や卵をイメージした自動車など、とても興味深いデザインをしていました。この前面デザインはCC6500、BB7200などに引き継がれ、BB 7200の系統はオランダで1600形~1800形として使われていました。

オランダでよく見かけた1600形です。

ヨーロッパの鉄道に乗ることができたのは1991年以降で、もうTEEではなく、EC(EuroCity)という区分名になっていました。ECとなる前に一時期IC(InterCity)に格下げされていたようです。

1991年に買ったCook時刻表6月号の表紙です。

この時期のEC(82と87)にはÉtoile du Nordという名前が使われていました。パリ北駅とアムステルダム駅区間の時刻表で、上の段にパリ行き、下の段にアムステルダム行きを一段ずつ合成しました。下の脚注に、アムステルダム-パリ間のA(EC82)とN(EC87)がÉtoile du Nordとなっています。その他にも、TEEだったIlle de France(ブリュッセルからパリ)などが記されています。初めて乗ったのはブリュッセルからパリまでのEC82で、パリからの帰りはアムステルダムまでEC87に乗りました。

乗った列車の外観写真はありませんが、パリからのEC87のコンパートメントで一緒になったモンペリエのおじさんとブリュッセルまでずっとおしゃべり(英語で話してくれました)をしていたことを思い出します。遊びにおいでと住所メモをいただきましたが、機会はありませんでした。お元気でしょうか。30年も前なので、顔を出させてもらっていいでしょうね。赤いシートが印象的でした。

オランダ滞在中にもう一往復しましたが、その後、1996年以降は列車名のないタリスが走るようになりました。オランダの友人から、アムステルダム-パリ間はタリスになってほんの少しだけ乗車時間は短くなったものの、料金は2倍以上になった、という文句を聞いたことがあります。

扇形庫 3 (完成)

2016年7月10日

屋根を塗装しました。

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壁も塗装して、仮置きしてみました。

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正面です。

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この段階でBig Boyの出入りチェックをしてみたら、まだ少し柱に引っかかりましたので、さらに柱を細くしました。扇形庫の奥行きは十分に余裕があるので、出入口の位置をもう数センチ後ろにしておけばよかったのですが、後の祭です。まあ、ギリギリで入りますので、OKとします。

屋根を取り外すことができるようにしましたが、メンテナンスの時は全体を持ち上げて移動すればいいので、上の持ち手が無意味だとわかりました。なので、持ち手を外して、屋根のアクセントに、桧の丸棒とベニヤを穴あけパンチで抜いた円板で簡単に煙突を作りました。パンチで屋根に穴を開けて、煙突を突き刺すだけです。

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天窓の切り口がきれいではなかったので、2mmの角棒を取り付けていきました。

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内側をグレーに、窓周り(窓枠)と出入口をグリーンに塗装しました。
側面の窓はマスキングテープを使って塗り、窓枠らしくしたつもりです。

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出入口は厚紙なので、補強のためもあって、3回以上重ね塗りしました。

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塗装を終え、すべての窓に0.5mm厚の透明アクリル板をエポキシ系接着剤で内側から貼っていきます。このアクリル板はNとHOのレイアウト外周に落下防止用として取り付けていたものです。NもHOも外周を手直ししたので、取り外して余っていたものを利用しました。
側面の壁で窓が折れている箇所は、アクリル板をコテで熱して曲げました。

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天窓にも裏からアクリル板を接着し、接着剤が固まるまで、いろんなもので押さえているところです。

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車止めとして、スポンジゴムを貼り付けて、カプラーがぶつかってもいいようにしました。

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屋根に煙突をはめ込んで、屋根をかぶせたら完成です。煙突も途中までグリーンにしました。

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TrixのBig Boyが入庫します。

とりあえず、これまで出しっ放しにしていた5両を入れました。左から、Bachmann(バックマン)のDDA40X、Broadway LimitedのT1、天賞堂製を改造したC62、KeyのBig Boy、TrixのBig Boyです。
扇形庫内の線路はすべてDCC常時通電にしています。

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入庫している状態を上から眺めてみます。

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屋根を置いた全景です。

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扇形庫の内部を窓から写してみました。

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もう1枚、1/87のBig Boy(左)とT1(右)に挟まれた1/80のC62がとても小さいですね。

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これで扇形庫は完成です。
いつものように、機能本位の簡易工作でしたが、工期は2ヶ月になりました。
でも完工検査は合格とします。全体を簡単に取り外せますし、安心して機関車を入れておけます。

レイアウト整備はまだまだ続きます。