Samhongsa UP 4-8-8-4 Big Boy

2008年11月、韓国サムホンサ(Samhongsa=三弘社:米国でKey Importsブランドの販売)製のUP(Union Pacific鉄道) 4000 (4-8-8-4 Big Boy)が手に入りました。1985年頃の製品で、ウェザリング塗装となっています。

Big Boyというのは世界最大クラスの蒸気機関車で、1941年から、(日本との戦争に備えて)長大編成の貨物列車で膨大な資材や兵器を西海岸に運ぶために作られたと言われています。

テンダー(後部の炭水車)を含めた全長は40.5m、運転装備重量が540トン、3,300トンの貨物牽引能力がある巨大機関車です。同時期(1943年)に作られた日本最大の貨物用蒸気機関車D52は全長21m、装備重量137トンで貨物牽引は1,200トンですから、標準軌で2両を合体させたら、重さが4倍になって、牽引能力が3倍になったという感じです。D52の3重連とほぼ同じですね。

アメリカでBig Boyの保存展示を見る機会はなかった(近くまで行ったのに!)のですが、子供の頃から憧れの機関車の一つでした。現在、ワイオミング州シャイアンでは、Big Boy 4014のレストレーション(復元作業)が進んでいるようです。

サムホンサ得意のコースティング・ドライブ・ギヤとなっていますので、線路に載せて手で押すと、軽く動くのが気持ちのいい感触です。
けっこう細かな造りなので、車側灯あたりを点灯させようとは思いません。

早速、DCC化に進みました。すべて分解していきます。

モーター周りには古い回路が置かれています。

配線はすべて外します。定評のあった日本製CANONモーターで、なかなか丈夫そうです。もちろん、使います。

モーター周りがすっきりしました。

テンダーも分解しました。5軸台車の上の床に、すでにスピーカー用の穴が開いています。サウンド機構を予定していたのでしょうか。

テンダー内部にも少し回路がありますが、気にしないで、すべて外しました。

ESUのLoksound3.5とスピーカーを取り付けます。LoksoundはPCM製のギャロッピング・グースから取り外したもので、マザーボードに載っています。スピーカーはバスレフ式です。

テンダー内部にスピーカーとLoksoundを搭載する位置決めをしています。バスレフ式のスピーカーなので、穴よりも少し浮かせて取り付けます。

音の抜けを良くするために、テンダー床の穴を少し増やしました。この部分の台車は固定されていて、ネジで外すことができます。

照明はすべてLEDに交換します。
前照灯は少し手間がかかりました。

尾灯です。

どちらも白いですね。電球色がなかったからかもしれません。

こんなところにも加えました。

これは運転室にある投炭口が開いていたので、赤く塗って、フリッカー点灯(Firebox点灯)させるためです。あんまり面白い効果ではありませんでした。

テンダーと本体との配線コネクターです。

機能チェックが終わったので、黒く塗装しました。

テンダーの石炭庫が空っぽなのはさみしいので、石炭を搭載します。

プラ板で上げ底を作りました。

プラの石炭を入れて、接着剤で固めます。

以上でDCC化の完了です。

当時の写真撮影日を眺めると、土日だけで2カ月ほどの作業期間でした。駆動系がしっかりしていると、手間のかかる工作もなく、DCC化は楽な作業です。

大阪に移ってから、HOのレイアウトに転車台と扇形庫を組み入れたので、その部分をブースターで給電することになり、転車台へのアプローチにギャップ(線路の切断)を入れました。すると、そのギャップで集電できずに停まるようになりました。

無電状態になるのは、線路の左右からの集電が機関車本体(右のレール)とテンダー(左のレール)で分かれて、離れているためです。そこで、テンダーの台車から、機関車本体と同じ右のレールからも集電するように部材を取り付けました。

テンダーの裏側です。右が機関車側で、車輪の一方(進行方向の右側)は絶縁されています。絶縁されている車輪の外側部分に集電材を取り付けます。

プラバンでベースを作り、接触ピンを接着剤で貼り付けました。ピンはまだ長いままで、取り付けてから切ります。

ネジ止めして、配線は機関車側から来ている電源ケーブルと結んで、デコーダに入れます。台車内の配線は車軸と干渉しないように整えました。

そして、大阪でも調子よく、元気に走っています。音が出ます。

 

真鍮の小箱

暮れから正月まで、クラフトパークは休みなので、自宅で製作できる小物をと考え、0.7mm厚の真鍮(しんちゅう)板をおおまかに切ってもらい、持ち帰りました。
これくらいの厚さであれば、自宅にある裁断機と半田付けで組み立てが可能です。

目的は、楊枝入れです。こんなパックのふたをはずして、容器ごとすっぽり収まるサイズで、縦横高さともに約6cmです。

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作る順番は、
1.底を除いた外箱を半田付けで組み立て、ふたの部分を糸のこで切り取る。
2.底を取り付けてから、ふたと本体を真鍮丁番で取り付ける。いずれも半田付けです。
3.本体の内側に合わせた板をはめこむ。これは半田付けをしていません。
4.あとは根気よく、やすりとペーパーで磨くだけです。

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ちょっと磨きが足りませんね。

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ぴったりサイズで、適度な重さで、片手で使えるので、なかなか重宝しています。角に当たると痛そうだと思っていましたが、これまでのところ、当たったことはありません。

これは真鍮の鉄道模型を作るよりも簡単です。ただ、このような小物を「冬休みの友」の課題として作ろうという気になったことが金工教室の成果でしょうね。