太陽の塔と民博

5月29日、48年ぶりに万博会場(万博記念公園)に行ってきました。

今年になって太陽の塔の内部公開が始まりましたが、1ヶ月くらい経って予約サイトを眺めてみたら、もう4ヶ月先まで満杯でした。来年あたりだったら行けるかな、という気持ちでした。ところが、5月に入ってからのTVニュースで、予約者が当日に現れない率が20%にもなることがあるという報道がありました。予約もキャンセルも無料だからだそうです。そういうニュースが出ると、ちゃんとキャンセル手続きをする人が多くなっているかもしれないと思い、ニュースの数日後(5月6日)に予約サイトを眺めたら、2週間ほど先からポツポツと空きが出ていました。

予約サイトでの確認は少々手間でした。カレンダーに空きを示す「○」が出るのですが、○を押してから予約手続きを始めないと、その空きが何時かがわかりません。今回はラッキーにも都合のよい午後3時でした。

この記事を書いている5月31日に眺めた予約サイト画面です。かなりの空きが出ていますので、平日なら行きたい直前にチェックするのでよさそうですが、時間帯はわかりません。なお、予約手続きの前にメールアドレスや電話番号などを登録する必要があります。

せっかく万博記念公園に行くのだから、予約時間の3時まで、以前から行きたかった民族学博物館を訪れることにして、昼頃にモノレールに乗りました。鳥飼基地はやはり写真を撮りたくなります。

万博記念公園駅で降りると、駅構内に面白いオブジェが置かれていました。

丸太を束にして球形に加工してあります。説明板には「大阪モノレール美術館」と書かれ、大阪トリエンナーレ1998 グランプリ受賞作品(作者は韓国の李 在孝)とあります。ガンバ大阪のスタジアムがある場所柄、サッカーボールかなと思いましたが、「無題」となっていました。

構内の端にも置かれていました。

こちらは細い丸太を組み合わせて球体に切り取っています。興味深く眺めていたら、ツバメが飛んできて、ガンバ大阪2018シーズンスローガン『奪還』へのファンの寄せ書きの上に2羽とまりました。

この駅の構内は広くて、ツバメが飛び回っています。改札を出るときに駅員さんに聞いたら、放っておくと巣を作るんですよ、と笑いながらも困り顔でした。楽しい風景ですが、乗降客への落とし物があると困るんでしょうね。むずかしいところです。

さて、万博記念公園の入口まで駅から10分くらい歩きました。蒸し暑くなってきています。48年前に来たときも同じ時期で同じような暑さの記憶があります。当時のアクセスは地下鉄御堂筋線の延長(北大阪急行)で「万国博中央口駅」でした。大阪モノレールは1990年の開通ですが、別のモノレールが会場内輸送として走っていました。

万博の時は樹木がほとんどなかった記憶ですが、今は森になっていて、太陽の塔は森より高く聳えています。でもこの景色はモノレールから何度も見ています。

しかし、近くで眺めると、周りには木がないので、地面からそそり立っています。地上高70mだそうで、大きいと言うより巨大ですね。

48年前に見たときはトラス構造の巨大な屋根が周りにあったので、野原に立っている姿は初めて見ました。いろんな角度から写真を撮りながら、3時までの2時間ほどを過ごす民族学博物館に向かいました。塔の後ろは大きな広場になっていて、その端に当時のトラス屋根の一部が置かれていました。

太陽の塔から10分ほど歩いて、国立民族学博物館に到着です。

万博当時の収集資料品の特別展示が今日まででした。まずは1階のレストランでカレーのランチをとって、2階の本館展示場に向かいました。とても膨大なコレクションですね。撮った写真は多かったのですが、ここでは2点だけ。

入口の手前にいくつか「対比あるいは類似」の展示がありました。「ガーナのエビ形の棺桶」と「オーストラリアの筒状の骨箱」です。

オーストラリアの木彫「ディンゴの一家」。これは1991年のリン・オナスの作品です。

1時間半歩いて1/3くらいしか観ることができませんでした。常設展はここまでで、続きは次回以降として、今日までの特別展を覗いておきます。70年万博のために収集された資料品の展示です。ここも素通りに近い観覧で20分ほどかかりました。

午後2時40分に太陽の塔の裏側に戻ってきました。とても蒸し暑くなっていました。樹木は多いものの、歩くところには日蔭が全くありません。

すでに3時からの入場者受付は始まっており、QRコードを示して入場券とパンフレットをもらって入りました。

ここから先は撮影禁止です。フラッシュ禁止くらいでいいのにと思いますが、立ち止まらないようにしているのでしょうか。

地下から始まって、16人単位でゆっくり階段を上っていきました。昔はエスカレーターを行列で上りましたね。耐震の観点からエスカレーターは取り外されたそうです。内部の記憶は進化の木と恐竜くらいです。再製作や補修された展示物が多いようですが、恐竜などはそのままでした。

万博当時の出口は右腕の先から大屋根に移る方法でした。今は腕の出口は封鎖されていますが、腕の内部がパイプのトラス構造で曲面がきれいに作られている様子がよくわかりました。

現在の出口は別の閉鎖階段で11階から地下まで降りていきます。ここから先は撮影禁止ではありません。写真を撮ったのは10階に降りた時からです。こんな写真でも、一応は太陽の塔の内部写真です。

8階からは回っていく廊下に展示がありました。最初は岡本太郎の言葉です。ライトが強すぎて上の文字が写りませんでした。爆発ではなく呪術だそうです。

7階には製作時の記録写真がありました。

6階は展示の説明です。

5階は今回の公開に至るまでの工事の説明です。

入口の横の出口に出たのは3時半少し前でした。30分足らずで短かったと言えるでしょうが、内部展示品は今となっては上野の国立科学博物館と比較にならないようなものですから、時間はそんなものですね。

お土産は海洋堂の1/350の太陽の塔です。海洋堂は近所だし、通販でも売っている製品ですが、前から欲しかったので、太陽の塔再訪記念にしました。

いずれ、目にLEDを入れる加工をするかもしれません。

モノレール駅までの帰り道は暑く、駅に着いた時には熱中症のような感じ(なった記憶はありませんが)でした。次回は涼しい時期にクルマで来るのが良さそうです。