吉野の桜

4月12日、初めて吉野の桜を観に行きました。

朝の淀川散歩は雨が続いたので、3日ぶりです。

曇っていますが、午後からは晴れるという予報になっています。
今年初めてツバメが飛んでいるのを見ました。一羽だけです。

散歩から戻ってくると、近くのソメイヨシノが散り始めです。

この派手な明るさとは違った山桜を眺めるのが楽しみです。札幌でもソメイヨシノが多くなり、エゾヤマザクラを見かけるのは少なくなった気がします。

近鉄阿部野橋駅に吉野行き特急が入ってきました。古い車両の2両編成です。

往復ともに10日ほど前に特急の指定券を予約しましたが、行きは急行でもかまわないようで、帰りが大変だと聞いていました。確かに、帰りの座席はわずかになっていました。

この特急が通る近鉄南大阪線、吉野線などは狭軌ですし、途中から単線になるので、南海高野線を思わせる雰囲気です。でも、吉野川に沿っていて、高野線のように上り勾配がきついわけではありません。
1時間16分の乗車で終点・吉野駅に到着です。駅の向こうに下千本が見えています。

駅前でも人が多く、上のほうの賑わいを予感させました。

ケーブル(ロープウェイ)もバスも長い行列でしたが、バスはどんどん来るので、バスで中千本まで上がることにしました。

バスを降りて、中千本から上千本に行くあたりに「猿引坂」という場所があります。このあたりから桜の全体がよく見えました。

その近くに客の少ない古い茶店があったので、そこでお弁当を買って、桜を眺めながらの昼食です。ちょっと寒いくらいだったので、セルフサービスの熱いお茶があって助かりました。ここは中千本の終点あたりなので、人の往来は少しマシです。茶店の主人から、上千本、奥千本には雪が残っていると聞きました。

昼食後は、中千本から下千本に至る狭いメインストリートを歩きます。店が並び、人が多く、途中まではクルマも多く通る道です。大阪市内の商店街なみの賑わいです。

竹林院と勝手神社を訪ねてから、吉水神社に向かいます。
途中で大きな山桜を近くで観察することができました。吉野の桜の多くはシロヤマザクラだそうですが、花芽よりも葉芽が(同時か先に)開くので、ソメイヨシノのように花ばかりという派手さはありませんが、上品な風情を感じます。吉野には古くから山桜が多かったそうですが、江戸期以降にかなりの数が寄進植樹されたそうです。全体で3万本ほどにもなり、数百年の古木もあるようです。

こういう花と葉の状態の桜が集まると、桜色が複雑な色合いに見えるのですね。

メインストリートから少し降りた吉水神社境内の絶景ポイント「一目千本」です。さすがに撮影スポットで人の壁がなくなりません。

確かに、なかなかの景色です。まだ晴れ間は一部です。

その後、金峯山寺から、後醍醐天皇が吉野に入った行宮(あんぐう)の跡地、吉野朝宮跡(妙法殿)に寄りました。

どうして吉野という山奥が選ばれたかの子細は知りませんが、むしろここは山奥ではなく、この先にある大峰山、さらには熊野との往来という神秘な山々への「入口」だったのでしょうね。

最後は吉野駅まで下千本に囲まれた道を降りていきました。その途中でウグイスが鳴いていました。普通鳴きでした。音が出ます。

帰りの特急はピンクのラインが入った「さくらライナー」4両編成です。

反りが入ったような先頭のデザインはドイツで走っていたルフトハンザ・エアポートエクスプレスの窓を大きくしたみたいで、中間車両は同じくドイツのICEの雰囲気です。鉄骨組のアーチの中に停車していると、ヨーロッパの駅のようです。

往復とも、特急の座席の見た目はいいのですが、座り心地は有料特急のわりには、ちょっと?ですね。特急料金不要の京阪特急、阪急京都線特急に負けているかな?

それなりに吉野の桜に満足して、帰りの車中は疲れて、半分は寝ていました。
阿部野橋駅横のパン屋に寄って、帰宅後のワインがおいしく飲めました。パスカルは香りだけ。

今日の歩数計は1万7千歩になっていました。