平等院鳳凰堂

大阪に戻った2012年に宇治の平等院鳳凰堂(阿弥陀堂)の大規模修復が始まり、一昨年(2014年)の今頃、修復が終わったと知りました。昼過ぎに、季節感からでしょうか、思い出して、頼まれ仕事が一息つけたこともあって、平等院を訪ねることにしました。

国道1号線の流れで走って、1時間ちょっとのドライブでした。駐車場は至る所にあり、平日だからでしょうか、「空」の表示ばかりで、どこも1回700円という均一相場です。修復直後とは違って、落ち着いたのでしょう。どこが便利かわからないので、広い駐車場を選んだら、場所が平等院の裏側だったので、南門から入りました。拝観料は600円でした。

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鳳凰堂の後ろ側が見えてきました。なぜか、なんか小さいな、というのが第一印象でした。小学生の頃に遠足で来て以来で、その後は10円玉で見ていただけですから、サイズ感がありませんでした。

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阿字池を回って、前の方にやってきました。午後は薄雲がかかり、しかも午後3時前なので逆光になりました。

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正面です。見慣れたような、見慣れていないような姿です。創建当時と同じ「丹土」で仕上げたそうで、渋い丹色です。

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鳳凰堂の内部拝観は別料金(300円)で、30分単位の時間指定制になっています。並んでいるのは15:00の人たちです。

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拝観券は15:30となりました。まあ、すいているのでしょうね。

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鳳凰堂の内部は写真撮影禁止でしたが、小さなデジカメで撮影できるようなものでもなく、眺めるだけで十分でした。内部は阿弥陀如来坐像を含めて、現状維持修理ということで、千年近く経った状態のままでした。若い女性が二人、板の状態を調べていました。修理作業は続いているようです。
鳳凰堂から阿字池を撮影しました。昔は正面あたりに宇治川が眺められたのでしょうか。

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屋根上には「鳳凰」も「宝珠」も金色に輝いています。
中堂の上に置かれた鳳凰の下の鬼瓦に「平成廿五年 修補」と刻まれています。

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左右の翼廊楼閣の上に置かれた宝珠です。

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あらためて、阿字池の向こう正面から阿弥陀如来坐像が見えるところをアップで写してみました。ネットで見る修復前の写真と比べてみると、正面扉の内側が江戸期に取り替えられたまま、というのがよくわかります。扉が閉まると、外側全体が新しい丹土の色で覆われていて、また別の統一的な雰囲気を感じるのでしょうね。

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南門横にあるミュージアム鳳翔館に寄りましたが、ここも撮影禁止です。日本の美術館は撮影禁止が多いですね。初代の鳳凰など、興味深い展示があったので残念でした。初代の鳳凰は、頭、胴と翼、尾、脚が鋳金パーツとなった組み立てで、風切羽や尾羽の板金部分が丸いリベットで固定されていました。現代と変わらない技法のようです。現在の鳳凰も同じ造りで複製しているのでしょう。

表門から出たのは4時を過ぎていました。濃茶アイスクリームを食べながら、宇治川横の遊歩道を歩きました。源氏物語(誰かの現代語訳)を読んだ記憶はありますが、宇治十帖の情景を思い出せるほどの記憶力はありません。でも、嵐山と似た風情で、中世貴族が別荘地として選ぶ雰囲気です。
遊歩道の途中に鳳凰堂の見えるスポットがありました。「桃李もの言わざれども、下自ずから蹊を成す」の通り、そのあたりの地面は草が消えて土が見えています。斜面ですから滑り落ちそうでした。そこからの写真です。宇治川散歩だけでも、鳳凰堂が見えると気分はいいものです。

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このあたりの宇治川は二分されていて、半分は堰で淀みを造り、船が浮かんでいます。

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ここでは、日本国内初の人工孵化となったウミウの「ウッティ」が仕事をしている鵜飼いが有名ですが、季節が違うことでもあり、閑散としていました。遊覧船はやっていたのかもしれません。

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お土産です。表門の参道で、茶だんごで有名な「稲房安兼(いなふさやすかね)」で買いました。

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なかなか上品な味わいでした。
桜もちと草もちを載せている皿は錫の鍛金で、先週に教室の時間が空いたので作ったばかりです。
錫の鍛金作業は最初にやって以来ですが、一枚あたり30分ほどで簡単にできるし、実用的なので、工夫しながら、このシリーズを作っていこうかと思ってしまいました。