11月29日、ドイツから箱が届きました。
個人の発送らしく、クッションにしているのは地元新聞紙ばかりです。
中に入っているのは、箱です。
その箱に入っているのは、HOの模型機関車です。
箱の横書きです。
箱を開けました。
今はなきペンシルベニア鉄道(PRR: Pennsylvania Railroad)の蒸気機関車S1です。機関車の車輪が6-4-4-6(アメリカ式の数え方で、先輪が6個、動輪4個+動輪4個、従輪が6個)という面白い配置になっています。この配置はS1特有で、蒸気を2つのシリンダーに回して、2組の動輪を動かすduplexという機構の実験車両です。その後、PRRのduplexは改良されて、T1(4-4-4-4)などになっていきます。
外観はレイモンド・ローウィ(Raymond Loewy)がデザインした流線型で、1939年に1両だけが製造され、1945年に引退し、1949年にスクラップになりました。世界最長(44.5m)の蒸気機関車で、”The Big Engine” というニックネームで呼ばれていたそうです。旅客用の機関車でしたが、車輪配置からスリップが多く、それが理由で1両しか製造されなかったとのことです。
1930年代、PRRはレイモンド・ローウィに外観デザインを依頼して、流線型の機関車や客車を投入していました。WikipediaにはS1に乗っているローウィの写真が掲載されています。
レイモンド・ローウィのデザインは好み(著書「NEVER LEAVE WELL ENOUGH ALONE」、邦訳「口紅から機関車まで」は何度も開いています)なので、彼がすっきりさせたPRRの電気機関車GG1、デザインした蒸気機関車T1をHOゲージで持っています。
もう車両を購入するのはやめているのですが、S1だけは長年、リーズナブルな価格で買えないかと探していました。HOゲージのS1は現行の市販品がなく、中古市場に出るのはすべて20年以上前に作られた真鍮製です。今回はたまたま、オークション・サイト(eBay ドイツ)で見つけて入札したら、あっさり購入できました。
今回の購入品が安かった理由はそれなりにあります。S1のHO模型としては初期の製作製品ということです。その後に出たChallenger ImportsやKey Importsなどのブランドで売られていた韓国製品は精密さで定評がありますが、数倍の値段になっています。それに円安が始まる前でした。
中に入っている製品検査証です。
日本製です。「OLYMPIA オリンピア」という、今はなき会社の製品で、1965年に製作・検査された3号機となっています。アメリカに輸出され、Gem modelsというブランドで販売されていました。その後、ドイツに渡り、今回、半世紀ぶりに日本に里帰りとなりました。
箱から出して、点検です。
飾っておくだけのコレクションではなく、走らせて楽しむための整備・改造のポイントを探します。(もちろん、大したことはしません・できませんけど・・・)
模型としての型取りはかなり甘い感じです。50年以上前の製品としては、まあこんなもんでしょう。塗装もところどころに傷はありますが、再塗装を考えるほどではありません。
売り手の方とは、購入が決まってからメールのやりとりをして親しくなりました。かなりのご年配の個人コレクターだと判明しました。コレクションの写真を送っていただきましたが、部屋の壁の棚一杯に数十台の真鍮製機関車がきれいに並べられています。ということは、ほとんど走らせていないわけで、外観がまずまずの状態というのが納得できました。
裏の写真です。
時代を感じさせる駆動部分です。
一見して気になったのは、ヘッドライトです。丸い電球が飛び出しています。
飾っておくだけなら、時代性を示すチャームポイントと言えるかもしれませんが、ムズムズします。
これを見ると、走らせるためには、DCC化と合わせて、LEDに交換しなければ、という気分になります。
さて、どうなっていくでしょうか。







