パスカルJr 10歳!

2019年7月19日

6月20日、パスカルは10歳の誕生日を迎えました。

スタンダードプードルの寿命は12~15年と言われていますし、パスカルのおおらかな元気良さを見ていると、15歳は問題なく大丈夫とずっと思っていました。それが急変して、なんとか10歳の誕生日を迎えてくれて嬉しい、というのが今の気持ちです。

パスカルは3月末から体調不良になり、悪性リンパ腫ステージ3~4という獣医の診断で、5月から抗がん剤投与を続けています。4月頃は今年の誕生日を迎えるのは無理かもしれないと思っていましたが、抗がん剤の効果で、それなりに元気で10歳という2桁年齢になってくれました。7月現在は寛解の状態です。

誕生日の夜は特別ご馳走、牛肉のバター炒め、塩コショウなしです。

以下は闘病メモです。長くなりそうです。
以前から首輪が当たるあたりに瘤ができていたのはわかっていたのですが、パスカルは脂肪腫(良性の脂肪の塊)ができる体質なので、首下の瘤もそうだろうと思っていました。それでも、4月からは首輪をやめて、胴輪とジェントル・リーダーを二重に使っています。

4月下旬になると極度の食欲不振になりました。毎年恒例になった夏バテが1カ月以上早まったかと思いましたが、いつもの夏バテとは思えない食欲不振です。これはちょっと様子が違うと思い、4月29日という連休の始まりでしたが、野良猫たちのTNRをお願いした動物病院に連れて行きました。

瘤は首や鼠径部などに左右対称にできていて、脂肪腫ではなく、リンパ節の腫れ(リンパ腫)だと知りました。良性か悪性かの確認のため、リンパ腫の細胞を採取して検査(札幌)に出してもらいましたが、連休のため、検査結果が届くのは1週間後ということで、とりあえず、ステロイド剤や食欲増進剤などの投薬を始めました。

翌週、5月8日の再診時に、レントゲン撮影、エコー検査を受けると、脾臓にも瘤状の影がありました。そして、その夜に獣医から連絡があり、細胞診の結果が届いて、多中心型の悪性リンパ腫で、ステージ3~4であることが判明しました。治療なしでは余命1カ月くらいだろうと言われている状態です。

5月に入って、散歩はせいぜい堤防手前の公園までで、堤防から河川敷に降りることはなくなったので、毎日撮影していたトップページの淀川眺望写真の撮影はやめました。

獣医に診てもらうのが遅かったと後悔しつつ、10歳の誕生日を迎えるのは望み薄と思っていました。ただ、いろいろ調べてみると、多中心型の悪性リンパ腫の治療はリンパ腫部分を切除する外科治療ではないし、また早期発見の予後がいいとは限らないようです。完治というのはむずかしいですが、初発の場合は抗がん剤による化学的治療がかなり効果的と言われています。

5月14日から抗がん剤治療を開始してもらいました。週に1回で10回の投与計画です。静脈投与する抗がん剤の曝露防止のため、パスカルはカラーを付けて、獣医師・助手の方は手袋をしています。

パスカルにとって初めての抗がん剤投与はかなりの身体的ショックがありました。3日ほどは下痢がひどく、水の多飲と多尿が続きました。これは抗がん剤ならびに死滅細胞を排泄する素直な身体的反応なのでしょうね。獣医からはパスカルの排泄物には手を触れないようにとの注意があり、処理にはけっこう気を遣いました。

その一方で、抗がん剤を投与した翌日にはリンパ腫がすべて小さくなり、数日後には触っても腫れがわからなくなりました。すごい効果でびっくりです。右脚の付け根近くには同サイズの瘤がありますが、これは良性の脂肪腫のようで、変化はありません。

この頃、食べるのはケーキやジャーキーなどのおやつ類ばかりでした。しかも、クッキーなどはおいしい上等なものしか食べません。何かを食べさせようとすると匂いを嗅いで、プイと離れていくことが多くなり、バターはいいけどマーガリンはだめ、なんて、突然に高級なグルマン犬に変身してしまいました。

それでも、数日後には夏場の定番食である「ドライフードのミルクがけ」をおいしそうに食べるようになりました。

5月22日は2回目の抗がん剤投与の予定でしたが、血液検査で白血球がとても減少していたので、次週へ延期し、白血球増加剤を飲むことになりました。このサイクルが続き、5月29日に白血球数が回復して、2回目の抗がん剤投与、6月5日は白血球減少で延期、6月12日に白血球数回復で3回目の抗がん剤投与となりました。

6月19日、誕生日の前日には白血球数全体は少なめでしたが、好中球の数はまずまずだったので、4回目の抗がん剤投与となりました。

プードルのクリップのように両方の前脚の途中を毛刈りしています。これは抗がん剤の静脈投与のためです。右脚→左脚→右脚→左脚と交互にやってきました。

誕生日の翌週6月26日の血液検査では白血球のみならず、全体に貧血状態になっていて、抗がん剤投与はまたもや延期となりましたが、念のため、全身のエコー検査を受けたところ、脾臓にあった影もなくなっています。獣医から「ほぼ寛解ですね」と言われました。

この頃から、ステロイド剤の影響か、とても食欲旺盛になりました。5月末には20kgを切りそうになった体重もあっさり24kgに戻りました。むしろ食べ過ぎに注意していますが、まあ、何も食べてくれない状態よりも気分はずっと楽です。

そして、トコと遊びたがる態度も戻りました。トコはパスカルが不調になってからパスカルを無視して自由に振る舞っていましたが、パスカルの調子が戻ってからは困惑気味です。でも、嫌がっているわけではありません。以前に戻ったということでしょうね。

抗がん剤による副作用で、柔らかい毛がどんどん抜けました。貧血(特に白血球の減少)もそうですが、やはり、抗がん剤はがん細胞だけをターゲットにするのではなく、細胞分裂が続く骨髄や毛根細胞なども攻撃しているのだなとよくわかります。でも、抜け毛については、これから大阪は暑い夏になっていくのでちょうどいいと好意的解釈です。

今年の夏のスタイルです。

行動面の変化として、以前は散歩の方向はこちらが決めたら素直に従っていましたが、今は突然立ち止まって、動こうとしなくなることがよく起こります。歩くのがしんどいわけではなく、方向を変えるとドンドンと前を歩こうとします。どういう気持ちの変化なのかよくわかりませんが、甘えが出ているのかもしれません。

病院までのドライブは大喜びで大興奮です。通院2回目から、診察予約の電話を掛けているのを聞いた途端に興奮が始まります。クルマに乗ってから診察室に入るまで興奮が続きます。

帰りはおとなしく出発を待っています。

7月末に最後の抗がん剤投与予定で、治療はいったん終了となり、それからは様子見になります。春に急激な体調不良が起こったときはとても慌ててしまいましたが、パスカルの病状を知った今は、こちらも先行きの覚悟がそれなりにできた(つもりになっている)ので、毎日をできるだけ一緒に楽しく過ごすようにしています。