阪急2800系 5 仕上げ1

仕上げ作業の最初は列車編成の固定です。まあやはり、2800系のトップナンバー2801を組み込んだ編成にします。どういう経緯か知りませんが、冷房化後の2801は大阪向きの先頭ではなく、中央の連結部に配置されていました。モーターを積んだ動力車は2831としました。

(大阪) 2811-2881-2831-2861+2801-2891-2841-2851 (京都)

床下と車体を合わせて、大阪向きと京都向きを固定しました。方向を固定するのは、床下機器の配置と屋根上の配管が方向によって異なるからです。車番と社章を貼るのはもっと進んでからになるので、現段階では車体と床下の裏に大きくマジックで車番と方向を記入しています。この編成の状態でレイアウトに置いて、個々の不具合を調整していくことにしました。

両端の先頭車両は各方向で2両ずつありますので、塗装を終えた状態を比較して、マシなほうを選びました。編成中央に位置する先頭車輌は屋根のアンテナ穴埋め作業が必要になるため、塗装前に編成を決めておけば楽だったのですが、塗装してみないと仕上がりがわからなかったので仕方ありません。

先ずは、8両編成での走行状況を調べます。以前に連結器もなしに無謀な走行テストをやって調子が良かったのですが、カプラーとドローバー、そして幌も取り付けてからの走行テストは、そうはうまく行きませんでした。何カ所かで脱線が起こりました。主な原因は幌の干渉と屋上配管端末の接触でした。塗装前に、ドローバーや幌などを取り付けた状態で仮走行させてチェックすべきでした。反省点です。

脱線したときの状況です。

屋上配管の端末処理は簡単ですが、幌が干渉しているのは少々問題です。曲線半径1mの周回線路でも、幌の間隔はギリギリ(1mmくらい)です。

あらためて、直線区間で編成車輌の連結部分(妻面と妻面)の間隔を測ってみました。ほとんどが8mmです。この間隔は、車体と床下との取り付けネジで1~2mmくらいは調整できます。8mmを80倍すれば64cmなので、ほぼ実感的です。

しかし、当模型鉄道の曲線半径は1mほどです。これは実際のサイズでは半径80mくらいの急カーブになります。阪急伊丹線の塚口駅近くには半径60mという急カーブがあって有名ですが、阪急の本線では数百m以上でしょう。実物車輌の連結部分は幌が可動式なので、車体が大きくずれても幌が伸縮しますが、真鍮製の幌となると、そうはいきません。

最近は可動式幌が販売されているようですが、安くはないので、いずれ手作りをトライしてみたいと思っています。それはともかく、普通の解決法としては、ドローバー取り付け位置をずらして車間距離を拡げるか、幌を薄くするかのいずれかでしょうが、車両間隔を拡げたくないし、1mmほど拡げるだけでよさそうなので、向かい合う一方の幌を薄くしてみます。

真鍮製の幌パーツの厚さは2.69mmです。

連結部分の間隔が8mmですから、これでも直線区間で幌と幌の間の空白部分が3mm近くになります。その空白が少し拡がりますが、仕方がありません。

2mm厚のアルミ板を厚さ調整に挟んで、幌を万力で押しつぶしました。この万力は90度まで角度を調整できるので、こういう作業にも便利です。

調整結果です。

固定編成なので、すべての幌を薄くする必要はなさそうで、組み合わせで調整します。固定編成でヤードに出入りできるまで、車両間隔の調整を続けます。

編成中央のカプラー同士による車両(左2801+右2861)が連結する間隔が短すぎました。まだ幌は付けていませんが、渡り板が重なっています。

ここだけがカプラー連結なので、動力車による押しと牽きで車間距離が1mm以上変わります。渡り板を外すのも面倒なので、2801のカプラーをシャンクの長いものに交換してみました。これで渡り板が重なることはなくなりました。

実際の車輌ではすべての車両に渡り板があって、互いに重なって、車両間を人が通行できるのですが、これも仕方ありません。いずれ、最終走行チェックでの様子を眺めることにします。

同時に、この2両には屋根の無線アンテナが不要になりますので、アンテナ取り付け用の穴をふさぎます。2801と2861のアンテナ用の丸い穴です。

この段階ではもうハンダ付けはしないで、穴埋めブッシュを接着剤で固定しました。

穴を埋めました。

屋根上側はパテ埋めして、ペーパーで均して塗装します。ところが、パテ埋めしてから、2851と2861の車体を間違えていたことに気付きました。2851のパテ埋めを戻し、2861に穴埋めして、屋根塗装のやり直しです。こういう不注意で、倍以上の手間がかかることは多いですね。

なんとか穴埋め補修ができました。

次は照明関係です。
客室内照明にはレイアウト照明で使ったLEDテープを使うことにしました。ともかく安価(5mで210円)なので、砲弾型LEDを使う配置や明暗の差に悩む必要がなく、ふんだんに使えます。

この模型の屋根上に取り付けるクーラーがはめ込み式になっていて、出っ張りが天井から3mm下に出ます。これがなければLEDテープを中央に1列貼るだけで済みますが、その一方、この出っ張りは天井を貼るのにちょうど良さそうです。

そこで、LEDテープ(白)を2列にします。天井に0.3mmの白いプラ板を貼る予定なので、どれくらいの明るさが適当かを抵抗を変えながら調べました。照明テストに使う車体は塗装練習で酷使した、予備の中間車です。塗装はすべて落としています。

LEDテープは1両あたり40cm(LED12個×2列)、8両で3.2mとなります。ブリッジダイオードと抵抗を合わせて、1両分はせいぜい50円くらいでしょうか。気楽でいいですね。天井にLEDテープを貼って、テストのために、塗装していない予備のクーラーをクリップで留めて、両面テープを貼りました。テストなので、配線は太いものを使っています。

プラ板を貼ってみました。

カメラの露出によりますが、この程度の明るさです。あと1ユニット(LED3個ずつ)増やしてもよさそうです。黒く影になっているのはクリップとプラ板接着用の両面テープです。プラ板を実装するときはクリップを使わず、もう少し小さく切った両面テープで貼る予定です。

この段階で、以前に試作していた側面の種別表示を用意しました。OHPシートにミラーイメージで印刷して、裏向けて貼り付けます。

線路上で室内照明を点灯してみました。抵抗は1KΩくらいが適当な感じです。次の写真は台車からの集電ではなく、DCCコントローラによる直接給電です。なお、両端の先頭車両以外には照明コントロール用のデコーダーは入れません。電源が入っているレイアウト上では客室は常に点灯している状態にします。
触っていて、クリップからクーラーが1個外れました。

側面の種別表示です。うまく出ているようです。

戸閉め車側灯はパーツを入れてから内側で遮光しなければなりませんが、車内照明はこの方法で行けそうです。なお、この段階で、内装色を塗装した紙を入れてみました。ちょっとイメージが違うような気がしますが、窓枠や座席を入れたら、また違うように見えそうです。

次は窓ガラスの準備です。薄い透明プラ板を内側から貼りますが、先頭車両の前面窓については、どうしようかとずっと悩んでいました。窓枠パーツがあるのはとても楽だったのですが、パーツは1mmほどの厚みがあり、プラ板を内側に貼ると、窓ガラスがアルミサッシの奥になってしまって不自然です。側面の客席窓は中央の縦桟が実物でも窓ガラスの外にあるため、それほど不自然ではありません。

だからと言って、プラ板をサッシの内側に合わせて切り取るのはとても大変です。そこで、ひょっとしてクラフトロボで切ることはできないかと考えて、試してみました。窓枠をスキャンして、サッシ内側をDXFで出力しました。

クラフトロボの能力では、0.2mm厚の透明プラ板はスジが付くだけで、切り取りは無理でした。0.1mm厚のOHPシートを使ってみると、一部切り取られていない箇所はあるものの、おおむねOKでした。刃先を新品に替えるとすっきり切れたかもしれません。

OHPシートは一方の面に印刷インクが載るような処理がされていて、透明プラ板のような完全透明とはいきませんが、かえって実感的に思えます。

薄いシートをサッシにはめ込むのはむずかしかったですが、透明接着剤を使って、何とかなりました。先頭車両の前面窓のみですから、4両分の12枚だけの作業です。

さて、室内灯と比べてずっと面倒な照明工作が先頭車両の種別灯(通過標識灯)・尾灯と前照灯です。
先頭車両の両側にある種別・尾灯は、初期に計画したドリル・レース法で作ろうと思いつつ、はめ込み方式の金属パーツに穴を開けられないかを試してみました。写真の左下の1つです。

しかし、技術がないので、中心を出すことができません。ずれた穴をハンド・グラインダーで修正しようと削ってみましたが、少し膨張してサイズが合わなくなってしまい、あきらめました。

型取りして樹脂で作る方法もありそうですが、とりあえず元の計画通り、ドリル・レース法で作りました。

作業のために伸ばしている後ろの光ファイバー部分を切り取り、先っぽを車体内側から差し込んで、接着剤で固定する予定です。このままだと、砲弾が飛び出すような感じになりそうですが、一応、8個作りました。

前照灯は初期計画通り、真鍮製の枠パーツの前面をできるだけ薄くして、窓枠と同じ塗料で塗装しました。

この前照灯にはガラスが必要です。横から見て出っ張らないように、最初は薄いポリエステル粘着テープを使ってみたのですが、どうしても表面が波打ちます。仕方がないので、これもOHPシートを切り取って貼りました。

 

今年の工作はこれまでです。仕上げ作業はいっぱい残っていますが、あとは新年からの楽しみにします。

(続く)