夜の淀川散歩

2020年9月2日

これまで札幌時代も含めて25年間、犬と一緒に朝夕の散歩(札幌では自転車伴走も)をするのが日課でした。大阪での夏場は巣ごもりが恒例になったものの、朝晩はパスカルJrと淀川まで行っていました。

でも、その日課が無くなると夏場は極端に歩くことが少なくなりました。歩数計で言えば、昨年までは夏場でも一日6千歩以上だったのが、模型作りや自転車の整備、近所への買い物だけでは2千歩に届かないことが多くなりました。

これでは今後が困るので、とりあえず夜の散歩だけでも再開することにしました。朝早くのほうがいいでしょうが、「犬のため」という動機が無くなると起きられないからです。

とっても暑い8月に入ってからですが、気温がそれなりに落ちてくる午後10時頃(パスカルと夜の散歩に出かけた時間)、夜の散歩を始めました。歩くペースはパスカルとの散歩と同じくらい(少し早足)で、コースもパスカルとの朝の散歩と同じ淀川ですが、河川敷には降りないで、堤防の上だけを歩きます。

堤防へ続く公園から堤防上の道は外灯が無く真っ暗なので、懐中電灯(自転車用ヘッドライト)で照らしつつ、大阪市街地の灯りを遠くに眺めながら歩きます。堤防上の道の左右は草ボウボウですが、さまざまな虫の音に包まれます。

堤防上はそれなりに風が通るので少し涼しいのですが、堤防から降りると風が消え、道路の熱気が残っているので、汗がどっと出てきます。でも、昨夜(9月1日)は秋の涼しさで、今年の猛暑も終わるように感じました。

緑道の野良猫たちの様子を眺めながら帰宅すると、およそ25分で2,400歩くらいです。短時間ですが、歩かないことによるストレスは減ったようで、気分は悪くありません。パスカルが横にいない散歩に少しずつ慣れてきました。

MTBで犬の伴走

2020年6月、ママチャリ整備を始める前、隣に並べたままになっている自転車の状態が気になりました。札幌時代の1992年に買ったブリヂストンのワイルドウェスト(Wildwest)という26インチのMTB(マウンテンバイク)です。自転車カバーを外したら、錆が目立つようになっていました。

当時、MTBが流行りだして面白そうだったので、住んでいた厚別区の自転車屋さんに組んでもらいました。この自転車で地道を走るのは楽しく、時々、近所の野幌(のっぽろ)森林公園へ水芭蕉や延齢草を眺めに出かけていました。

1994年にパスカルSr(シニア:ゴールデン・リトリーバー)がやって来てから、自転車で犬と一緒に走ってみたくなりました。徒歩では運動不足になるかもしれないし、こちらも風を切りながらの散歩(散走)が楽しそうに思えました。

でも、体重36kgの犬の首輪リードを自転車につなぐのは危険だし、リードを片手に持って走るのも危険でした。そして何よりも、ジェントルでウォームなパスカルSrは自転車と走るのがあまり好きではありませんでした。

その後、中央区に移って、パスカルSrが亡くなり、ショパン(スタンダード・プードル)がやって来ました。

ショパンはクールで運動・学習能力が高いので、一緒に豊平川の河川敷サイクリングを楽しみたくなりました。河川敷までは自転車で5分の距離です。

それで、道交法違反にならないように犬を安全に伴走させる方法をいろいろ工夫していたとき、スプリンガー(Springer)をネットで見つけて、アメリカ通販で購入しました。届いた実物はなかなかしっかり作られています。自転車のサドルポストに専用クランプを取り付けて、より安全のために首輪からのロープも自転車のハンドルステムにつなぎました。いずれもバネが効果的です。

MTBはフレームがしっかりしていて、荒れ地用の太いタイヤが付いているので、こういう装備で犬の伴走をするには最適です。

2003年5月にスプリンガーを装着して、ショパンと初めて豊平川に向かいました。ショパンは最初から引っぱることもなく、自転車との幅を保って、速度に合わせて走ってくれました。スプリンガーのバネ強度に順応しているので、スプリンガーの先がまっすぐ立ったままです。

スプリンガーをつなぐために、簡単な胴輪にパッドをとりつけたハーネスを手作りしました。色の組み合わせはひどいですが、脚の長いショパンには何でも似合います。

ショパンは声かけによる走行方向の指示(まっすぐ、右だよ、左だよ、ゆっくり、止まれ、など)をすぐに覚えて、クールな彼らしく的確に実行していました。実際は声かけをする必要もなく、常に自転車との速度と幅を合わせてくれたので、こちらがふらついても問題はなく、ショパンが伴走してくれているという感じでした。

2008年9月の映像です。音は出ません。

河川敷ではフレキシ・リードに取り替えて、ゆっくり散歩です。

草地を走るのも大好きです。

ショパンの軽やかな走りは忘れられません。後方からの映像です。

ショパンは残念ながら早く亡くなり、やって来たのが、先週亡くなったパスカルJrです。同じスタンダード・プードルでも、パスカルは伴走が得意ではありませんでした。もちろん嫌がるのではなく、いつもホットでハイなパスカルらしく大喜びで、こちらに注意を向けず、思い切り走ってしまうのです。自転車を引っぱるばかりで、なかなかコントロールできません。2011年5月の映像です。

直線に入るとパスカルはどんどん自転車を引っぱって行きます。スプリンガーの先が大きく前にしなって、体育会系の筋力トレーニングになってしまっています。これを抑えるのが課題でした。その分、こちらは漕がなくてもいいので楽ですけど。

パスカルは自転車と一緒に走ると、河川敷の草地はいいのですが、道路ではすぐに肉球が擦り剥けてしまいます。対策として、これもアメリカ通販(RUFFWEAR)のブーツを履かせましたが、すぐに破れてしまい、何度も補修しながら、3足(犬の1足は4つです)くらい買い換えました。

揃いの胴輪です。

なかなか可愛い姿です。

2012年に大阪に移ってから一度だけパスカルJrと淀川河川敷で走ろうと試みたことがあります。でも、河川敷までの距離は豊平川河川敷よりずっと短いものの、往復する道路が狭く、人も自転車も車も桁違いに多く、迷惑にならずに犬と一緒に自転車で移動することはできません。犬と一緒の自転車走行が条例で禁止されるところも出てきたのも頷けます。

札幌では犬の伴走で大活躍したMTBワイルドウェストですが、大阪では近所を少し走ったくらいで、8年間ずっとカバーの中でした。スプリンガーは外していますが、取り付け装置は付いたままです。

スプリンガーのクランプです。

首輪のリードを取り付けるカラビナです。

ママチャリ整備でコツがわかったので、この自転車も整備を始めることにしました。整備を終えたらゆっくり淀川河川敷を走ってみたいと思っています。

パスカルJr 11歳! でも・・

(7月18日 最後に追記しました)

2020年6月20日、パスカルは11歳の誕生日を迎えることができました。おやつはバースデイケーキ(パウンドケーキにアイスクリームのトッピング)です。

パスカルは昨年末まで抗がん剤治療を続け、今年に入ってからは寛解状態が続いていました。しかし、春先から悪性リンパ腫が再発し、今回は左眼球の奥から顔の内側に腫瘍が急激に大きく拡がってしまいました。進行がとても速く、抗がん剤治療を再開して腫瘍は縮小してきたものの、5月初旬には左眼を失明し、6月に入って右眼も見えなくなりました。

5月24日、まだ右眼が見えていた頃、淀川の堤防まで歩きました。これが8年間続いた淀川散歩の最後でした。

10歳を超えてからの失明だからでしょうか、行動に大きな支障が出て、少しうろうろしたら寝てしまう状態が続き、食も進まず、筋肉がかなり落ちました。失明してから1週間ほどは近所の緑道への排泄散歩に抱きかかえて行きました。パスカルは歩けたでしょうが、何も見えない不安でへたり込んでしまうので、仕方ありません。20mほどの距離ですが、22kgを抱えて運ぶのはけっこう大変でした。

パスカルが室内を歩いて当たりそうな角や出っ張りにはスポンジパッドを貼り付けました。

その後、失明に少し慣れてきたようで、かなり波はありますが、食欲も出てきました。水の置き場やベッドの位置を変えていないので、いろいろとぶつかりながらも、自力で行くようになりました。位置はだいたい覚えているようです。玄関先の階段なども覚えていて、首輪と胴輪でリードをコントロールすれば、緑道まで付け歩きで往復できるようになりました。

去年からの獣医通いでドライブの楽しさを覚えたので、診察予約の電話をかけた途端に感づいて興奮が始まります。クルマは揺れるので、いい運動になります。乗ったら外を眺めているような態度です。

見えなくなってもドライブは大好きなので、雨の日に緑道散歩を嫌がるときは「ドライブ!」の一声で立ち上がって尻尾を振ります。その勢いで阪神高速横の駐車場まで近所ドライブして、阪神高速の高架下を散歩するようになりました。

この動画は誕生日の夜のドライブ散歩です。短時間でもドライブしたし、高架下は広いので、周りに気をつけながらリードを少し伸ばしてやると、喜んで歩き回ります。

他の犬が散歩していても、見えないのでOKなのですが、吠えられると大興奮になってしまうのは相変わらずです。

まだまだ抗がん剤治療を続けることになります。これから先も、食事などへの反応に一喜一憂する毎日が続くでしょうが、パスカルの頑張りに期待しています。

(追記:7月18日)
パスカルJrは誕生日以降も抗がん剤治療を続けながら、毎日が誕生日のような生活をそれなりに楽しんでいるようでした。でも、7月10日に容体が急変し、その後は立ち上がることができなくなりました。14日までは顔を上げることはできて、なんとか飲食が可能でしたが、15日の昼前に初めての遠吠えをして、午後から昏睡状態になりました。そして、7月16日の夜10時に息を引き取りました。最後はとても穏やかでした。11歳と26日でした。

最近のパスカルJr 2016 夏

パスカルJrは6月で7歳になりました。

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去年から夏の朝の散歩後にバテるようになりました。症状は、いつも喜んで食べるドライフードを食べなくなることだけですけど。去年は7月に入ってから始まりましたが、今年は6月からに早まりました。散歩の後に30分くらい置いて、牛乳を少しかけてやると、普段の8割くらいを食べます。

夏バテというほどではありません。体温がすぐには下がらないのでしょうが、以前は散歩後に水をよく飲んでいましたが、食事の後まで飲まなくなっています。ひょっとしたら、去年、この時期にミルクをかけた食事になったことを覚えているからかもしれません。夕方の食事は夜の散歩前ですが、それもドライフードだけでは食べないので、その可能性はあります。

原因はともかく、暑さ対策として、先ず毛を短く刈ってみることにしました。脚を除いて、全体にバリカンを入れました。

Before
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After
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顔にバリカンをあてるのは初めてなので、うまくいかず、短いところと長いところがまだらになってしまいました。なかなかむずかしいものですね。

パスカルは牛乳が好きで、それで胃腸の調子が悪くなることはなかったのですが、ドライフードに牛乳をかけたりして、量が多くなるのが気になっていました。そこで、ドライフードにウェットフードを混ぜることにしました。しかも、シニア用の低カロリーです。

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これを2日分くらいに分けて、ドライフードをコーティングするように手で混ぜています。
朝の散歩後、もちろん30分以上経ってからですが、完食しますので、秋までは続けてみることにしました。ひょっとしたら、今後ずっとということになるかもしれません。

また、毎朝、淀川まで行く経路を変えて、路面が涼しく日蔭の多い緑道を通るようにしています。

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この緑道は快適ですが、散歩の犬と出会う確率が高いのが難点です。向こうに犬がいるのを見つけたら、回れ右して戻り、大きく迂回します。外出時にパスカルが他の犬や猫を見かけて大興奮する のは7歳になっても変わりなく続いています。猫はたいてい逃げて行ってくれますが、散歩の犬はそうはいきません。

パスカルを訓練することがむずかしいとわかってから、まあ、こちらも更なる訓練をほぼあきらめています。人間では、情動制御に認知的行動療法が効果的なようですが、犬ではなかなかうまくいかないものです。

淀川の河川敷に降りると、元気に走り回ります。早朝でも強い大阪の日差しは気にしません。

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走り出すときはリードをくわえます。子どもの頃と変わりません。

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鉄道写真の撮影方法を試みてみました。単なる流し撮りです。

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パスカルは永遠のパピーと言えるのかもしれません。私のスリッパ、靴下、自分のベッドをくわえていく、ヘソ天で寝る、シャンプーは大股開きで抵抗する、などなど、7年間、ほとんど変わりはありません。

でも、外耳道の毛抜きをかなり我慢できるようになってきました。これが一番の進歩です。プードルは全身の毛がどんどん伸びます。外耳道も毛抜きをしないと毛が伸びて汚れて、鼓膜の手前まで詰まってしまいます。これまで外耳道に毛抜きを入れようとすると激しく頭を振って、やらせてくれませんでした。何度も炎症をおこし、一度は外耳道の毛抜きのために獣医で全身麻酔を受けたことがありました。

「お留守番」と言えば、おとなしく待ちの体勢に入ってくれるので、外出が楽です。そして、最大の得意技は、いつも笑わせてくれることです。

パスカルJrの成長 1

パスカル(2009年6月20日生まれのスタンダード・プードル、オス)は、札幌時代、2009年10月にやって来ました。
事情があって、親犬と離された後、犬にとって一番大事な時期、4月齢まで縄でつながれ、散歩も一切させてもらっていませんでした。トコとは違った形ですが、レスキューしました。

色合いが最初の愛犬パスカル(ゴールデン・リトリーバー)と同じ雰囲気なので、パスカルJr(ジュニア)と名付けました。その結果、2002年に亡くなったパスカルはパスカルSr(シニア)と呼ぶことになりました。

でも、パスカルジュニアという名前は呼ぶには長すぎるし、ジュニアと呼ぶのも、じゃりン子チエを思い出してしまうので、結局はパスカル、あるいは愛称として、パースケと呼ぶことになりました。

やって来て間もなくのパスカルです。軽くカットしました。体重は9.6キロで、スタンダード・プードルの4月齢の体重は15キロくらいですから、発育不良と言える軽さです。

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ブラッシングをしていて見つけたのが、ヒゼンダニによるひどい疥癬(かいせん)です。全身にまわっていて、両耳はともに先端の皮膚が1センチ近くに肥厚していて、ボロボロです。過角化型疥癬のようです。知人の獣医に相談すると、人にもうつるので、殺処分を考えたほうがいいとまで言われましたが、とりあえずは、北大動物病院で治療を受けることになりました。イベルメクチン投与による治療です。(ちょうど、この記事を書いているときに、2015年ノーベル医学・生理学賞受賞者として、イベルメクチンの元を発見した大村智氏の名前が発表されました。パスカルも感謝しないと!)

その頃は、先住犬のショパンがいましたので、疥癬がうつらないように、パスカルを隔離しながら、治療と訓練を始めました。

急遽、日曜大工で、開閉できる柵を作りました。当分は、模型鉄道の周回はできません。さらに、本棚に入れてあった本がかじられてしまいました。

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ジャンプしたので、耳がダンボです。

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よく寝ます。でも、今は目を開けています。

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その後、2010年2月に、先住犬のショパンが急死しました。同じスタンダード・プードルでも、いろいろと大きな違いがあります。比べないように心がけていますが・・・。

2010年4月ころには、イベルメクチンの効果で、疥癬もほぼ治癒して、体重は19キロを超え、家の中ではそれなりにおとなしくできるようになりました。
カットはショパンで練習したので、自分でやりますが、パピーカットしかできません。

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テコには本気で叱られています。

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シャンプーです。パスカルは水が大嫌いで、「シャンプーだよ」と言った途端に伏せてしまいます。浴室の近くまでおびきよせて、そこからは後ろから上半身を抱えていきますが、下半身は大股開きで抵抗します。浴室に入ると覚悟して、おとなしくなります。

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2010年4月17日。階段を下りたいけど下りられないパスカルです。

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