文楽研修修了発表会

1月28日、文楽劇場の文楽研修生の修了発表会(入場無料)を観に行きました。第27期だそうです。

先日の染模様妹背門松が始まる前に、ロビーに置かれたパンフレットに気づきました。研修生募集の案内はよく見かけましたが、実態は知らなかったので、いい機会でした。昨年の発表会はウィークデイで小ホール(150席ほど)だったそうですが、今年は土曜日で本舞台の文楽劇場(730席)です。

演目は、「万才」、素浄瑠璃「一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)」、「本朝廿四孝(十種香の段)」となっています。パンフレットを読むと、修了する研修生は3人のみで、他の演者は若手の太夫と三味線、人形ですが、ベテランも入っています。これが無料というのが不思議なくらい、なかなか豪華です。

開演1時間前には長い行列ができていました。場内は染模様妹背門松の時より多いくらいの観客でした。無料で配られた冊子も立派なものです。

冊子には、床本、出演者の紹介、修了研修生の紹介、研修内容、過去の研修生一覧などが丁寧に説明されています。

今年の修了生は、一人が語り、二人が人形となっています。
「万才」では、語りの修了生が床上の末席で、裃は着けていません。人形の二人とも足の担当ですが、黒衣衣装でも黒頭巾なしです。でも、とても力が入った動きでした。修了生の素浄瑠璃「一谷嫩軍記」は、よくがんばった!という感じでした。最後の「本朝廿四孝」では、竹本津駒太夫の語り、鶴澤清志郞の三味線という贅沢な組み合わせで、最後にほんのちょっぴりですが、修了生がそれぞれ人形の主遣いを担当させてもらっていました。

冊子によると、伝統芸能の研修制度は昭和45年に歌舞伎で始まり、文楽は昭和47年から、その後は寄席囃子などもできているようですね。

幕間の休憩時間に案内係の人に話を聞きました。
10人近くの研修生が入った年もあったそうですが、今回は5人が入って3人が研修期間2年を終えて修了まで進んだそうです。文楽劇場の研修は一種の職業訓練校ですが、文楽の世界で生きる気持ちが相当に強くないと大変でしょうね。

研修に入る段階で希望の道(語り、三味線、人形)を選ぶそうですが、途中で道を変更することもあるようです。今日も出演していた三味線の鶴澤清志郞は人形遣いを目指していたらしいです。別の才能の開花というわけですね。研修が終わると、技芸員になり、師匠の元で修業を重ねていくわけです。

一番面白かったのは、後ろの席に座っていた若い女性二人の会話でした。休憩時間になると、ひっきりなしに内部情報に関する会話が聞こえてきます。どういう人たちかはわかりませんが、とても「通」で、今回の研修修了生のこともよく知っているようです。その会話の中で、「師匠を選ぶのも芸のうちよね」というセリフが出てきて、思わず「なるほど」と、うなづいてしまいました。

毎年、観に来たい催しでした。