カホンの組み立てキット

2024年10月29日

以前から、ペルーの打楽器カホン(Cajon)は面白そうと思っていました。プロの演奏を眺めていると、とっても複雑な手・指(時として足も)の動きですが、低レベルであれば初心者でも気楽に遊ぶことができそうに思えます。そういう印象を持っていたのが今回の伏線でした。

一方で、そろそろヘッドフォンを買い替える時期と考えていたので、スタジオ音響関係の定番商品を扱っている通販サイトを眺めていたら、カホンの組み立てキットを見つけました。キットは1万円ほどの価格で、かつ、6千円ほどの特別ポイントが付く、というので、カホンを買って、そのクーポンをヘッドフォン購入の一部にあてようという算段になりました。

組み立てキットというのは、鉄道模型でも同じで、構造がよくわかるし、組み立てていく楽しさがあるので、少々の失敗を気にしなければ、完成品よりも好ましい選択肢です。

商品が到着しました。

開けます。ドイツのSelaという打楽器メーカーの製品(Snare Cajon Kit)です。

箱の中には、板類だけでなく、工具用パーツや接着剤なども入っています。製品案内文には、電動ドリル本体だけを用意するように、と書かれています。
出来上がりのカホンのサイズは、幅30cm、奥行き30cm、高さ47cm(+1cmのゴムクッション)です。

組み立て説明書は小さすぎて読めず、販売店がYouTubeに簡単な製作動画をアップしています。注意書きや機能などの説明はありません。それなりに調べて、翌日から組み立てることにしました。

翌日、先ずは外板を4枚合わせて箱を作るために、添付の2本の小さなチューブ入り接着剤を使います。ところが、一カ所の接着だけで、1本が無くなってしまう(使いすぎ?)し、あまり上等な接着剤ではなさそうだったので、手持ちのタイトボンドを使いました。次の写真で、タイトボンドの前にある白いチューブ2つが添付されていた接着剤です。
これも添付されている締めベルト(2本)を使いつつ、手持ちの工具も使って、90度を確認して養生しました。

ただ、カホンは上に座って叩くので、体重がたっぷりかかります。前後に薄い板を貼るからいいのだろうとは思いますが、45度で合わせた板を接着剤で固定するだけでは心許ない雰囲気を感じたので、手持ちの工作用三角棒を4隅に貼り付けることにしました。これは思いつきの補強です。

このカホンは、箱の内部にドラムのスネアみたいな線のユニットを入れて、振動を変化させるようになっています。このスネア・ユニットは後面の穴から出し入れできます。

こういう振動ユニット(ギターの弦など)がカホンの内部に使われたのは、パコ・デ・ルシアがスペインに持ち帰って、フラメンコに合うように加工したからだそうですね。よく聴いたパコのアルバムSiroco (1987)では、あたりまえのように使われていました。

そのユニットを保持する部品を内部に取り付けます。

止めねじを取り付けて、スネア・ユニットをこのように置くようです。スネア・ユニットの中央の丸い穴は、スポンジを入れて、スネアの響きを調整するそうです。

一晩、接着の養生をして、翌日に前後の板をねじ止めしました。
後板には空気通り穴が開けられています。親切にも、ねじ止めしていく位置にすべて凹みが作られていました。でも、ねじが入りにくかったので、すべてにドリルで穴を開けてからねじを止めていきました。

添付されているねじは、径2.8mm長さ15mmです。木ねじなのに、いたずら防止のために自動車用部品でよく見るトルクスヘッド(六角星形のヘッド)でした。写真左側の電動ドライバーのトルクス用六角ビットも添付されていました。

カホンの叩く面となる前板をネジ止めしました。

ここで、別の疑問が出てきました。前板の上部、左右の位置にねじがありません。これが指定通りなのですが、締め付けていて、上部の両側が少しだけですが、隙間ができます。少し離れた横のねじを強く締めると、板にねじが食い込んでしまいます。

そこで、これも思いつきですが、前板から空気が少しでも抜けるよりも、しっかりとねじ止めしたほうがいいのではないか、と考えて、2本ずつ左右の上部をねじ止めしました。ねじとねじの間隔が均一ではなくなったのですが、あまり目立たないでしょう。

後でカホンの画像をネット上で調べてみたら、前面上部の左右をねじ止めしている場合が多いようですが、このキットのように、この場所にねじ止めしていないカホンもそれなりに見かけました。カホン作りに慣れていれば、音を聴きながら、ねじ止めの位置と数を決めるのかもしれません。まあ、ビギナーはこれでいいことにします。

これで添付のねじは使い切ったので、底に付けるゴムクッション用のねじは手持ちのタッピングねじを使いました。また、上部の左右の角は軽く面取りをしておきました。

これで前板がぴったりと隙間無く貼り付きました。まあ、これはメーカーとしての「意図的なねじなし」なのかもしれませんが、ねじなしの状態と比べると、叩いたときの低音が太くなったような気がしたので、これでいいことにします。
2日目が終わりました。商品説明を読むと、これで完成となります。

しかし、前板だけが塗装された状態は感心しませんので、3日目から塗装に入りました。白木のままの4面ならびに底面も塗装します。塗料は、手持ちで残っていた、水性ウレタンニスのライトオークです。

塗装は1日で終わるかと思いましたが、ベニヤ板の木目よりも、ウレタンニスの厚塗り(ツルツルで樹脂っぽくなる)が好みなので、1日に2回の塗り重ねを続け、3日がかりになりました。裏と底の塗装は薄いめにしています。

塗装するに際して、前板を外しておけばよかった、と後で気がつきました。前板の周囲を塗って、少しだけ塗料が前に回りました。

完成です。

後の空気穴(サウンドホール)から覗いたショット。添付されていたシールをスネア・ユニットの上あたりに貼っておきました。

なかなか面白い、延べ5日の工作でした。
カホンとしての音の良し悪しはよくわかりませんが、気持ちのいい音です。
普段はコンピュータ机の脇で足置きにして、気が向いたらYouTubeのレッスン動画で練習しています。