奈良町と平城宮跡

1月29日、風はあっても寒さが落ち着いたので、久しぶりのドライブです。昼過ぎに出発して、奈良町(ならまち)にある、知り合いのカレー&コーヒー・ショップに初めて行きました。

第二阪奈有料道路を使いました。これから生駒山の下を通り抜ける阪奈トンネルに入るところです。

45分のドライブで奈良ホテル横の駐車場に到着しました。到着手前で猿沢池の横を通りましたが、柳が枯れて苗木を植え直しているそうで、風情復活はいつになるかわからないようです。駐車場にクルマを置いて、十輪院畑町まで歩きました。初めての奈良町散策です。

途中に石標がありました。新しいもののようですが、古い雰囲気を出しています。鬼瓦を模した飾りを貼り付けているようです。

石標に彫られた元興寺(がんごうじ)の前を通りました。

このあたり一帯には古くて整備された家が多く残っています。

そこから先は狭い路地を左右に進むと、目的地「香炉里 (こるり)」に到着です。

昨年のシルクスクリーン展「SILX’17」リーダーの和田氏の小品展で、今日が最終日です。

これまでの作品を小さくして、モノトーンで統一しています。知っている作品、知らない作品がありました。新しい和田ワールドですね。

店の片隅にはオーナーのI氏が作ったジオラマが置かれています。I氏とは昨年のSILX’17でお会いして、鉄道模型の話題で盛り上がっていました。

I氏のメイン・ターゲットはバスだそうで、バスが走る風景のジオラマを作って、写真を撮ったら、ジオラマを片付けて、次のジオラマを考える、という思い切ったスタンスです。ジオラマは基本的に一晩の命だそうで、ここに置かれているのは、参考のために残しているものだそうです。

ジオラマの写真は「こるり通信」という小冊子の表紙になっています。これまで発行されたものをいただきました。

おいしいカレーとコーヒーをいただいてから、奈良町を散歩しました。すぐ近くの酒造「春鹿」のショップを見学していて、先ほどのカレーのトッピングで選んだ豚肉の粕漬けに使ったという酒粕を見つけました。香ばしくてなかなか味わい深いものでした。

春鹿の前の道を進んで、「奈良にピラミッドがある」とI氏に教えてもらった「頭塔(ずとう)」を眺めに行きました。ピラミッドのように立体的なインド風の仏塔だそうですが、パンフレットに掲載された上からの写真を見ると、これは曼荼羅の元来の姿なのでしょうね。

ホテルの横から眺めただけですが、次の辻を曲がると別の入口がありました。

雰囲気はわかったので、奈良町の中心に戻りました。月曜日ということで、いろんな施設は閉まっていましたが、町屋を改造した店も多く、魅力的な街ですね。和菓子の店で豆大福と桜餅を買いました。まだ3時過ぎなので、来る途中で眺めた平城宮跡を見に行くことに決めて、駐車場に戻る途中で、奈良地方気象台の和風装飾の建物を見つけました。

2017年3月に移転してきたそうですが、奈良町の中に置くことに気を遣っているのでしょうね。建物の側面は普通の白いビルです。なかなかの好感度でした。

平城宮跡に出発する段階で、グーグル検索で出てきた「朱雀門」の電話番号をナビに入れて目的地を設定したら、来る途中で眺めた朱雀門とはかなり離れた北のほうに走ることになりました。下調べをしていなかったので、一体どこに到着したのかよくわかりませんでした。あらためて、ネット検索をしてみると、朱雀門あたりの駐車場は2年前から工事で閉鎖されているそうです。

到着したのは平城宮跡の東北にある平城宮跡遺構展示館という場所でした。無料駐車場があり、入口のブースの人に聞くと、今日は休館日でした。5時までは駐車場やトイレが使えるとのことで、まだ4時前なので、少し奥に入った宇奈多理坐高御魂神社(うなたりにいますたかみむすびじんじゃ)近くの駐車場にクルマを置いて、復元された建部門のあたりを歩いたら、遠く近鉄の向こうに朱雀門が見えました。

歩いて行くことにしました。遠いようでしたが、10分そこそこでした。
朱雀門です。

確かに、駐車場だったような広い場所は自動車乗り入れ禁止になっています。
1998年に復元されて、何度か近鉄の車内から眺めた記憶はありますが、現地に来たのは初めてです。

すばらしい建物ですが、周りには短い塀しかないのはさみしいですね。これからも工事が続いていくのでしょう、と思いながら、北のほうを眺めると、近鉄の向こうに別の建物が見えています。

大極殿の復元というのを聞いたことを思い出しました。第一次大極殿の復元は2010年の完成です。ここまで歩いたので、あそこまで行くしかない、と歩きました。

到着しました。

これはまた大きく立派な建物です。朱雀門と南北に対峙しています。

横に四天王の大きな飾り物が置かれていました。

作業をしている人にうかがうと、昨日まで(1月26日~28日)「奈良大立山まつり」が行われていて、解体作業をしているとのことでした。帰宅してから、去年の動画を観ると、なかなか楽しそうな催しのようです。ここからは、とっとと歩いて、クルマまで戻り、駐車場を出たのは4時50分でした。

平城宮跡は現時点では数カ所の復元工事が終わった段階で、敷地はまだまだ広大な野原です。朱雀門(左端)から大極殿(右端)までをパノラマにしてみました。

延べ6時間足らずのドライブ散歩で、初めての場所ばかりを歩くことができました。平城宮跡はこれから何年もかけて平城宮跡歴史公園として整備されるそうで、いずこもまた歩いてみたいところでした。

 

忍海ってどこ?

4月16日、服づくりをやっている友人が作品展示をしているというので、別の友人と二人で近鉄御所(ごせ)線の忍海(おしみ)というところに行ってきました。知らない読めない地名です。明治期までの郡名・村名だそうで、現在は奈良県葛城市の一部になっています。大阪に住んでいたものの、畿内の地名は教科書に出てくるくらいしか知らないので、初耳の地名が多く、そういうところを訪ねるのは楽しい「小さな旅」です。

12日に吉野に行った近鉄南大阪線ですが、今回は急行で、奈良県葛城市にある尺土(しゃくど)駅まで行き、御所(ごせ)線に乗り換えます。

近鉄南大阪線が走るのは、河内と大和をむすぶ古代の官道・竹内街道(たけのうちかいどう)のちょっと北側です。二上山(にじょうざん=ふたかみやま)を挟んで、大阪側の羽曳野(はびきの)市、太子町、奈良側の葛城市に至るまで、古墳などの史跡が多く、古事記、日本書紀、万葉集にあらわれる地名が残っているようです。

当麻寺駅の2つ先にある尺土駅は二路線の乗換駅になっているためか、悩ませる発車案内表示がありました。

右側の2番線の急行(右上の先発)から降りたら、1番線に列車が停まっています。1番線の案内表示には「次発 普通 橿原神宮前」となっています。その下に「先発 普通 御所」となっています。さて、御所線は停まっている列車に乗っていいのか、と悩みました。

同行の友人は乗り込もうとしましたが、一応、そばにいた駅員に確認してみたら、この列車は橿原神宮前行きで、御所行きは次に入ってくる列車だということ、路線別に先発・次発と表示している、と教えてくれました。上にあるのが「先に出る」という意味ですね。発車時刻をよく見たらわかるのでしょうけど。友人を呼び戻して、次の列車を待ちました。

尺土から分かれた御所線は大和葛城山を右前方に見ながら南下し、なかなか長閑な雰囲気です。忍海駅で降りると、すぐ近くに「角刺(つのさし)神社」という小さな社がありました。

式内社ではなく(村社)、社務所もありませんが、由緒は古いようで、日本書紀の一節が引用されています。

興味深いのは、境内に比較的最近に建てられたと思える神宮寺「忍海寺(にんかいじ、とふりがな)」が建っていることでした。

その向かいあたり(神社の入口方向)に、これまた興味深い大木がありました。

写真ではちょっと見づらいですが、この木は右横のほうに根があり、地上に出てすぐ左横に伸びてきて、そこから直角に立ち上がって、立派な樹木になっています。かつては建物があって、その床下で生まれ、光を求めて伸び続けて、外に出て、そこから上に大きくなったのでしょうか。想像をいろいろとさせる木です。

しばらく、山のほうに歩いて行くと、田畑が多く、久しぶりにレンゲを見ました。昔は一面にレンゲが植えられていて、この時期の田圃がきれいなピンクになっていました。田植え前に鋤込んで肥料にしていましたが、最近はそういう手間をかけないのですね。遠景に見えるのは二上山のようです。途中に牛舎があって、なつかしい匂いが充満していました。

目的地です。築100年以上の古い農家で、庄屋の家だったそうです。

土塀も屋根も相当に傷んでいますが、立派な家です。

知る人ぞ知る、らしい「色とりどり展」という催しです。

古い大きな民家に雛人形をメインとしたさまざまなものが置かれています。その雰囲気を楽しむ世界です。

奥の部屋に友人の作品が置かれていました。最近いろいろと試みている「和紙の布」の作品です。

庭で採れたレモンで作ったパウンドケーキとコーヒーをいただきながら、ゆっくりと時間を過ごすことができました。夕方にはみんなで阿倍野まで戻って飲み会になりましたが、尺土から乗った急行は吉野帰りの人でいっぱいでした。

 

吉野の桜

4月12日、初めて吉野の桜を観に行きました。

朝の淀川散歩は雨が続いたので、3日ぶりです。

曇っていますが、午後からは晴れるという予報になっています。
今年初めてツバメが飛んでいるのを見ました。一羽だけです。

散歩から戻ってくると、近くのソメイヨシノが散り始めです。

この派手な明るさとは違った山桜を眺めるのが楽しみです。札幌でもソメイヨシノが多くなり、エゾヤマザクラを見かけるのは少なくなった気がします。

近鉄阿部野橋駅に吉野行き特急が入ってきました。古い車両の2両編成です。

往復ともに10日ほど前に特急の指定券を予約しましたが、行きは急行でもかまわないようで、帰りが大変だと聞いていました。確かに、帰りの座席はわずかになっていました。

この特急が通る近鉄南大阪線、吉野線などは狭軌ですし、途中から単線になるので、南海高野線を思わせる雰囲気です。でも、吉野川に沿っていて、高野線のように上り勾配がきついわけではありません。
1時間16分の乗車で終点・吉野駅に到着です。駅の向こうに下千本が見えています。

駅前でも人が多く、上のほうの賑わいを予感させました。

ケーブル(ロープウェイ)もバスも長い行列でしたが、バスはどんどん来るので、バスで中千本まで上がることにしました。

バスを降りて、中千本から上千本に行くあたりに「猿引坂」という場所があります。このあたりから桜の全体がよく見えました。

その近くに客の少ない古い茶店があったので、そこでお弁当を買って、桜を眺めながらの昼食です。ちょっと寒いくらいだったので、セルフサービスの熱いお茶があって助かりました。ここは中千本の終点あたりなので、人の往来は少しマシです。茶店の主人から、上千本、奥千本には雪が残っていると聞きました。

昼食後は、中千本から下千本に至る狭いメインストリートを歩きます。店が並び、人が多く、途中まではクルマも多く通る道です。大阪市内の商店街なみの賑わいです。

竹林院と勝手神社を訪ねてから、吉水神社に向かいます。
途中で大きな山桜を近くで観察することができました。吉野の桜の多くはシロヤマザクラだそうですが、花芽よりも葉芽が(同時か先に)開くので、ソメイヨシノのように花ばかりという派手さはありませんが、上品な風情を感じます。吉野には古くから山桜が多かったそうですが、江戸期以降にかなりの数が寄進植樹されたそうです。全体で3万本ほどにもなり、数百年の古木もあるようです。

こういう花と葉の状態の桜が集まると、桜色が複雑な色合いに見えるのですね。

メインストリートから少し降りた吉水神社境内の絶景ポイント「一目千本」です。さすがに撮影スポットで人の壁がなくなりません。

確かに、なかなかの景色です。まだ晴れ間は一部です。

その後、金峯山寺から、後醍醐天皇が吉野に入った行宮(あんぐう)の跡地、吉野朝宮跡(妙法殿)に寄りました。

どうして吉野という山奥が選ばれたかの子細は知りませんが、むしろここは山奥ではなく、この先にある大峰山、さらには熊野との往来という神秘な山々への「入口」だったのでしょうね。

最後は吉野駅まで下千本に囲まれた道を降りていきました。その途中でウグイスが鳴いていました。普通鳴きでした。音が出ます。

帰りの特急はピンクのラインが入った「さくらライナー」4両編成です。

反りが入ったような先頭のデザインはドイツで走っていたルフトハンザ・エアポートエクスプレスの窓を大きくしたみたいで、中間車両は同じくドイツのICEの雰囲気です。鉄骨組のアーチの中に停車していると、ヨーロッパの駅のようです。

往復とも、特急の座席の見た目はいいのですが、座り心地は有料特急のわりには、ちょっと?ですね。特急料金不要の京阪特急、阪急京都線特急に負けているかな?

それなりに吉野の桜に満足して、帰りの車中は疲れて、半分は寝ていました。
阿部野橋駅横のパン屋に寄って、帰宅後のワインがおいしく飲めました。パスカルは香りだけ。

今日の歩数計は1万7千歩になっていました。